改定しました。
則 ソク・のり・のっとる 刂部 zé
大克鼎(上海博物館蔵)
解字 金文第一字は「鼎(かなえ)+鼎(かなえ)+刂(刀)」の会意。鼎は溶かした青銅を鋳型に流し込んで作る。鼎二つは土の模範型と出来上がった鼎を表している。模範型は粘土で作り、出来上がると鋳物砂をいれた型枠にいれて外側の型をとる(足や持ち手は分離し型をとる)。次に模範型を刀で全体的に薄く削って鋳物を流し込むスペースを生み出し内側の型をとる。この二つが出来上がると、鋳物砂をいれた型枠のなかで外型と内型を組み合わせて組み立て、鋳物を流し込み固まったら型枠をはずし砂を取り除くと鼎が完成する。金文の意味は、「のっとる」や「すなわち」の意味で使われており、模範型に「のっとり」作業し、鋳型に流し込むと「すなわち」鼎ができあがる意と思われる。金文第二字は鼎(かなえ)が一つになり、篆文から鼎が貝に変化した則となった。鼎が貝に変化する字に、貞テイ・員イン・賊ゾクなどがある。
鼎は祖先や神々を祀る祭祀で用いられることから春秋時代には[詩経・大雅]が「識ら不(ず)知ら不(ず)帝の則ソクに順(したが)ふ」(識らず知らずのうちに天帝の(法)則に従う)と、のり(則)。きまり(法則)の意味に用いており、現在に通じる意味が成立した。
意味 (1)のっとる(則る)。手本とする。「則天去私ソクテンキョシ」(天にのっとり私心を捨てる。我執を捨てて自然に身をゆだねる) (2)すなわち(則ち)。接続の助字。「否則ヒソク」[否(しか)らずんば則(すなわ)ち] (3)のり(則)。きまり。道理。「規則キソク」「法則ホウソク」
イメージ
「きまり・基準」(則・測・惻)
模様は鼎の側面にあることから、「かたわら」(側・廁)
音の変化 ソク:則・測・惻・側 シ:廁
きまり・基準
測 ソク・はかる 氵部 cè
解字 「氵(水)+則(基準)」の会意形声。一定の基準(ものさし)を用いて水の深さをはかること。
意味 (1)はかる(測る)。長さ・広さ・深さを測る。「測定ソクテイ」「計測ケイソク」「測量ソクリョウ」 (2)おしはかる。「臆測オクソク」「推測スイソク」
惻 ソク・ショク・いたむ 忄部
解字 「忄(心)+則(=測の略体。はかる)」の会意形声。相手の心を推し量ること。不幸な境遇にある相手に対して推し量る心をいう。
意味 いたむ(惻む)。悲しむ。あわれむ。「惻隠ソクインの情」(いたわしく思うこと)
かたわら
側 ソク・がわ イ部 cè・zè・zhāi
解字 「イ(人)+則(かたわら)」の会意形声。かたわらにいるひと。転じて、かたわら・そばを表わす。
意味 (1)そば(側)。かたわら(側ら)。「側近ソッキン」「側室ソクシツ」(貴人のそばめ) (2)かわ・がわ(側)。一方の面。「両側リョウがわ」「外側そとがわ」「側面ソクメン」
廁[厠] シ・かわや 广部 cè
解字 「广(やね)+則(かたわら)」の会意。母屋のそばに作られる屋根のあるトイレ。厠は異体字。
意味 (1)かわや(廁)。日本語の「かわや」は、川屋(かわや)で、川の上に掛けて作った屋で、大小便をするところ。便所。俗字の「厠」もよく使われる。「廁神かわやがみ」「廁中シチュウ」(かわやの中)「廁溷シコン」(廁も溷も便所の意) (2)(廁は家の外にあり共用なので人が集まるから)まじる(廁る)。まじわる。まじえる。「雑廁ザッシ」(いりまじる)「雑廁間錯 ザッシケンザク」(縦横に交わり合っていること)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
則 ソク・のり・のっとる 刂部 zé
大克鼎(上海博物館蔵)
解字 金文第一字は「鼎(かなえ)+鼎(かなえ)+刂(刀)」の会意。鼎は溶かした青銅を鋳型に流し込んで作る。鼎二つは土の模範型と出来上がった鼎を表している。模範型は粘土で作り、出来上がると鋳物砂をいれた型枠にいれて外側の型をとる(足や持ち手は分離し型をとる)。次に模範型を刀で全体的に薄く削って鋳物を流し込むスペースを生み出し内側の型をとる。この二つが出来上がると、鋳物砂をいれた型枠のなかで外型と内型を組み合わせて組み立て、鋳物を流し込み固まったら型枠をはずし砂を取り除くと鼎が完成する。金文の意味は、「のっとる」や「すなわち」の意味で使われており、模範型に「のっとり」作業し、鋳型に流し込むと「すなわち」鼎ができあがる意と思われる。金文第二字は鼎(かなえ)が一つになり、篆文から鼎が貝に変化した則となった。鼎が貝に変化する字に、貞テイ・員イン・賊ゾクなどがある。
鼎は祖先や神々を祀る祭祀で用いられることから春秋時代には[詩経・大雅]が「識ら不(ず)知ら不(ず)帝の則ソクに順(したが)ふ」(識らず知らずのうちに天帝の(法)則に従う)と、のり(則)。きまり(法則)の意味に用いており、現在に通じる意味が成立した。
意味 (1)のっとる(則る)。手本とする。「則天去私ソクテンキョシ」(天にのっとり私心を捨てる。我執を捨てて自然に身をゆだねる) (2)すなわち(則ち)。接続の助字。「否則ヒソク」[否(しか)らずんば則(すなわ)ち] (3)のり(則)。きまり。道理。「規則キソク」「法則ホウソク」
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「きまり・基準」(則・測・惻)
模様は鼎の側面にあることから、「かたわら」(側・廁)
音の変化 ソク:則・測・惻・側 シ:廁
きまり・基準
測 ソク・はかる 氵部 cè
解字 「氵(水)+則(基準)」の会意形声。一定の基準(ものさし)を用いて水の深さをはかること。
意味 (1)はかる(測る)。長さ・広さ・深さを測る。「測定ソクテイ」「計測ケイソク」「測量ソクリョウ」 (2)おしはかる。「臆測オクソク」「推測スイソク」
惻 ソク・ショク・いたむ 忄部
解字 「忄(心)+則(=測の略体。はかる)」の会意形声。相手の心を推し量ること。不幸な境遇にある相手に対して推し量る心をいう。
意味 いたむ(惻む)。悲しむ。あわれむ。「惻隠ソクインの情」(いたわしく思うこと)
かたわら
側 ソク・がわ イ部 cè・zè・zhāi
解字 「イ(人)+則(かたわら)」の会意形声。かたわらにいるひと。転じて、かたわら・そばを表わす。
意味 (1)そば(側)。かたわら(側ら)。「側近ソッキン」「側室ソクシツ」(貴人のそばめ) (2)かわ・がわ(側)。一方の面。「両側リョウがわ」「外側そとがわ」「側面ソクメン」
廁[厠] シ・かわや 广部 cè
解字 「广(やね)+則(かたわら)」の会意。母屋のそばに作られる屋根のあるトイレ。厠は異体字。
意味 (1)かわや(廁)。日本語の「かわや」は、川屋(かわや)で、川の上に掛けて作った屋で、大小便をするところ。便所。俗字の「厠」もよく使われる。「廁神かわやがみ」「廁中シチュウ」(かわやの中)「廁溷シコン」(廁も溷も便所の意) (2)(廁は家の外にあり共用なので人が集まるから)まじる(廁る)。まじわる。まじえる。「雑廁ザッシ」(いりまじる)「雑廁間錯 ザッシケンザク」(縦横に交わり合っていること)
<紫色は常用漢字>
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