黽 ベン・ビン・ボウ・ミョウ・ミン・メン・モウ 黽部おおがえる
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解字 甲骨文字は、カエルを描いた象形といわれる。しかし原義での用法がなく、占卜に関する文字に使われ、吉凶を表す語(おそらく凶)や祭祀名に用いる[甲骨文字辞典]。また、カメにも似ており、後代にはこの字を部首とする黽部には、カエルやカメなど水と縁のある両生類や爬虫類である、「鼃ア」(かえる)「鼇ゴウ」(おおがめ)「鼈ベツ」(スッポンやタイマイなどの亀)などが含まれる。
音符となるとき、発音を利用した同音代替で使われる。新字体になるとき、黽 ⇒縄の右辺に変化する。
意味 (1)甲骨文で吉凶を表す語。 (2)あおがえる。「蛙黽アボウ」 (3)(ベンの発音が勉ベンに通じることから)つとめる。勉強する。
イメージ
「発音を表す文字」(縄・蠅・竃)
音の変化 ジョウ:縄 ソウ:竃 ヨウ:蠅
発音を表す文字として
縄[繩] ジョウ・なわ 糸部
解字 旧字は繩で「糸(ひも)+黽(ジョウ)」の形声。ジョウは定ジョウ(さだめる)に通じ、墨(すみ)のついたひもを弾いて線をつけて位置を定める細いなわをいう。太いものを索サクといい細いもの縄という。新字体は、繩⇒縄に変化。
意味 (1)なわ(縄)。よりなわ。「縄文ジョウモン」「縄張なわばり」「藁縄わらなわ」(わらで編んだ縄) (2)すみなわ。大工が線を引くのに用いる墨のついた縄。「縄墨ジョウボク」
蠅[蝿] ヨウ・はえ 虫部
解字 「虫(むし)+黽(ヨウ)」の形声。ヨウは揺ヨウ(ゆれる)に通じ、空中をゆれるようにあちこち飛び回るハエをいう。新字体に準じた、蠅⇒蝿も使われる。
意味 はえ(蠅)。ハエや近縁の昆虫の総称。「青蠅セイヨウ・あおばえ」「蒼蠅ソウヨウ・あおばえ」(体が青黒いイエバエ科の大形のハエ。うるさくつきまとう者をののしって言う)「蠅帳はいちょう」(食卓の上をおおう蚊帳状のもの)「蠅集ヨウシュウ」(はえのように群がり集まる)
竈[竃] ソウ・かまど 穴部
解字 「穴(あな)+土(つち)+黽(ソウ)」の会意。土に穴があいている土製のかまどをいい(会意)、ソウは会意の発音をあらわす。新字体に準じた竃が用いられることが多い。
土のかまど
意味 (1)かまど(竃)。へっつい。物を煮炊きする設備。「塩竃しおがま」(海水を煮て塩を製するかまど)「竃神ソウシン」(かまど神) (2)姓。「竈門かまど」「竃門炭治郎かまどたんじろう」(漫画「鬼滅の刃」の主人公)
亀 キ <かめ>
亀[龜] キ・キュウ・かめ 亀部
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解字 カメを描いた象形。旧字までは亀の絵を見るような見事な象形である。新字体は旧字の龜⇒亀に変化した。亀は、黽ベンの新字体の上にクをつけた形。亀は長寿を保つめでたい動物とされる。また、未来を予知する能力があるとされ、亀のお腹の甲羅を用いて占いが行なわれた。亀には占いに関する言葉や、甲羅が区画された模様をしているため、ひび割れるなどの意味がある。
亀は象形文字のため部首になっているが、亀部に属する字は極めて少なく、また、ポピュラーな字はない。
意味 (1)かめ(亀)。かめの甲。「亀甲キッコウ」(かめの甲羅)「亀卜キボク」(かめの甲羅を焼いておこなう占い) (2)ひび。あかぎれ。「亀裂キレツ」「亀手キシュ」(あかぎれの手)
参考 亀は部首「亀(龜)かめ」になる。この部首の字は非常に少なく、亀・龜、以外に龞ベツ(=鼈。すっぽん)があるくらい。
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「かめ」(亀)
「同音代替」(鬮)
鬮 キュウ・くじ 鬥部たたかいがまえ
解字 「鬥(たたかう)+龜(キュウ)」の形声。キュウは糾キュウ(あざなう・よじりあわせる)に通じる。後漢の字書『説文解字』に、「鬥(たたか)い取るなり。読みて三合縄糾の若(ごと)くす」とある。この文をもとに「くじ」の成り立ちを想像してみると以下のようになる。
三合縄糾サンゴウジョウキュウとは、三本の縄をよりあわせること。これに鬥(たたかう)がついた鬮キュウは、1本の先に印をつけた3本の縄をよりあわせると、その途中で3人がそれぞれの端をもち引っ張り、よりを戻してゆく。そして最後に印のある縄を引いたものが当たりになる。よって鬮キュウは、「くじ」の意味になると思われる。
意味 (1)くじ(鬮)。当たりを分からないようにしておき、任意に引かせて当たり外れを決めること。籤センとも書く。「鬮戯キュウギ」(くじあそび)「鬮定キュウテイ」(くじで決める)「鬮(くじ)を引く」 (2)たたかいとる。あらそう。
<紫色は常用漢字>
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解字 甲骨文字は、カエルを描いた象形といわれる。しかし原義での用法がなく、占卜に関する文字に使われ、吉凶を表す語(おそらく凶)や祭祀名に用いる[甲骨文字辞典]。また、カメにも似ており、後代にはこの字を部首とする黽部には、カエルやカメなど水と縁のある両生類や爬虫類である、「鼃ア」(かえる)「鼇ゴウ」(おおがめ)「鼈ベツ」(スッポンやタイマイなどの亀)などが含まれる。
音符となるとき、発音を利用した同音代替で使われる。新字体になるとき、黽 ⇒縄の右辺に変化する。
意味 (1)甲骨文で吉凶を表す語。 (2)あおがえる。「蛙黽アボウ」 (3)(ベンの発音が勉ベンに通じることから)つとめる。勉強する。
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「発音を表す文字」(縄・蠅・竃)
音の変化 ジョウ:縄 ソウ:竃 ヨウ:蠅
発音を表す文字として
縄[繩] ジョウ・なわ 糸部
解字 旧字は繩で「糸(ひも)+黽(ジョウ)」の形声。ジョウは定ジョウ(さだめる)に通じ、墨(すみ)のついたひもを弾いて線をつけて位置を定める細いなわをいう。太いものを索サクといい細いもの縄という。新字体は、繩⇒縄に変化。
意味 (1)なわ(縄)。よりなわ。「縄文ジョウモン」「縄張なわばり」「藁縄わらなわ」(わらで編んだ縄) (2)すみなわ。大工が線を引くのに用いる墨のついた縄。「縄墨ジョウボク」
蠅[蝿] ヨウ・はえ 虫部
解字 「虫(むし)+黽(ヨウ)」の形声。ヨウは揺ヨウ(ゆれる)に通じ、空中をゆれるようにあちこち飛び回るハエをいう。新字体に準じた、蠅⇒蝿も使われる。
意味 はえ(蠅)。ハエや近縁の昆虫の総称。「青蠅セイヨウ・あおばえ」「蒼蠅ソウヨウ・あおばえ」(体が青黒いイエバエ科の大形のハエ。うるさくつきまとう者をののしって言う)「蠅帳はいちょう」(食卓の上をおおう蚊帳状のもの)「蠅集ヨウシュウ」(はえのように群がり集まる)
竈[竃] ソウ・かまど 穴部
解字 「穴(あな)+土(つち)+黽(ソウ)」の会意。土に穴があいている土製のかまどをいい(会意)、ソウは会意の発音をあらわす。新字体に準じた竃が用いられることが多い。
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意味 (1)かまど(竃)。へっつい。物を煮炊きする設備。「塩竃しおがま」(海水を煮て塩を製するかまど)「竃神ソウシン」(かまど神) (2)姓。「竈門かまど」「竃門炭治郎かまどたんじろう」(漫画「鬼滅の刃」の主人公)
亀 キ <かめ>
亀[龜] キ・キュウ・かめ 亀部
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解字 カメを描いた象形。旧字までは亀の絵を見るような見事な象形である。新字体は旧字の龜⇒亀に変化した。亀は、黽ベンの新字体の上にクをつけた形。亀は長寿を保つめでたい動物とされる。また、未来を予知する能力があるとされ、亀のお腹の甲羅を用いて占いが行なわれた。亀には占いに関する言葉や、甲羅が区画された模様をしているため、ひび割れるなどの意味がある。
亀は象形文字のため部首になっているが、亀部に属する字は極めて少なく、また、ポピュラーな字はない。
意味 (1)かめ(亀)。かめの甲。「亀甲キッコウ」(かめの甲羅)「亀卜キボク」(かめの甲羅を焼いておこなう占い) (2)ひび。あかぎれ。「亀裂キレツ」「亀手キシュ」(あかぎれの手)
参考 亀は部首「亀(龜)かめ」になる。この部首の字は非常に少なく、亀・龜、以外に龞ベツ(=鼈。すっぽん)があるくらい。
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「かめ」(亀)
「同音代替」(鬮)
鬮 キュウ・くじ 鬥部たたかいがまえ
解字 「鬥(たたかう)+龜(キュウ)」の形声。キュウは糾キュウ(あざなう・よじりあわせる)に通じる。後漢の字書『説文解字』に、「鬥(たたか)い取るなり。読みて三合縄糾の若(ごと)くす」とある。この文をもとに「くじ」の成り立ちを想像してみると以下のようになる。
三合縄糾サンゴウジョウキュウとは、三本の縄をよりあわせること。これに鬥(たたかう)がついた鬮キュウは、1本の先に印をつけた3本の縄をよりあわせると、その途中で3人がそれぞれの端をもち引っ張り、よりを戻してゆく。そして最後に印のある縄を引いたものが当たりになる。よって鬮キュウは、「くじ」の意味になると思われる。
意味 (1)くじ(鬮)。当たりを分からないようにしておき、任意に引かせて当たり外れを決めること。籤センとも書く。「鬮戯キュウギ」(くじあそび)「鬮定キュウテイ」(くじで決める)「鬮(くじ)を引く」 (2)たたかいとる。あらそう。
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