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名前の由来が面白いと思う「北海道の地名」ランキング

2015-06-22 | アイヌ民族関連
livedoor-2015年6月21日 17時0分
ぱっと地名を見ただけでは、読めないものも多い北海道の地名。その理由は、多くがアイヌ語に由来しているためだそうです。中には「そんな意味だったの!?」と驚いてしまうものも。そこで今回のランキングでは、名前が面白いと思う「北海道の地名」について聞いてみました。
■名前の由来が面白いと思う「北海道の地名」ランキング
1位:忍路(おしょろ) - 小樽市 アイヌ語の「オショロ」(尻のような窪み)に由来。
2位:長万部(おしゃまんべ) - 山越郡長万部町 アイヌ語の「オ・サマム・ペッ」(川尻が横になっている川)に由来。
3位:比布(ぴっぷ) - 上川郡比布町 アイヌ語の「ピオプ」(石ころだらけ)に由来。
⇒4位以降のランキング結果はこちら!
1位は、《忍路(おしょろ) - 小樽市 アイヌ語の「オショロ」(尻のような窪み)に由来。》がランク・イン。忍路は小樽市の西部にある地域で、ドラマ『マッサン』で話題となった余市町にも近い場所にあります。ここには余市湾と忍路湾を隔てる竜ヶ岬や兜岬があり、少しくぼんでいる形をしているため、「お尻の形をイメージしたものが地名になったのでは」という憶測もあります。ユーモアに富んでいますね。
2位は、《長万部(おしゃまんべ) - 山越郡長万部町 アイヌ語の「オ・サマム・ペッ」(川尻が横になっている川)に由来。》でした。内浦湾に接する長万部は、有名な洞爺湖にも近い地域として知られていますが、由来を知っている人は少なそうです。ちなみに長万部の由来については諸説あり、「オ・シャマンベ」から、ヒラメがいる場所を由来とする説もあります。
3位には、《比布(ぴっぷ) - 上川郡比布町 アイヌ語の「ピオプ」(石ころだらけ)に由来。》でした。北海道のほぼ中央に位置し、旭山動物園で有名な旭川市とも隣接する比布町。今ではのどかな町となったこの場所も、昔は石ころだらけの地域だったのかもしれませんね。ちなみに、かつては名前が似ていることから、ピップエレキバンのCMの撮影に使われたこともあったようです。
北海道の地名の表記には当て字が使われていることが多く、一見どんな意味が込められているのかわかりづらいです。北海道を旅するときには、先人に想いを馳せながら調べてみるのもいいかもしれませんね。
調査方法:アイブリッジ(株)提供の「リサーチプラス」モニターに対してアンケートを行い、その結果を集計したものです。
調査期間:2015年5月14日~2015年5月18日
有効回答者数:500名(男性:250名 女性:250名)
http://news.livedoor.com/article/detail/10257227/

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『沖縄の自己決定権』 琉球併合の不正から道標探る

2015-06-22 | ウチナー・沖縄
琉球新報 2015年6月21日 9:45

『沖縄の自己決定権―その歴史的根拠と近未来の展望』琉球新報社編、新垣毅著 高文研・1500円+税
 「日本政府は、主体的生き方を法律でつぶそうとする。その象徴が辺野古の闘いだ」。作家の大城立裕氏は、琉球新報の昨年からの長期連載「道標求めて―琉米条約160年 主権を問う」の中でそう述べた。本書は、辺野古の闘いが浮き彫りにした沖縄の自己決定権を歴史的に探る、同連載の単行本化である。
 政府は沖縄の抗議に耳を貸さず、法律の合法性を盾に新基地建設をやめない。ならば沖縄は空間的にも時間的にも日本の枠を越え、政府が大義名分とする合法性の起源へとさかのぼり、1879年の「琉球併合」の不正を国際法の地平で明らかにする。
 著者で同紙編集委員の新垣毅氏は、取材を続けながら「沖縄は独立を正当化できる歴史的要件や現状、経済的自立の可能性を十分持っている」と感じたという。スコットランド独立住民投票やパラオの独立、国連の議論など世界の動きも取材し、政治と経済の観点を含めて、沖縄の自治や独立の展望を具体的に提示した。本書を読むと、政府が繰り返す「法治国家」「地元の同意」は一層、空疎に響く。
 中国と冊封関係にあった非武の琉球に対し、明治政府は「廃琉置県」を断行し、土地を強制収用して兵営を造った。平和外交を脅かすと反対した琉球を“処分”し、尚泰王に同意を迫って主権をつぶした。この手前勝手な強権の論理は、日米の戦後沖縄統治まで一貫している。
 国連人種差別撤廃委員会は琉球人を先住民族とし、米軍基地押しつけは人種差別だと勧告した。だが政府は、県民が日本民族だとして人種差別に当たらないと主張する。琉球は独立国ではなく日本の一部で、併合は国内問題と強弁した姿と重なる。
 琉球が米仏蘭の三国と結んだ条約の原本は現在、外務省が保持している。だが同省はその理由を説明できないのだ。本書はこれらの条約が琉球の国際法の主体としての証明で、原本の所在こそが併合の不正を示す何よりの証拠だと説得的に論じる。
 歴史の検証が沖縄の主体的生き方を高め、現在を変える力となることを示した圧巻の書だ。(米田綱路・ライター)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 あらかき・つよし 1971年、那覇市生まれ。琉球大学卒、法政大学大学院修士課程修了(社会学)。98年、琉球新報社入社。中部支社報道部、県議会・政治担当、社会部遊軍キャップ、編集委員、社会部デスクなどを経て現在、文化部記者兼編集委員。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-244586-storytopic-6.html


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先住民の不満が爆発!? 弓矢で人を襲い始めた

2015-06-22 | 先住民族関連
現代ビジネス-2015年06月21日(日)
BBCニュース(UK)ほか
「彼らは弓矢で武装していた。人数は200人くらい。村の家家に押し入り、家畜やペットを殺してしまったんだ」
マシコ・ピロ族による襲撃について、村人たちはこう話した。
マシコ・ピロ族は、ペルー南部のアマゾン奥地で、文明社会から孤立して暮らしてきた。人口は約600~1500人と考えられている。
彼らが文明社会と最初に接触したのは2010年頃で、以来、彼らはたびたび食料を求めて、周辺の村を弓矢で襲うようになった。そして15年5月、ついに20歳の村人の命を奪った。
彼らの行動が変化した理由には、いくつもの説がある。アマゾン流域における彼らの居住地には、ペルー政府が許可するガス・油田開発地域や、観光客が押し寄せる世界遺産がある。また、不法な森林伐採業者や麻薬密輸業者も、この居住地に侵入したとされ、先住民の怒りを買ったのだという憶測もある。
先住民の保護活動を行う国際NGO団体「サバイバル・インターナショナル」代表のスティーブン・コリーはこう話す。
「政府は、彼らの居住地を保護するため早急に手を打つべきです。でなければ彼らはインフルエンザや麻疹など、免疫のない病にかかって全滅しかねません」
彼らは、川をボートで移動する観光客や森林警備員に向かって矢を放ったこともある。「とにかく放っておいてくれ」という嘆きの声が聞こえてきそうだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43632

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第4回日本医療小説大賞 授賞式 上橋菜穂子氏の『鹿の王』が受賞

2015-06-22 | 先住民族関連
日医ニュース-(平成27年6月20日) 第1291号

 第四回日本医療小説大賞(日医主催,厚生労働省後援,新潮社協力)の授賞式が五月二十八日,都内で開催され,日医からは,横倉義武会長,今村聡・松原謙二両副会長,小森貴・石川広己両常任理事が出席した.
 本賞は,国民の医療や医療制度に対する興味を喚起する小説を顕彰することで,医療関係者と国民との,より良い信頼関係の構築を図り,日本の医療に対する国民の理解と共感を得るとともに,わが国の活字文化の推進に寄与することを目的として,平成二十三年度に創設したものであり,今回が四回目となる.
 対象は,医療をテーマにした小説,あるいは医療を素材として扱っている小説(ノンフィクションは除く)で,平成二十六年一月一日から十二月三十一日までに書籍化されたものとし,本年三月二十六日に三名の選考委員(海堂尊氏,篠田節子氏,久間十義氏)により行われた選考会で受賞作品を決定した.

授賞式当日に朝日新聞全国版に
 今回受賞した上橋菜穂子氏の『鹿の王』は,オーストラリアの先住民族・アボリジニを研究する文化人類学者で数々の異世界物語の作家でもある上橋氏が,これまでの執筆活動の中で人間の身体,免疫や細菌に対する興味を持ったことをきっかけとして描かれた,緻密(ちみつ)な医療サスペンスにして,壮大なる冒険小説となっている.
 授賞式では,まず,主催者を代表して横倉会長があいさつを行い,「医療とは,医師と患者との信頼に基づく協働作業であるが,医師の懸命な努力にもかかわらず,その作業と結果には不確実性が伴うことも事実である.こうした点についても国民の皆さんに理解して頂くことで,更なる信頼関係の構築につながるものと確信している」とするとともに,受賞作品が一人でも多くの国民に親しまれる中で,本賞が医療に対する国民の理解と共感を得られる一助となることに期待を寄せた.
 続いて,選考委員を代表してあいさつした久間氏は,「今年は候補作が粒ぞろいで,読んでいて楽しかった」と選考を振り返った上で,本作品を推した理由について,「異世界物語でありながら,現実世界における医療のあり方や,病に立ち向かう人々の今日的な活動を喚起させており,本賞にふさわしいと感じた.本作品が受賞したことで,『日本医療小説大賞』がより広く国民に認知されたのではないか」と講評を述べた.
 引き続き,賞の贈呈に移り,横倉会長より上橋氏に賞状並びに副賞の授与が行われた.
 受賞者のあいさつで上橋氏は,本作品の執筆経緯について,ウイルスや免疫が人間の体内でせめぎ合うことで,生かされたり,死んでしまったりする不思議さが,文化人類学者として長年研究してきた多民族国家,多民族社会で成り立つ現実世界の多様性と重なり,本作品へとつながったと説明.更に,上橋氏は,「いのちを考える時,人間が他者のいのちを救うために必死になり,他者に診てもらうことでいのちが支えられる.一人では成り立ち得ないいのちが,人と人の間に医療があることで支えられる可能性があるということを伝えたかった」と,本作品への思いを述べるとともに,「医学に関しては全くの素人であり,本作品が本賞に値すると認めて頂いたことに深く感謝している」と,受賞の喜びを語った.
上橋 菜穂子(うえはし なほこ) 氏
 作家・川村学園女子大学特任教授.文化人類学専攻,オーストラリアの先住民アボリジニを研究.
 1989年,『精霊の木』で作家デビュー.著書に,野間児童文芸新人賞,産経児童出版文化賞(ニッポン放送賞)を受賞した『精霊の守り人』を始めとする「守り人」シリーズ,野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』,「獣の奏者」シリーズなどがある.海外での評価も高く,2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞.2014年に“児童文学のノーベル賞”と称される国際アンデルセン賞《作家賞》を受賞した他,『鹿の王』は2015年本屋大賞も受賞している.
日本医療小説大賞 これまでの受賞作品
作品名   著者
第1回
『蝿の帝国 軍医たちの黙示録』(上)
『蛍の航跡 軍医たちの黙示録』(下) 帚木 蓬生(ははきぎ ほうせい)
第2回 受賞作品なし
第3回 『悪医』 久坂部 羊(くさかべ よう)
http://www.med.or.jp/nichinews/n270620h.html

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中央アジア6カ国の行政官 アイヌ民博を視察

2015-06-22 | アイヌ民族関連
苫小牧民報  (2015年 6/20)

八幡さん(左)の説明に耳を傾ける一行
 中央アジアのコーカサス地域6カ国の行政官12人が18日、白老町のアイヌ民族博物館を訪れ、体験などを通じてアイヌ文化を学んだ。経済発展などに向けた地方開発や地域振興の手法を学ぶことが目的。古式舞踊や木彫りなどを体験したほか、白老町アイヌ施策推進室職員がアイヌ文化と共存しながらまちづくりを進めてきた経緯などを講演した。
 国際協力機構(JICA)北海道国際センターが3年前から実施しており、今年度はアルメニア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの6カ国から中央省庁や地方自治体の行政官12人が参加した。
 一行は今月3日に来道。札幌を拠点に北海道開発局などから地域開発をはじめ、様々な分野の講義を受けたほか、北広島市や後志管内黒松内町、ニセコ町、壮瞥町などを巡って意見交換や物流拠点視察を行っている。
 アイヌ民族博物館では、学芸員の八幡巴絵さんが施設を案内しながら、アイヌ文化の歴史や文化継承の方
法などを紹介。アイヌ刺しゅう入りの木製コースター製作なども体験した。
 キルギス経済省北部地域間局のソプケブ・ウランさん(49)は感謝の気持ちとして、キルギスの伝統家屋のミニチュア品を八幡さんに贈呈。「私たちの文化とアイヌ文化に多くの共通点があることが分かった。私たちの子孫はきっと協力し合い、共通のことを作り出すことができると思う。子どもたちにもこのことを伝えていきたい」などと話した。
http://www.tomamin.co.jp/20150626948

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夏迎え ハマエンドウ浜辺を彩る

2015-06-22 | アイヌ民族関連
苫小牧民報  (2015年 6/20)

浜辺で花を咲かせるハマエンドウ
 苫小牧市弁天で、ハマエンドウが紫色の花を咲かせ、間もなく夏本番を迎える浜辺を彩っている。
 マメ科の海浜植物。古くアイヌ民族は「オタ(砂浜)マメ(豆)」「パシクル(カラス)マメ(豆)」などと呼び、食用にしたという。
 開花のシーズンを迎え、弁天の浜辺の一面に咲き誇るハマエンドウ。かつての勇払原野の姿をほうふつとさせる光景が広がっている。
http://www.tomamin.co.jp/20150626959


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知里幸恵の遺品に感慨深く 加藤登紀子さん、登別の記念館訪問

2015-06-22 | アイヌ民族関連
北海道新聞 06/20 16:00

 【登別】道内でコンサート中の歌手の加藤登紀子さんが19日、「知里幸恵銀のしずく記念館」(登別本町2)を初めて訪れた。「アイヌ神謡集」を著して19歳で他界した知里幸恵の遺品に見入り「やり遂げなければならないという使命感があったのでしょうね」などと感慨深く語った。
 加藤さんは、道内でアイヌ民族と交流し、ユーカラ(口承文芸)に曲を付けた「シララの歌」を発表するなどアイヌ文化への関心が高い。
 親交のある室蘭出身のノンフィクションライター石村博子さんが知里について取材している関係から、18日の函館、20日の苫小牧コンサートの中日であるこの日、石村さんとともに同館を訪問した。
 加藤さんは、知里のめいである横山むつみ館長の説明を聞きながら、知里の残した手紙やノートなどを1時間以上かけて熱心に眺め「遺品から幸恵の思いが伝わってくるよう。とても凝縮された時間を過ごしたのでしょう」と感想を述べた。
 横山館長は「熱心に資料を見てくださり、感動しました」と話していた。加藤さんは、横山館長の夫で漫画家の孝雄さん、小笠原春一市長を交えて懇談した。(小沢弘和)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doo/1-0147858.html

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ぼ、ぼくもクマになる! 日本一の世間知らず、

2015-06-22 | アイヌ民族関連
ねとらぼ-2015年06月20日 11時20分 更新
だけどしまむらには異常に詳しい「くまみこ」の雨宿まちを応援しよう

3巻 P63より。夏。少女。川での素足の水浴び。巫女。クマ。この一瞬よ永遠なれ
ああ、憧れの。
 あちこちで有名なこの画像、見たことある人は多いでしょう。
 マンガ「くまみこ」の1ページ。なにがいいって、しまむらマスターって語呂もいいんだけど、この素朴感ですよ。やばくない? マジ顔地味中学生女子最高じゃない? ああ、彼女としまむらに行きたい。
 「くまみこ」は、ドドドドドドドド田舎の話。電気は来ているけどガスはない、携帯の電波は当然届かない、橋が折れると外に出られないようなド田舎。しゃべるクマのナツと、クマと人間の共存を取り持つ儀式を行う巫術をもった娘巫女(ということになっているけどほんとかなあ)の少女まちの、スローすぎて世間ずれしまくった日々を描いた作品です。クマのナツはソニーのタブレットを使いこなしAmazonで買い物をするほどの情報通ですが、まちのほうはSuicaも知らない情弱です(なのに、なぜしまむらマスターなのかは、ほら、巫女だから)。
 普段はナツと涼しい日々をすごしていま……かわいい! ぼ、ぼくもクマになる! 川遊びする! 素足! 

 舞台は東北地方です。まちの巫女衣装はアイヌ風。東北でも一部はアイヌ文化があったそうで、それを引き継いでいます。いやあ、女の子のアイヌ衣装って、なんてかわいいんでしょうね。比較的背が小さくダブダブな衣装なのもそそります。ナコルル世代なら土下座して崇めたくなるレベルですね。

 こんなかわいらしい見た目なので、役場の人からはえらいおだてられて、アイドルにさせられたりもします。村の名物扱いです。いやいやいくら世間知らずの純朴な子とはいえそりゃないんでないの。でもかわいいからな……田舎の怖さを思い知らされます。このくらいの年代の子他にいないんだもん。
世間にそぐえない少女
 彼女の世間ずれはほんまもん。たとえばご飯は薪を割って炊きます。でも電気来てるんだからと炊飯ジャーを、クマのナツがすすめます。それでもうまく炊飯ジャーを使えないまち。文明開化が訪れない。電化製品一切使えません。
 ちょっと町に出たところにあるスーパーで働かされたこともあります。試食販売員です。とはいえなんせクマと奥地で暮らしている巫女さん。人前に出るのは大の苦手。さながら拷問。
 彼女は確かにキュートですし、素朴ゆえの「ほうっておけない」魅力があります。みんなの孫とか娘みたいな感覚。巫女さんという特殊な職業もポイントが高く、そこをプッシュすれば売れる部分もあろう。
 とはいえ彼女もお人形さんではありません。彼女には都会の高校に行きたいという強い意思があります。
 クマのナツは、まちが都会にいくのに大反対。一方まちは意地でも都会に出たいと言い張ります。
ナツ 「長きにわたる山育ちで田舎コンプレックスを抱え 気が引けてロクに町に服も買いに行けず 加えて極度の機械オンチだ 未だにかまどで米を炊いて」
まち 「もう嫌なの こんななんの変哲もない限界集落……電波は届かない電車は来ない人がいない猿しかいない店がない開いてないコンビニが24時間やってないアスファルトがない標識がない電灯がない村人が仲良くないイベントがない地域振興やる気ない。そんなこの村が嫌なの」
 まちのセリフは、日本の田舎の真実をかなり鋭くついている。思春期の少女からみたら、停滞した田舎は狭苦しく、もう外に出られないのではないかという閉塞感は、尋常じゃない。まちには「出て行く能力はない」のに「出て行きたい」。もっともな感情です。
 ところが彼女の「田舎コンプレックス」は尋常じゃない。センダイに行くと「田舎娘だって石投げられる」と信じて疑わず、行くのをためらいます。それは勘違いだからすぐわかるよ……。ただ、ステップを踏まずに都会に放り込まれてしまうと、恐怖心にまけてしまってトラウマ化することも、あるんじゃないかなあ?
 人間はどこに住むのが幸せなんだろう? 本当に都会に行くことは、必要なんだろうか。
おめでとう! おめでとうまち!
そんなまちがですね。ついに! 携帯電話を手に入れます! 電波つながらないけど!
 ガラケーです。彼女は「けいたいでんわ」を手に入れたというのがもう、うれしくて仕方ない。日がな一日携帯電話を持って、時に着メロを変えてみたりしながら、ニヤニヤウフフと楽しんでいます。時折、クマのナツに抱き上げられて、電波拾いをしてみます。つながらなくてもちょっと拾えたら、都会とつながった気持ちになれて、その日一日は幸せ。
 クマのナツとすごす、人間のまち。この二人暮らしはとてもいびつ。けれど幼い時から一緒に過ごし、毎日のようにナツの毛をとかしてきました。今はナツが成長期の少女まちの保護者代わりにであり、クマであるナツの世間的保護者はまちです。この2人の関係は「親子」とかの言葉は付きません。理屈でも説明できません。「家族」というよりももっと曖昧。そして曖昧だからこそうまれる、不思議で強い絆です。
 ケータイが壊れたかと思ったら単に電池カバーがはずれていただけのシーン。ただそれだけで、2人(1人と1頭)幸せなのです。
 きっと、ナツとまちの絆は誰にも壊せない。いずれナツから離れないといけないのかもしれない。でも離れなくてもいい関係も、あるんじゃないかなあ。大自然だからね。学校より学ぶものは多いかもしれないよ。巫女として一生送るのも悪くないかもしれないよ。
 ……でもやっぱ高校は行って、最低限の情報は知っておいたほうがいい。せめて地元の高校に行こうね。ああ、どうしても読んでいて気持ちが「娘を見つめるパパ」になってしまう!
(C)吉元ますめ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1506/20/news026.html

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