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先住民族との和解に向け、痛みを伴う歩みを始めるカナダ 教会は思いだけでなく行動も強く要求

2015-06-15 | 先住民族関連
クリスチャントゥデイ 2015年6月14日16時07分 記者 : 行本尚史

(写真)カナダ中西部のサスカチュワン州にあったクアペレ・インディアン産業学校。先住民族の子どもの親たちは、自分の子どもを訪ねるために、この寄宿学校の門の外で野営をしなければならなかった。(1885年、撮影者不明)
カナダの真実和解委員会による要約報告書の発表を受けて、同国の世界教会協議会(WCC)加盟教会は、先住民族に対する虐待を認め、そのようなことが二度と起こらないようにしようと、それが痛みを伴う巡礼になることを認めつつ、その巡礼を始めようとしている。WCCが、米国のフリージャーナリストのスーザン・キム氏の記事として、11日に公式サイトで伝えた。
6750件の面接を含む、6年間にわたる調査をもとに出されたこの報告書には、先住民族の子どもたちが、家庭から教会が運営し政府の支援を受けていた寄宿学校へ強制移動させられ、そこでその多くの子どもたちが虐待されていたことが、詳しく記されている。これらの学校は1883年に運営を開始し、最後の1校が1998年に閉鎖された。
真実和解委員会は、少なくとも3201人の生徒がこれらの学校に出席している間に死亡したとし、その多くが虐待や育児放棄によるものであったと報告している。
教会が過去にこの虐待に加担していたことを認めることは、それが起きるのを容認した政策を変える行動を起こす責任を伴うと、WCCの北米議長でカナダ聖公会全国先住民族主教のマーク・マクドナルド氏は述べた。
「植民地化に対する教会の関わりは、とりわけ西洋において、教会が持ついくつかの欠陥を明らかにしており、また私たちの教えと自らの実践が持ついくつかの歪みをも明らかにしている」と、マクドナルド主教は言い、「和解は、常に私たちの在り方の中心であり続けてきたが、しかしそのメッセージは植民地化の中で失われてしまった」と指摘した。
マクドナルド主教はまた、和解は福音伝道の中心であるべきだと付け加えた。「それを見失うとき、私たちは改宗主義者になってしまう。和解とは、キリストにある私たちの宇宙のために、神が持っておられるご計画に向けた霊的な運動に関するものだ」
カナダのWCC加盟教会は同国政府に対し、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」に署名するよう強く要求している。真実和解委員会は、その報告書の中で94件の勧告をしており、その中には先住民族の子どもたちの児童福祉制度を徹底的に見直すことが含まれている。
どうやって変えるのか?
カナダでエキュメニカルな正義に関する取り組みをしているカイロス・カナダの事務局長であるジェニファー・ヘンリー氏は、差別と虐待のシステムを変えることには、過去を新しい形で理解することが含まれると言う。
「私たちには、この国がどのようにして建国されたのか、そしてそれがどのようにして現在私たちが直面している状況や困難のいくつかにつながっているのか、についての新たな理解が必要だ。課題は、先住民族とそれ以外の民族との間の公平さにおける格差に、意味ある形で取り組もうとすることだ。それは新しい未来についてただ語るだけであってはならない。それは和解についてただ語るだけであってはならない。それは意義深い行動を通じたものでなければならないのだ」
カナダのWCC加盟教会は、エキュメニカルな対話が和解についての理解を豊かにする助けとなり、行動のための責任に関する措置を加えることになるだろう、という希望を表明した。カナダ合同教会の先住民族ミニストリーズ・サークルのマギー・マクレオド牧師は、「私たちは、真実和解委員会の行動への呼び掛けを制定するよう、カナダ政府に提唱する上で、エキュメニカルな協力者たちとの協働を歓迎するだろう」と語った。
WCC総幹事のオラフ・フィクセ・トヴェイト牧師は、和解は個人の考え方を変えるだけではなく、先住民族に差別的な政策や法律の系統的かつ構造的な変革に取り組むことでもあると述べた。「和解とは、相互尊重の関係が、個人や共同体、そして構造的なレベルで形成されなければならないということだ」とトヴェイト総幹事は指摘。「過去の道義的な傷を繕うことで、私たちは先住民族との関係を修復するだけではなく、これらの系統的な悪に加わることによって教会が自らにもたらした重大な結果に取り組むよう、招かれている」と語った。
世界は今や、15万人の先住民族の一部である、親元から連れていかれて寄宿学校に入学させられたメティ(欧州人と北米先住民族との混血児)やイヌイット(カナダ北部に住む先住民族の一つ)の子どもたちの体験談を聞くことができる。
WCC加盟教会関係担当プログラム幹部でカナダ聖公会の会員であるナターシャ・クルカッチ氏は、これらの体験談を直接聞くことで、寄宿学校制度における子どもたちの虐待という重大な結果に関する視点は変わると言う。
「性的虐待や心身の虐待が生涯もたらす影響についての証言を、それらに耐えた生存者たちから直接聞くとき、それらの体験談に含まれている苦痛は、意味ある行動へと変化し、つながるはずだ。生存者たちの声は、カナダ社会と教会を新しい現実のための希望へと導くものとなるに違いない」
http://www.christiantoday.co.jp/articles/16288/20150614/abuses-indigenous-children-canada-church.htm


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西武、8月に「KANOデー」開催 エース役の台湾イケメン俳優も登場

2015-06-15 | 先住民族関連
中央社フォーカス台湾-2015/06/13 11:14【芸能スポーツ】

(写真)ツァオ・ヨウニン
(台北 13日 中央社)プロ野球の西武は12日、台湾で昨年大ヒットを記録し、日本でも今年1月に公開された映画「KANO~1931海の向こうの甲子園~」とのタイアップイベントを8月11日に西武プリンスドームで開催すると発表した。「KANOデー」と銘打たれたイベントには、作品の中でエースピッチャーの呉明捷を演じたツァオ・ヨウニン(曹佑寧)も登場する。
「KANO」は日本統治時代の1931(昭和6)年に甲子園に初出場し、準優勝した嘉義農林学校(嘉農/現在の嘉義大学)野球部の奮闘を描いた作品。
西武は4月にも2日間にわたって「台湾デー」を開催。台湾原住民(先住民)アミ族の踊りのほか、今季から同球団でプレーしている郭俊麟投手のグッズや台湾グルメの販売などが行われ好評を博した。
(編集:杉野浩司)
http://japan.cna.com.tw/news/aart/201506130001.aspx


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アイヌ文化、学び合いの輪 札幌大の奨学金制度

2015-06-15 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2015年6月13日05時00分

(写真)アイヌ民族の民族舞踊の練習をする「ウレシパクラブ」の学生たち=5月、札幌市豊平区の札幌大
 アイヌ民族を対象に入学金や授業料を全額免除する奨学金制度を導入した札幌大(札幌市豊平区)の取り組みが6年目を迎えた。アイヌ民族の若者が自らのルーツを学ぶとともに、ほかの学生が多様性を養うきっかけになっている。
 5月下旬の午後7時すぎ。札幌大の教室で学生12人が車座になり、日本語厳禁のアイヌ語の勉強会が始まった。
 進行役の学生が「クイペ」(私が食事する)と言って、サンドイッチを食べるまねをした。続いて、近くにいた学生にサンドイッチを渡して「エイペ」(あなたが食事する)。その学生が食べるしぐさをすると、「ピリカ」(いいね)と拍手が起こった。
 学生たちは、アイヌ文化を学ぶ「ウレシパクラブ」のメンバーだ。「ウレシパ」はアイヌ語で「育て合う」の意味。奨学金制度を利用するアイヌ民族の学生11人と、一般学生ら計19人が活動している。
 札幌大は2010年、「ウレシパ・プロジェクト」を始めた。4年間の授業料や入学金(計328万円)を奨学金として給付。奨学生は週2日、放課後に活動するウレシパクラブに参加する決まりだ。
 「大学進学率が低いアイヌ民族の若者たちに高等教育を受ける機会を広げ、自らの民族文化を学ぶ場も提供したかった」。プロジェクトを立ち上げた本田優子副学長が説明する。
 4年の中村晴華さん(21)は大学で英語を学ぶのが夢だったが、奨学金がなければ大学を諦めて就職したという。今夏に米国留学を控え、「インディアンなどの先住民族と交流したい」。
 3年の米沢諒さん(22)は東京出身。大学浪人中、父親からアイヌ民族だと知らされた。「突然で驚いたが、自分のことをもっと知りたいと思った」。アイヌ文化を伝承する仕事に就くのが将来の目標になった。
 ■地元企業も支援
 また、ウレシパクラブは地元企業に会費制の「ウレシパ・カンパニー」などへの加入を勧誘、40社以上が応じた。奨学生の就職につなげるねらいもあり、今春卒業した茂木涼真さん(22)は奨学生で初めて支援企業に就職。「後輩のためにも頑張る」と話す。
 プロジェクトのもう一つの目標は「多様性を尊重する感覚を養う」ことだ。今春、アイヌ文化を学ぶため自己推薦入試で入学した一般学生の原田啓介さん(18)は「家族や友達も、アイヌ民族のことをあまり知らない。正しい知識を伝えられるよう勉強したい」。本田副学長は「多数者である一般学生にも、北海道にアイヌ文化が存在する意味を理解し、その価値を自覚してほしい」と話す。(滝沢隆史)
 ■「生活苦しい」進学率に影響
 北海道は、アイヌ民族や婚姻、養子縁組などで同一の生計を営む人を対象に7年ごとに生活実態を調査。経済的に生活が困窮し、大学進学率の低さにも影響していることがうかがえる。
 アイヌ民族が住む道内66市町村の6880世帯約1万7千人を対象にした2013年の調査によると、大学進学率は25・8%(前回06年比で8・4ポイント増)で、66市町村の平均は43・0%。世帯の年間所得も、200万~349万円が最多の26・4%。100万円未満は11・6%で前回調査より3・5ポイント増え、生活が「とても苦しい」との回答が27・3%に上った。
 アイヌ民族の教育問題に詳しい北海道大大学院教育学研究院の小内透教授(教育社会学)は「経済的な理由以外にも、進学意欲の低下や高校中退率の高さが要因として考えられる。学校の中での差別経験が少なからず影響していると思われ、経済的な支援だけでは不十分だ」と指摘する。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11805844.html

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