漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「尞リョウ」<かがり火がもえる> と 「僚リョウ」 「寮リョウ」「瞭リョウ」「療リョウ」「燎リョウ」「鐐リョウ」「繚リョウ」「潦ロウ」

2024年02月16日 | 漢字の音符
  増訂しました。
 リョウ  小部 liáo

解字 甲骨文は「交差した木が燃えて炎が出ているさま+火」の会意。かがり火の意。燎の原字。金文の字形もこれを踏襲し、篆文で中央に日が入り、現代字の尞になった。篆文で日が加わり[説文解字]は「柴サイ(柴を焼く)して天を祭る也(なり)」とし天を祭る意味があるとする。
意味 たきび。かがり火(=燎)。ひまつり。
覚え方 (ダイ)(そ)(ひ)(ショウ)でリョウ

イメージ
 「かがりび」
(僚・寮・燎・鐐・繚)
  かがり火で「天を祭る」(遼) 
  かがり火は「あかるい」(瞭)
 「形声字」(療・潦)
音の変化  リョウ:燎・僚・寮・遼・鐐・繚・瞭・療  ロウ:潦

かがりび
 リョウ・かがりび  火部 liáo・liǎo
解字 「火(ひ)+尞(かがり火)」の会意形声。火をつけて、かがり火の意味を確認した字。尞の古代文字(甲骨・金文・篆文)には下に火が描かれていることから、燎には火が二つあることになり、燎の原字であることがわかる。また、やく・もえる意となる。
意味 (1)かがりび(燎)。夜中の警護などに周囲を照らすために焚く火。「燎火リョウカ」(かがり火)「庭燎テイリョウ」(庭でたくかがり火。にわび) (2)やく。もえる。焼き払う。「燎原リョウゲン」(野原をやく)
 リョウ  イ部 liáo
解字 「イ(人)+尞(かがり火)」の形声。かがり火を囲む人々。一緒につらなる仲間の人々。
意味 (1)ともがら。とも。同じ仕事のなかま。「僚友リョウリュウ」「同僚ドウリョウ」 (2)つかさ(僚)。役人。「官僚カンリョウ」「幕僚バクリョウ」(軍の陣営会議メンバー。長官に直属する参謀将校)
 リョウ  宀部 liáo
解字 「宀(いえ)+尞(=僚。ともがら)」の会意形声。ともがらが一緒に住む家。
意味 (1)宿舎。寄宿舎。「学生寮ガクセイリョウ」「寮生リョウセイ」(寄宿舎で生活する生徒) (2)役所。「図書寮ズショリョウ」(典籍の書写や国史の撰修なをする役所)「左馬寮サマリョウ」(律令制で馬の飼養・調習などを司った役所。左右の馬寮があった) (3)下屋敷。あずまや。「茶寮チャリョウ
 リョウ  金部 liào
解字 「金(金属)+尞(=燎。かがり火)」の形声。尞はここで庭燎テイリョウの意で祭場で焚く篝火。明るく燃えて炎は白くみえる。金(金属)を加えた鐐は白びかりする銀をいう。[説文解字]は「白金也(なり)。金に従い尞の聲(声)」とする。
意味 (1)しろびかりする銀。しろがね。ひらがね。良質の銀。「鐐金リョウキン」(白銀)「南鐐ナンリョウ」(良質の銀。南の中国から輸入された銀の意)「南鐐二朱銀ニシュギン」(江戸時代の貨幣。江戸初期に発行された良質の二朱銀を指す)「南鐐釜ナンリョウかま」(茶道具の銀製釜) (2)あしかせ。罪人の足にはめる鎖。「鉄鐐テツリョウ」(あしかせ)
 リョウ  糸部 liáo
解字 「糸(いと)+尞(=燎。かがり火)」の形声。糸がみだれまつわるさま。かがり火の炎が乱れるさまを糸に例えた。
意味 まつわる。まとう。糸がまつわりつくさま。「繚乱リョウラン」(①まつわり乱れる。②花の咲き乱れるさま)「百花繚乱ヒャッカリョウラン」(いろんな花の咲き乱れるさま)

天を祭る
 リョウ・はるか  辶部 liáo
解字 「辶(ゆく)+尞(天を祭る)」の会意形成。かがり火を焚いて、はるか遠い天を祭ることから、天に辶(ゆく)意で、遠い意味となる[新漢語林]。[説文解字]は「遠い也(なり)。辵(辶)に従い尞リョウの聲(声)」とする。
意味 (1)はるか(遼か)。遠くはなれている。遠くまで続く。「遼遠リョウエン」(はるかに遠い) (2)中国の王朝名。契丹族が中国東北部を中心に建てた国(916年~1125年)。「遼史リョウシ」( 遼代の正史) (3)地名。「遼河リョウガ」(中国東北部南部を流れる大河)「遼東半島リョウトウハントウ」(遼河の河口東岸に位置する半島)

あかるい
 リョウ・あきらか  目部 liǎo・liào  
解字 「目(め)+尞(たき火であかるい)」の会意形声。明るいのでよく見えること。
意味 あきらか(瞭か)。よく見える。「明瞭メイリョウ」「一目瞭然イチモクリョウゼン

形声字
 リョウ・いやす  疒部 liáo
解字 「疒(やまい)+尞(リョウ)」の形声。リョウは療の異体字である𤻲[疒+樂]リョウに通じる。リョウは、「疒(やまい)+樂(楽)(ラク→リョウ)」で、病を楽にして、いやす意。
意味 いやす(療す)。なおす。「療治リョウジ」(病気をなおすこと。治療)「医療イリョウ」(医術で病気をなおす)「療養リョウヨウ」(治療し養生する)
 ロウ・リョウ・にわたみず  氵部 liáo・lǎo・lào
解字 「氵(みず)+尞(ロウ)」の形声。[説文解字]は「雨水の大いなる皃ボウ(さま)也(なり)」とし、大水やたまり水を潦ロウという。
意味 (1)おおあめ。ながあめ。また、大水。「潦潦ロウロウ」(雨水の流れるさま)「雨潦ウロウ」「旱潦カンロウ」(旱魃と大水)「霖潦リンロウ」(大雨が降り続く。ながあめで道が流れのようになる) (2)にわたずみ(潦)。雨水のたまり水。「潦水ロウスイ」(にわたみず。たまりみず)「潦水ロウスイ庭に溢れる」(読史余論より)「庭潦テイロウ」 (3)ひたす。つかれる。「潦倒ロウトウ」(うらぶれたさま)
<紫色は常用漢字>

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