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いよいよ3月まで! 踊りから食まで楽しめるアイヌの「村」へ

2017-11-13 | アイヌ民族関連
ウオーカープラス2017/11/12 11:00

「ポロトコタン」の名称で親しまれている白老町のアイヌ民族博物館。2020年には国立の総合施設に生まれ変わります。その準備のため、現在の営業形態は来年の3月まで。ポロト(大きい湖)のほとりにある小さなコタン(村)の雰囲気を味わえるのはあとわずかです。
元々白老の町中にアイヌの集落はありましたが、より多くの人がアイヌ文化に触れられるようにと1965年にこの場所へ移設。1984年に民具などの資料を展示する民族博物館が完成し、現在の形となりました。
アイヌ民族博物館には文化・歴史を研究する学芸課などとともに伝承課があり、古式舞踊の舞台を務めたり、各種儀式を執り行う役割を担っています。古式舞踊は1日に8回公演がありますが、その合間を縫って、スタッフの制服である民族衣装を縫ったり、チセの修繕をしたり儀式で使う道具を作ったりしています。写真のチセ群の入口にある左側の木彫りのクマは現在儀式などを執り行っている祭主が大きな丸太から彫ったものです。
このようにアイヌの暮らしに必要なものをこの施設内で作っているので、その製造過程を目にすることもあります。例えばチセの炉に下がっているサケ。
これは単なる飾りではなく、毎年秋に獲れたものを食用に干し、燻して春に販売しています(ことしの販売は終了)。
また、タイミングが良ければ湖の中に沈められた木の皮や、チセの壁でなびく木の薄皮を見かけるかもしれません。これはチセで実演しているアットウシ(樹皮で作る織物)の材料です。
ほか、カフェリムセで出している保存食のペネイモ(300円)の加工も園内で行っています。凍らせては解凍し…を繰り返し発酵させたジャガイモが材料です。その後水に浸しアクを抜いて搗く…というとんでもない手間をかけたものを丸めて焼いています。
独特の香ばしさがあり、ひと口食べるとほろ苦いような。外がカリッと、中がモチっとしているところはまさにイモ餅なのですが、全く異なる風味で、ちょっと癖になりそう。
カフェリムセではほかオハウ(汁物。450円)も食べることができます。具的には三平鍋のようなイメージ。サケの味が引き立つあっさり塩味が体に染みます。
毎時15分近くになると園内放送が流れます。「インカラクス、イコシネウエウタラ イタカンチキ ヌワ イコレヤン…」。アイヌ語です。まるで外国にいるような気分にさせてくれます。意味は分からないけれど、やさしいイントネーションが何とも心地よい…。すぐに日本語で案内が流れ、古式舞踊の案内だとわかります。
アイヌ民族博物館では滞在時間1時間から90分程度でも楽しめるように、と古式舞踊の舞台は毎時15分から行われます。チセ内部で演じられるため、雰囲気もばっちりです。
舞台では踊りだけでなく、アイヌの代表的な楽器であるムックリやトンコリの演奏や歌の披露もある充実した25分です。ムックリは竹でできた口琴で、びょ~んというちょっと変わった音がしますが、風や雨、動物の声や演奏する人の感情などを表現しています。
踊りは白老地方に伝わるものなど。イヨマンテリムセ(熊の霊送りの踊り)は手拍子と歌だけで始まりますが、そのうち男性が剣を取り出し鍔をかちゃかちゃとならしはじめ、どんどん盛りあがっていきます。アイヌの古式舞踊は国の重要無形民俗文化財でありユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
舞台終了後は、演じていた人と観客との交流タイム。チセの外で演者と写真を撮る人、トンコリに触らせてもらう人などなどスタッフの方と話す機会が多いのもこの博物館の特徴です。渉外広報課の西條林哉さんは「体験してもらうことが大事だと思っていますが、主人公は人。スタッフは自分たちが文化伝承を担っているという自負を持って働いていますので、なんでも聞いてください」と話します。
アイヌの暮らしを紹介している博物館へもぜひ。人間とは対等な関係である一方で、人知の及ばない存在とされていた「カムイ」に感謝しながら、彼らの用意してくれた自然物を利用していたアイヌの人々のていねいな暮らしぶりがよくわかります。海に近いこの地方ならではの漁労のようすにも触れています。
博物館出口の売店にはアイヌ模様が刺繍されたコースターや、木彫りのストラップなど気軽なお土産のほか、演奏を見たばかりのムックリ(500円)や民族衣装のカパラミプ(25万6000円)、写真集などもあり豊富な品揃え。
マンガ「ゴールデンカムイ」に登場するアイヌの少女が身に付けているマタンプシ(鉢巻)の柄は白老地方で撮影された写真を参考にしたと言われており、同様の刺繍がされたマタンプシ(4900円)も販売しています。
事前予約が必要ですが体験コースも多数用意されています。2名からの少人数で予約できるのはムックリの演奏体験や文様刺繍体験(ともにひとり540円)など。30分~1時間程度でできます。
毎月第二、四土曜日の14:45~開催されるオルシペアヌローはユカラ(抒情詩)などをアイヌ語で聞くことのできる人気のイベントです(予約不要)。
儀式のようすを見学することも可能です。毎月1日9:00~は、カムイに感謝を捧げる「チュプカムイノミ」が行われています。春と秋に行われるコタンノミも見学可能。ことしの秋のコタンノミは11月5日(日)10:30~で、14時ころからは春に降ろされた船を引き上げるチプヤンケの儀式が湖畔で行われます。
すでに工事が始まっている国立のアイヌ民族博物館はより大きな舞台や体験施設場を持つものになりそう。完成が待ち遠しい一方で、今の施設ならではの楽しみもあり。ぜひ3月までに訪れて、このほっこりとしたアイヌの村の雰囲気を味わってください。
※文中のアットウシの「ウシ」、カフェリムセの「ム」、インカラクスの「ラ」、イコシネウエウタラの「エ」と「ラ」、イオマンテリムセの「ム」、カムイモシリ・アイヌモシリの「リ」、カパラミプの「プ」、マタンプシの「シ」、オルシペアヌローの「シ」、ユカラの「ラ」、チュプカムイノミの「プ」、チプヤンケの「プ」はアイヌ語表記では小文字になります。
アイヌ民族博物館 ■住所:白老郡白老町若草町2-3-4 ■電話:0144・82・3914 ■時間8:45~17:00 ■料金:大人800円 高校生600円 中学生500円 小学生350円 ■休み:なし
https://news.walkerplus.com/article/125540/

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大妻女子大学博物館が12月2日(土)まで、開館10周年記念企画展示「世界と日本の履きもの:近藤四郎コレクション」

2017-11-13 | アイヌ民族関連
を開催 -- 11月18日(土)には講演会も
大学プレスセンター2017.11.13 07:00

 大妻女子大学博物館(東京都千代田区)は12月2日(土)まで、開館10周年を記念した企画展示「世界と日本の履きもの:近藤四郎コレクション」を開催している。同展は自然人類学者で、同大人間生活科学研究所(現・人間生活文化研究所)所長・近藤四郎教授(故人)が収集した日本および世界各国の履物など約100点を展示するもので、アイヌ民族が鮭の皮で作った履物「チェプケリ」などの希少品も展示。また、11月18日(土)には「近藤四郎先生と履きもの」と題した講演会も開催する(要申し込み)。入場無料。
 大妻女子大学博物館は2007年に「大妻女子大学生活科学資料館」として開館。その後、東京都から博物館相当施設としての認可を受け、2012年に「大妻女子大学博物館」へと名称を変更した。同大が収集してきたさまざまな資料を整理保存し一般に公開することで、同大の建学の精神や歴史・伝統・文化について、学内外により広く深く発信していくことを目的としている。
 現在、同館では開館10周年を記念して「世界と日本の履きもの:近藤四郎コレクション」を開催している。これは、自然人類学者で、同大人間生活科学研究所(現・人間生活文化研究所)の所長を務めた近藤四郎教授(1918~2003)が研究過程で収集した日本および世界各国の履物などを展示するもの。このほか、近藤教授の著書や収集した霊長類骨格も展示している。
 なお、関連イベントとして11月18日(土)に講演会「近藤四郎先生と履きもの」を開催する。要事前申し込み、先着20人。
◆企画展示「世界と日本の履きもの:近藤四郎コレクション」
【期 間】10月25日(水)~12月2日(土)
【場 所】大妻女子大学博物館(東京都千代田区三番町12 図書館棟地下1階) 
【休館日】日曜・祝日・月曜・火曜[(ただし12月2日(土)は開館)]
【開館時間】10:00~16:00
【入館料】無料
【交 通】JR・地下鉄市ケ谷駅下車徒歩10分、地下鉄半蔵門駅下車徒歩5分、地下鉄九段下駅下車徒歩12分(※駐車場はございません)
https://otsumamuseum.jimdo.com/来館案内/
◆講演会「近藤四郎先生と履きもの」
【日 時】11月18日(土)15:00~17:00
【定 員】先着20人
【申込先】大妻女子大学博物館:03-5275-5739(電話にて申し込み)
【内 容】
・「近藤四郎先生の人と学問」(岡田守彦・筑波大学名誉教授)
・「インドネシア・ジャワ島の人々の足」(楢崎修一郎・大妻女子大学博物館学芸員)
・「ミャンマーの首輪を装着する女性たち」(下田敦子・大妻女子大学人間生活文化研究所専任講師)
(参考)【近藤四郎】
 1982年に大妻女子大学人間生活科学研究所(現・人間生活文化研究所)教授に就任。84年に紫綬褒章受章、87年から93年まで第4代所長を務めた。自身の大学時代から一貫して「足」の研究に取り組み、足や履物に関する数々の著書を出版している。
▼本件に関する問い合わせ先
 大妻女子大学博物館
 東京都千代田区三番町12 千代田キャンパス図書館棟地下1階
 TEL: 03-5275-5739
 URL: https://otsumamuseum.jimdo.com/
https://www.u-presscenter.jp/2017/11/post-38358.html

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入植百年の記念碑お披露目/中標津・俣落地区

2017-11-13 | アイヌ民族関連
釧路新聞 2017/11/11
 中標津町俣落地区への入植100周年記念事業の一環で10日、旧俣落小中学校に設置した「俣落開基100周年記念碑」の除幕式が開かれた。同地区は、アイヌ語で「冬居川(サケが多く、冬にも滞留する川)」を表す「マタオッイ」を由来とし、1917年先駆者4氏の入植が始まりとされている。現在は、畜産業を中心に65世帯182人が生活を営んでいる。記念碑には「先人の 魂ありて この地あり」と先人への感謝の思いを込めたの一文が刻まれた。式典には、住民ら約40人と俣落保育所の園児14人が出席した。
http://www.news-kushiro.jp/news/20171111/201711112.html

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