増訂しました。
秦 シン <杵で禾をつく>
秦 シン・はた 禾部 qín
解字 甲骨文と金文は杵(きね=午)を両手でもち、二つの禾(こくもつ)をうつ形。篆文と現代字は禾が一つになっている。いずれも杵で穀物をつく形である。本来の意味でなく、中国の王朝名や国名、また氏族の名前に使われる。現代字は上部が「三+人」の形に変化した。
意味 (1)中国の王朝・国名。「秦シンの始皇帝」「秦陵シンリョウ」(秦の始皇帝のみささぎ)「秦火シンカ」(始皇帝の焚書をいう) (2)はた(秦)。応神天皇のとき機織りを伝えて渡来した氏族に与えられた名。「秦氏はたうじ」(京都の太秦などを拠点とした渡来系氏族)「太秦うずまさ」(京都市右京区にある地名。秦氏が住んでいた地。秦の前に太(おおもと・はじめ)を付けて「うずまさ」とよませた) (3)地名。「秦嶺シンレイ」(中国中部を東西に走り、黄河と長江の流域を分ける山系)
イメージ
「杵でつく」(秦・榛)
「形声字」(蓁・臻)
音の変化 シン:秦・榛・蓁・臻
杵でつく
榛 シン・はしばみ 木部 zhēn
ハシバミの実
解字 「木+秦(杵でつく)」の会意形声。実を杵でついて利用したと思われるハシバミの木。しば栗のような堅い実がなり食用になるハシバミの実は、殻を割って実を取り出すのに杵でつくように軽くたたいて殻を割った。現在はくるみ割り器のような専用ペンチがある。
意味 (1)はしばみ(榛)。カバノキ科の落葉低木。果実は球形で固く食用になる。セイヨウハシバミの実はヘーゼルナッツと呼ばれる。「榛栗シンリツ」(ハシバミと栗)「榛子シンシ」(ハシバミの実。中国で漢方薬となる。健脾・健胃、咳に効能がある) (2)はり(榛)。はんのきの古名。カバノキ科の落葉高木。 (3)草木がむらがり生えること。(=蓁)「榛草シンソウ」(茂った草)「榛荊シンケイ」(いばら。生い茂ったいばら) (4)地名。「榛名山はるなさん」(群馬県中部にある火山)「榛原はいばら」(奈良県宇陀郡などにある地名)(5)姓。「榛葉シンバ・シバ」「榛沢はいさわ・はりざわ」(6)人名。「北口榛花きたぐちはるか」(パリオリンピック槍投げ金メダリスト)
形声字
蓁 シン 艸部 zhēn
解字 「艸(くさ)+秦(シン)」の形声。草が盛んにのびているさまを蓁シンといい、音符は「秦シン」。
意味 (1)草が盛んに伸びて茂るさま。「蓁蓁シンシン」(草が盛んに茂る)「桃の夭夭ヨウヨウ(若々しい)たる其の葉,蓁蓁シンシンたり」 (2)むらがり集まるさま。
臻 シン・いたる 至部 zhēn
解字 「至(いたる)+秦(シン)」の形声。至る意味で音符「秦シン」の形声。[説文解字]に「至るなり」とある。
意味 (1)いたる(臻る)。およぶ。「臻極シンキョク」(極に至る)「臻至シンシ」(至る) (2)あつまる。おおい。「臻湊シンソウ」(あつまる)
舂 ショウ <杵でうすをつく>
舂 ショウ・うすづく・つく 臼部 chōng
解字 甲骨文字から篆文まで、杵(きね=午)を両手でもち臼をつく形の会意。臼で穀物をつくこと。「杵を両手で持つ形+臼(うす)」の会意。現代字は杵を両手にもつ形が「三+人」の形に変化した。杵で臼の中のものをついて脱穀することをいう。
意味 うすづく(舂く)。つく(舂く)。うすで穀物をつく。「舂米ショウマイ・ショウベイ」(臼でついて精白した米。また、米を臼でつくこと)「磑風舂雨ガイフウショウウ」(磑風ガイフウとは、磑(石臼)を回すように羽虫が回るように飛ぶと風が吹くという言い伝え。舂雨ショウウとは、舂(うすづ)くときの杵のように羽虫が上下に飛ぶと雨が降るという言い伝え。両者を合わせて、物事の前兆の例えをいう)
イメージ
「うすでつく」(舂・摏)
音の変化 ショウ:舂・摏
うすでつく
摏 ショウ・つく 扌部 chōng
解字 「扌(手)+舂(うすでつく)」の会意形声。扌(手)を付けて臼でつく意を強めた字。
意味 つく(摏く)。うつ。
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
秦 シン <杵で禾をつく>
秦 シン・はた 禾部 qín
解字 甲骨文と金文は杵(きね=午)を両手でもち、二つの禾(こくもつ)をうつ形。篆文と現代字は禾が一つになっている。いずれも杵で穀物をつく形である。本来の意味でなく、中国の王朝名や国名、また氏族の名前に使われる。現代字は上部が「三+人」の形に変化した。
意味 (1)中国の王朝・国名。「秦シンの始皇帝」「秦陵シンリョウ」(秦の始皇帝のみささぎ)「秦火シンカ」(始皇帝の焚書をいう) (2)はた(秦)。応神天皇のとき機織りを伝えて渡来した氏族に与えられた名。「秦氏はたうじ」(京都の太秦などを拠点とした渡来系氏族)「太秦うずまさ」(京都市右京区にある地名。秦氏が住んでいた地。秦の前に太(おおもと・はじめ)を付けて「うずまさ」とよませた) (3)地名。「秦嶺シンレイ」(中国中部を東西に走り、黄河と長江の流域を分ける山系)
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「杵でつく」(秦・榛)
「形声字」(蓁・臻)
音の変化 シン:秦・榛・蓁・臻
杵でつく
榛 シン・はしばみ 木部 zhēn
ハシバミの実
解字 「木+秦(杵でつく)」の会意形声。実を杵でついて利用したと思われるハシバミの木。しば栗のような堅い実がなり食用になるハシバミの実は、殻を割って実を取り出すのに杵でつくように軽くたたいて殻を割った。現在はくるみ割り器のような専用ペンチがある。
意味 (1)はしばみ(榛)。カバノキ科の落葉低木。果実は球形で固く食用になる。セイヨウハシバミの実はヘーゼルナッツと呼ばれる。「榛栗シンリツ」(ハシバミと栗)「榛子シンシ」(ハシバミの実。中国で漢方薬となる。健脾・健胃、咳に効能がある) (2)はり(榛)。はんのきの古名。カバノキ科の落葉高木。 (3)草木がむらがり生えること。(=蓁)「榛草シンソウ」(茂った草)「榛荊シンケイ」(いばら。生い茂ったいばら) (4)地名。「榛名山はるなさん」(群馬県中部にある火山)「榛原はいばら」(奈良県宇陀郡などにある地名)(5)姓。「榛葉シンバ・シバ」「榛沢はいさわ・はりざわ」(6)人名。「北口榛花きたぐちはるか」(パリオリンピック槍投げ金メダリスト)
形声字
蓁 シン 艸部 zhēn
解字 「艸(くさ)+秦(シン)」の形声。草が盛んにのびているさまを蓁シンといい、音符は「秦シン」。
意味 (1)草が盛んに伸びて茂るさま。「蓁蓁シンシン」(草が盛んに茂る)「桃の夭夭ヨウヨウ(若々しい)たる其の葉,蓁蓁シンシンたり」 (2)むらがり集まるさま。
臻 シン・いたる 至部 zhēn
解字 「至(いたる)+秦(シン)」の形声。至る意味で音符「秦シン」の形声。[説文解字]に「至るなり」とある。
意味 (1)いたる(臻る)。およぶ。「臻極シンキョク」(極に至る)「臻至シンシ」(至る) (2)あつまる。おおい。「臻湊シンソウ」(あつまる)
舂 ショウ <杵でうすをつく>
舂 ショウ・うすづく・つく 臼部 chōng
解字 甲骨文字から篆文まで、杵(きね=午)を両手でもち臼をつく形の会意。臼で穀物をつくこと。「杵を両手で持つ形+臼(うす)」の会意。現代字は杵を両手にもつ形が「三+人」の形に変化した。杵で臼の中のものをついて脱穀することをいう。
意味 うすづく(舂く)。つく(舂く)。うすで穀物をつく。「舂米ショウマイ・ショウベイ」(臼でついて精白した米。また、米を臼でつくこと)「磑風舂雨ガイフウショウウ」(磑風ガイフウとは、磑(石臼)を回すように羽虫が回るように飛ぶと風が吹くという言い伝え。舂雨ショウウとは、舂(うすづ)くときの杵のように羽虫が上下に飛ぶと雨が降るという言い伝え。両者を合わせて、物事の前兆の例えをいう)
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「うすでつく」(舂・摏)
音の変化 ショウ:舂・摏
うすでつく
摏 ショウ・つく 扌部 chōng
解字 「扌(手)+舂(うすでつく)」の会意形声。扌(手)を付けて臼でつく意を強めた字。
意味 つく(摏く)。うつ。
<紫色は常用漢字>
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