スマイリーな毎日

笑う門には福来たる

「男たちの大和 / YAMATO」

2006-01-06 | 映画

Yamato

昭和16年12月、極秘裏のうちに完成した「世界最大の戦艦」大和。 しかしミッドウェイ海戦での大敗以降、戦局は悪化の一途を辿っていた。そして運命の昭和20年4月、沖縄に向け「水上特攻」の命を受けた大和は、召集後まもない10代半ばから20代の若者たちが大半の3000余名の乗組員たちと共に出撃する…。


映画は、05年4月6日、1人の女性が、鹿児島県枕崎の漁港を訪れるところから始まる。彼女を、大和の沈没した北緯30度43分、東経128度4分まで船を出してやる老漁師の回想シーンでメインの物語が始まるというよくある構成。

目新しさはないが、映画を見る人(戦争を経験していない観客)が、その話の中にうまく引き込まれていくのを狙ったものだろう。確かに、その効果はあると思うが、時々実際のフィルムを流し、真面目な声で「1945年、太平洋戦争は云々・・・」などというナレーションを入れるのはやめてほしかった。そのたびに、ストーリーが途切れちゃって感情移入できなくなってしまう。説明するなら、物語の中や会話の中でうまく説明してほしかった。


それはそうとして、映画自体は、あまり期待していなかったせいか、まずまずの出来だった。

主役の中村獅童は気合入りすぎでちょっと浮いちゃってるし、反町隆史は相変わらずの演技だったが、脇役陣がなかなかよかった。特に、蒼井優はなかなか泣かせてくれます。あと意外にも、長嶋一茂もよかった。

また、大和乗組員の、家族や恋人との別れのシーンがバリエーション豊富にあり、観る人の立場で泣いちゃう場所もいろいろとあるんじゃないかな。隣に座ってたおばちゃんは、ほとんど全部のシーンでぐすぐすと鼻鳴らしてたけど。


で、肝心の戦闘シーン。さすがに尾道に実物大の大和を金かけて作っただけあって、甲板上でのシーンはなかなかの迫力。僕としては、実際に去年、大和のロケセットを見に行ってただけに、あれはあそこで撮影したんやろとか、あそこをこういう風に撮ったら迫力ある画が撮れるんやなとか、思いながら見てたのでなかなか楽しめました。ただ、これは、見るからにミニチュアやろとちょっと突っ込みたくなる場面もありましたが、、、。それでも、一昔前の同じ類の日本映画に比べるとずいぶん進歩したものです。


少し気になるのは、いかにも反戦映画ですよ、という形をとりながら、その根底には、この戦争を美化しているような感じがあるところ。「戦争で死んでいく人たちは、これからの日本が変わっていくための礎なのだ」というメッセージに訝しさを感じたのは僕だけだろうか。

コメント
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