三津嚴島神社ブログ

愛媛県松山市神田町に鎮座する嚴島神社の神主の記録

父母(ちちはは)も その父母(ちちはは)もわが身なり  われを愛せよ われを敬せよ

2020年08月01日 | 三津嚴島神社祭典

さて8月朔日(ついたち)の言葉は

「父母もその父母もわが身なり われを愛せよ われを敬せよ」

これは二宮尊徳の道歌です。

おりしも8月は盆月 先祖供養の時期です。

「盆は嬉しや 別れた人が 晴れてこの世に逢いに来る」

迎え火、送り火 亡くなったご先祖がそれぞれの家に戻り、またあの世に帰って行く時期でもあります。。

神道の考え方のひとつは祖先崇拝「祖先の恩に感謝する事」です

「親思う心にまさる親心」
と申しますが、自分自身を心から思ってくれる親の存在ほどありがたいものはありません。

子供の頃、どれだけ自分を可愛がってくれたか、身の回りの世話や病気の時の看病、
入学、卒業、成人式、結婚と人生の節目節目で共に喜び、
ともに心配してくれたかけがえのない存在、
たとえもう親が亡くなっていたとしても、こうしたことを思うたびに心が温かくなることでしょう。

「先祖あっての自分」とよく言われますが、自分の命は父母によってこの世に生み出されました。
両親がいなければ今の自分は存在しません。
同じように父母もまたその両親、祖父母に生命をうけています。
祖先がいなければ、両親も、今の自分も、子供も、孫も存在しないわけです。

 

そしてその祖先を遡ると、神様に行きつきます。
神様とは我々の大元(おおもと)のご先祖の事です。

父母、その父母と連綿と命が続いてきたからこそ今の自分の命がある。
自分の命は自分だけのものでなく、身体の中に神様やご先祖の尊い命、
魂が息づいている事を思えば、自分自身を愛し、敬い、悔いのない充実した人生を生きて行く事が、
神様、ご先祖を大切にすることにつながるのです。

芥川龍之介は「私の中には無数の先祖の魂が詰まっている」と述べておりますが、
神様やご先祖のお蔭で今の自分がある事を忘れずに、守られているありがたさや、
生かされているうれしさを感じながら、ご神前や神棚に手を合わせましょう。

 

心の幸福は感謝の気持ちから始まり、ひたすら祈る事によって、より大きくなるのです。

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