先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

第59回ジャブチ賞が決定 料理分野でヤノマミ族キノコ書籍が受賞 調査した石川氏と時本氏らが喜びの声

2017-11-18 | 先住民族関連
サンパウロ新聞2017年11月17日付
 ブラジルの出版会で最も権威ある賞の一つ「第59回ジャブチ賞」が10月31日に発表され、Gastoronomia(料理、美食学)の分野で、ヤノマミ族の食用キノコに関する書籍「Ana Amopo: Cogumelos – Enciclopedia dos Alimentos Yanomami(Sanoma)」の受賞が決定した。同書籍にまとめられた調査プロジェクトには、ブラジル国立アマゾン研究所(INPA)の研究員石川・カズエ・ノエミア氏(45、3世)と、鳥取県の(財)日本きのこセンター菌蕈(きんじん)研究所の名誉研究員・時本景亮(ときもと・けいすけ)氏(72、兵庫)らが参加している。
 同書籍は、ブラジルのNGO「ISA」(Instituto Socioambiental、社会環境研究所)とヤノマミ族のNGO「HAY」(Hutukara Associa鈬o Yanomami)が出版。石川、時本の2氏に加え、ミナス・ジェライス連邦大学(UFMG)、サンパウロ州立植物学研究所、サンパウロ連邦教育科学技術院(IFSP)の研究者らや料理人のアレックス・アタラ氏の協力もあり、専門分野も国や民族の枠も越えた共同研究の結晶だ。
 調査の対象となったのは、ブラジル北西部、ベネズエラとの国境付近、ロライマ州アワリス地方に住む、先住民ヤノマミ族のサノマ語を話すグループが食しているキノコ。同書籍には、キノコの種属と発生時期、サノマグループの農業体系とキノコの関係、料理法などが写真と共にまとめられている。
 電話取材に応じた石川氏によると、ヤノマミ族が経験的に持つ知識体系と科学的アプローチの両方がまとめられていることが評価されたとし、「もとの民族の言葉を大事にする」という方針の下、同書籍がポルトガル語とサノマ語の両語で書かれたことも今回の受賞につながったという。
 石川氏と時本氏の出会いは、石川氏が北海道大学の博士課程の学生だった頃まで遡(さかのぼ)り、両氏は19年来の付き合い。時本氏の初来伯は2013年頃で、INPAを訪れた他、ブラジリア市やパラナ州イビポラン市で食用キノコを栽培する日系人の農家も訪問している。15年7月には、日本人として初めてサノマグループの村に足を踏み入れ、共同研究者らと一緒に調査活動を行った。
 キノコを安定的に発生させる方法や、マンジョカ芋の焼き畑にキノコが発生する仕組み、季節ごとの発生種の相違の考察などで、時本氏の研究者としての知識と経験が大きくプロジェクトに貢献したという。また、サンプルを持ち帰り、15種のキノコのDNA分析や学名の同定をするなどした石川氏は、「あそこで時本先生が(キノコの)乾燥不足を指摘していなかったら失敗していた」とも振り返った。
 電話取材に応じた時本氏は、「(ジャブチ賞は)大変な賞だと聞いて喜んでいるところです」と語り、「ブラジルは資源が豊かで、日本とは逆。それを有効に使って日本もブラジルも良くなるように協力をしていけたら良いと思います。アマゾンはまだわからないことがたくさんあります。日本の研究者が協力できることもいっぱいあるはずです」と、今後の日伯の研究協力にも期待を寄せていた。
 同書籍の発行部数はわずか1500部で非売品だが、今回の受賞を受けて重版か改訂を検討中だという。また、石川氏は今後の活動に関して、国内外へのヤノマミ族の食用キノコの普及に加え、日系食用キノコ栽培農家との連携も示唆し、一層意欲的な姿勢を見せていた。
http://saopauloshimbun.com/%E7%AC%AC59%E5%9B%9E%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%96%E3%83%81%E8%B3%9E%E3%81%8C%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E3%80%80%E6%96%99%E7%90%86%E5%88%86%E9%87%8E%E3%81%A7%E3%83%A4%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%9F%E6%97%8F%E3%82%AD/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中断中の旧日本兵遺骨収集事業について議論するフォーラムが比大で開催

2017-11-18 | 先住民族関連
日刊まにら新聞2017.11.18
 旧日本兵の遺骨収集事業の再開問題などを議論する考古学フォーラムが17日、首都圏ケソン市のフィリピン大学ディリマン校で開催された。有識者や学生のほか、先祖の遺骨を略奪されたと主張する先住民族など約80人が参加、事業の現状と再開の是非や課題などについて意見が交わされた。
 フォーラムではまず比国立博物館のジョバンニ・バウティスタ氏が2010年にルソン地方ミンドロ島などで相次いだ比人の遺骨盗難被害について、国立博物館が全ての遺骨収集に立ち会えなかったことが原因の一つと説明。「日本人の骨と鑑定できる職員が立ち会わなければならなかったが、人手不足だった」と話した。
 イフガオの棚田を守る会のマーロン・マーティン氏=同地方コルディリエラ地域イフガオ州=は、同州では遺骨1袋ごとに500ペソが日本の団体から支払われていたと指摘。「住民にとって500ペソは大金。知らぬ間に先祖の遺骨を売られ、気をおかしくしてしまった人もいた」と話した。
 同地方東ミンドロ州の先住民族、ハヌノオマンギャンのセベリノ・マラナオさんも、「市長が日本の遺骨収集を黙認し、先祖が眠る洞くつ墓地が荒らされていた。同じ悲劇を二度と繰り返してはならない」と怒りをにじませた。
 フォーラムを主催した比大考古学部のビクター・パス教授は遺骨収集事業再開の動きについて、「再開するなら、DNA鑑定や国立博物館職員の立ち会い義務付けなど、厳しい条件が必要。日本政府と国立博物館は過去の失敗から学習したと信じている」と述べた。
 厚生労働省による比での遺骨収集事業はミンドロ島などの先住民墓地から比人の遺骨が盗掘され、旧日本兵の遺骨に混入された疑いが浮上したため、2010年10月から中断。今月13日に行われた日比首脳会談で安倍晋三首相が事業の早期再開を求めたのに対し、ドゥテルテ大統領は「比国内でも調整を要するので、よく相談しながら進めたい」と答えている。(遠藤美波)
http://www.manila-shimbun.com/category/society/news234275.html


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台湾先住民族文化を知る第一歩、順益台湾原住民博物館

2017-11-18 | 先住民族関連
Record China 2017年11月17日(金) 19時0分

かの有名な台北の国立故宮博物院斜め向かいにはもう一つ博物館があるのをご存知だろうか?『順益台湾原住民博物館』は、台湾先住民族をテーマとした私立博物館である。
台湾先住民族は漢民族よりもさらに前から台湾に居住していた人たちのことを指す。2017年現在、台湾政府に認定されている台湾先住民族は全部で16族。そのため、限られた期間内で台湾各地にある集落を訪問するのは非常に大変だ。しかしこの博物館では16族全ての文化に触れることができるため、興味がある部族を見つけたり、ある程度の知識を持ったうえで彼らの集落を訪れたいという人にはぴったりの場所だ。
この博物館の林清富理事長は台湾先住民族文化や台湾芸術に造詣が深く、長年集めてきた関連文物を多くの人に見てもらい、台湾文化の多様性を伝えたいという思いから博物館を創設した。
台湾先住民族というと日本人には馴染みが無いかもしれないが、実は彼らの部族語に日本語が混じっていたり、お正月に餅を食べるなど日本人と密接に関係している。このような事を多くの日本人に伝えたいと、博物館では台湾在住日本人による日本語ガイドサービスを行っている。他国の文化についての説明だが、日本人がガイドすることですっと頭と心に入ってくる。
また、ミュージアムショップでは台湾先住民族が製作した工芸品を販売されていて、どれも思わず可愛い!と言ってしまうものばかりだ。「台湾先住民族雑貨」は注目すべき台湾土産の一つであるだろう。
台湾グルメやシッピングもいいけれど、折角台湾に行ったのなら、こういったスポットを通じて、台湾への理解を深めるのも楽しい。(提供/フライメディア)
※「台湾原住民族」という呼称:
日本で一般的に用いられる「先住民族」は、台湾では『既に消滅した民族』を指すため、『元来居住していた民族』の意味合いを持つ「原住民族」を公式の名称として用いている。
http://www.recordchina.co.jp/b218320-s15-c30.html


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ピックアップ】大遊協財団見学会に留学生52人参加

2017-11-18 | アイヌ民族関連
SankeiBiz 2017.11.18 05:00
 大阪府遊技業協同組合(大遊協、理事長・平川容志氏)を母体とする公益財団法人大遊協国際交流・援助・研究協会(理事長・高島洋氏)は10月24日、外国人留学生を対象とした社会見学会を開催。日本の技術や文化を学ぶ機会を留学生に提供すべく25年前よりスタートしたこのイベントには、同財団が奨学金を支給する奨学生やその友人、大学での公募で集まった留学生52人が参加した。
 当日は、2台の観光バスで移動。まず、大阪府吹田市の万博記念公園内にある国立民族学博物館に向かった。博物館は1970年に同地で開催された日本万国博覧会終了後跡地を利用して74年に創設。現在では民俗学・文化人類学を中心とした研究・展示を行っている研究所の役割も担っており、見学会では齋藤玲子准教授による「アイヌ文化と多文化共生について」と題した講演が行われた。続いて、大阪市住之江区のさきしまコスモタワーのレストランで昼食をとった後、午後からは大阪市此花区の大阪市環境局・舞洲工場に移動。この工場は大阪市内全域から運ばれてくるごみを焼却するごみ処理場で、オーストリアの芸術家であるフリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏がデザインした外観が特徴となっている。留学生たちはごみが運ばれてから仕分けや粉砕を経て焼却に至るまでのプロセス、焼却熱を利用した発電設備、環境に配慮した取り組みなどの説明を工場の担当者より受け、それぞれ積極的に質問を行った。
 また11月5日には、茶道裏千家淡交会大阪西青年部との共催で、府内の外国人留学生を対象とした日本文化体験会「国際交流茶会」を大阪府松原市のまつばらテラス(輝)で催した。
 交流会には、財団が援助を行う奨学生はじめ、府内の大学から広く留学生を募集し、92人が参加。日本を代表する文化の一つである茶道と着物の着付け、日本で古くから用いられている遊具などを体験することで、日本文化への理解を深めた。
 当日は午前・午後の2部構成で進行。受け付け順に留学生の着付けを行い、待ち時間は別室で折り紙や剣玉、こま、将棋、ふくわらいなど日本の伝統的な遊びを楽しんだ。女性の参加者が多く、日本人でもなかなか着る機会のない着物体験に感激し、記念写真を撮る姿が会場のいたるところで確認された。茶道体験では淡交会のメンバーより茶菓子と抹茶が提供されたほか、茶道の心得や茶器や掛け軸の意味について説明が行われ、参加者は真剣な面持ちで聞き入った。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/171118/bsg1711180500002-n1.htm

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<社説>国連人権理事会勧告 県民の社会権を保障せよ

2017-11-18 | ウチナー・沖縄
琉球新報2017年11月18日 06:01
 米軍基地によって沖縄県民の人権が侵害されていることを、国際社会が認識した。
 国連人権理事会で日本の状況の審査を担当する作業部会は、日本に対する勧告を採択した。その中に、沖縄の人々をはじめ、少数派の人たちの社会権保障を強化すべきだという意見が盛り込まれた。対日審査で沖縄について言及されたのは初めてだ。
 国連の特別報告者は今年、名護市辺野古の新基地建設反対運動などへの圧力に懸念を示していた。新基地建設に直接言及してはいないが、基地の重圧に苦しむ県民に寄り添った勧告と言えるだろう。
 日本政府は国連人権理事会の理事国であり、勧告を誠実に受け入れるべきだ。県民の社会権を保障するために、米軍普天間飛行場を直ちに閉鎖し、辺野古の新基地建設を断念するしかない。
 日本政府が勧告された社会権とは、個人の生存や生活の維持・発展に必要な諸条件を確保するために、国家に積極的な配慮を求める権利の総称である。日本国憲法の25条に当たる。25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とし、国にその実現を求めている。
 対日審査の中で、ペルーの代表者が「アイヌと琉球の人々が社会的、経済的、文化的な権利を享受できるようにすべきだ」と求めた。
 国土面積の0・6%にすぎない沖縄に米軍専用施設の70・38%が集中、民意に反して新基地建設が強行されている。普天間飛行場に強行配備された垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは2機墜落。東村の民間地に大型輸送ヘリCH53が不時着し炎上した。嘉手納基地に暫定配備された最新鋭ステルス戦闘機F35Aの爆音で高校の授業が一時中断した。米軍岩国基地所属のFA18戦闘攻撃機も飛来し、常駐のF15戦闘機などと共に激しい騒音にさらされている。
 今回の勧告は、2015年9月、国連人権理事会で翁長雄志知事が、沖縄は日米安保体制下で基地押し付けの構造的差別にあえいでいると訴えたことが影響しているだろう。複数の非政府組織が、在沖米軍基地により「人権が侵害されている」と訴える報告書を提出したことも影響しているだろう。
 昨年日本を調査した国連の特別報告者は、対日調査報告書に、沖縄平和運動センターの山城博治議長が抗議行動を巡って逮捕され、長期勾留されたことに言及している。「抗議行動に不釣り合いな制限が加えられている」「裁判なしに5カ月間拘束したのは不適切で、表現の自由に対する萎縮効果を懸念する」と指摘した。この報告書は人権理事会本会議で発表された。
 このような過程を経て沖縄の現状が国際社会に伝わり、国際人権法上の権利が侵害されていることを国連が認識したことになる。日本政府に誠実な対応を求める。
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-615653.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

103歳・笹本さん、激動の時代とらえた60点 19日まで鎌倉芸術館で /神奈川

2017-11-18 | アイヌ民族関連
毎日新聞2017年11月17日 地方版
 女性報道写真家の草分けとして知られ、9月に103歳になった笹本恒子さんの写真展が、鎌倉市大船6の鎌倉芸術館1階ギャラリーで19日まで開かれている。
 日独伊三国同盟の婦人祝賀会(1940年)や敗戦後の東京・銀座の街など、激動の時代をとらえた約60点を展示。社会奉仕家の北原怜子さんや元国会議員の加藤シヅエさん、作家の佐多稲子さんら当時、活躍した女性たちの写真もある。
 笹本さんは東京日日新聞(現在の毎日新聞)でコラムのカットを描くアルバイトをしたのが縁で国策機関だった写真協会に入り、報道の世界を歩むことになった。会場には昨年、創設された笹本恒子写真賞(日本写真家協会主催)の初の受賞者で、アイヌ民族を撮り続ける写真家の宇井眞紀子さん(57)の作品も紹介されている。
 午前10時~午後5時(最終日は同3時まで)。入場無料。【明珍美紀】
https://mainichi.jp/articles/20171117/ddl/k14/040/335000c

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする