1960年代の韓国。大統領官邸“青瓦台”のある町、孝子洞で理髪店を営むごく普通の男、ソン・ハンモ。彼は、近所の人々同様、大統領のお膝元であることを誇りに思い、時の政府を妄信的に支持し、熱烈さのあまり町ぐるみの不正選挙にも加担するほどだった。新米助手のキムを無理やり口説いて結婚し、やがてはかわいい息子ナガンも生まれ幸せな毎日を送るソンに、ある時大きな転機が訪れる。ふとした事件をきっかけに、彼は大統領の理髪師に選ばれるのだった。これによって、ソンは思いがけず、権力をめぐる政争の渦に巻き込まれてしまうのだった…。
「JSA」「殺人の追憶」のソン・ガンホが、理髪師の役を、いい意味で気の抜けた演技をしています。
題名からもわかる通り、大統領の理髪師とその息子の視点から見た韓国の歴史を描いた作品。そう聞いて思い出すのは「フォレスト・ガンプ」。少しコメディタッチで、どちらかといえば少し暗い歴史的政治事件を描写しているのは、どちらの映画にも共通しているところだ。
ただ、日本人にとってアメリカの近代史については、だいたいの知識を知っているが、韓国史となると、いくら日本で最近韓流ばやりといえども、ほとんどの人は知らないんじゃないかな。かくいう僕もその一人。おそらく韓国人が見て笑えるような微妙な事件もいまいち理解できなかったような気がする。
とはいえ、映画としてはなかなかよくできているし、最後は心温まる終わり方だったのでよしとしよう。