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先住民族関連ニュース

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稲川淳二『ゴールデンカムイ』とコラボ、作品を怪談風に紹介 囚人に焦点当てた動画公開

2020-06-19 | アイヌ民族関連
北海道新聞 06/19 00:00

 人気漫画『ゴールデンカムイ』のコミックス第22巻が19日に発売されたことを記念して、怪談の名手・稲川淳二氏による怪談風紹介動画を含む、特設サイト『稲川淳二の怪談カムイ』が公開された。
 同企画は『ゴールデンカムイ』の魅力的キャラクターのひとつ、「脱獄囚」たちに着目し、中でも、3人の囚人の恐ろしくも興味深いエピソードを稲川が怪談風で紹介するというもの。稲川がどのように作品を表現するのか、暗い部屋でひとり、もしくは友人と見たり…暑い季節にぴったりのWEB動画となっている。また、特設サイトでは各エピソードの試し読みもでき、それぞれをシェアすることで、各囚人のオリジナル壁紙がダウンロードできる。
 WEB動画は、【家永カノ・辺見和雄・都丹庵士】という3人の囚人に焦点を当ており、タイトルは◆美人女将ホテル(家永カノ編)、◆ニシン漁連続殺人事件(辺見和雄編)、◆暗闇の盗賊(都丹庵士編)。
 『ゴールデンカムイ』は、明治時代の北海道を舞台にし、アイヌが遺したという大金を手に入れるため、元兵士の杉元佐一がアイヌの少女・アシリパと行動をともにし、一攫千金を夢みるサバイバルストーリー。原作漫画が2014年から『週刊ヤングジャンプ』で連載がスタートし、『マンガ大賞』など数々の漫画賞を受賞。コミックスは累計1300万部突破しており、テレビアニメが18年4月~6月に第1期、同年10月~12月に第2期、そして第3期が10月より放送される。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/432162

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顧客にウポポイ入場券プレゼント 北洋銀 行員に半額補助も

2020-06-19 | アイヌ民族関連
北海道新聞 06/18 21:38 更新
 北洋銀行は18日、胆振管内白老町に来月にも開業するアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の入場券を同行顧客にプレゼントする取り組みを始めると発表した。行員を対象にした入場料の半額補助も実施し、新型コロナウイルス感染拡大で開業が遅れているウポポイの利用を促す。
 入場券千枚を購入し、このうち200枚を同行で1万円以上の投資信託の積み立てを行った顧客に抽選でプレゼントする。残りの入場券も何らかの形で顧客に贈る予定。ウポポイを訪れる行員に対する入場料の半額補助は再訪問も対象。全支店にあるテレビモニターでウポポイのPR情報を流すほか、同行と連携する道外の銀行を通じたPRも行う。(堂本晴美)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/432092

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伝統衣服を華麗に 動画が話題

2020-06-19 | アイヌ民族関連
NHK 06月18日 08時05分

道内外に住むアイヌの女性たちが次々と伝統的な衣服を披露する動画が1か月余りで6万回以上再生され、SNSで話題になっています。
この動画はアイヌの存在を広く発信しようと制作され、札幌や帯広、東京、大阪などに住む20人が参加しました。
動画はアイヌ民族の衣服を持っていることなどを条件に参加した女性たちが自宅や屋外で撮影したもので、化粧ブラシで画面を覆うとふだんの格好から一瞬にしてアイヌの伝統的な装いに変化します。
また、次の場面ではブラシを受け取ったように見える別の女性にリレーする形式で編集されています。
この動画はことし4月下旬にフェイスブックに公開されると1か月余りで6万回以上再生され、国内外から反響のコメントが寄せられています。
アイヌについての講演活動などを行い、この動画づくりにも参加した札幌市の川上夏希さんは「それぞれアイデンティティをもって私たちらしく楽しんでいるというのが表情に表れていると思う。地域などによって文様が違うので、その違いも楽しみながら何回も見てほしい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200618/7000022199.html

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空想の翼を広げる──家から旅に出る方法・オーストラリア編

2020-06-19 | 先住民族関連
GQ 6/18(木) 12:14配信

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、海外旅行にはもう少し時間がかかりそうだ。それならば、家にいながら旅行した気分を味わおう! 第1回目は、本と映画と飲食を通して遠望するオーストラリア編。
多彩な国、オーストラリア
シドニーの旅行会社で働いていたこともあり、渡豪回数は数えきれない。その過程で見てきたのが白豪主義を乗り越えたオーストラリアの多様性へのシフトだ。先住民族アボリジニ、アジアやヨーロッパからの移民やLGBTQ+。さまざまな人生観、背景をもった者が隣人にいることの相互理解と肯定は私に多くの気づきを与えてくれた。
『ラディカル・オーラル・ヒストリー』はユニークなアボリジニの世界観に果敢に挑んだ若き歴史学者の意欲的な一冊。学術書というより人生を駆け抜け早世した著者の青春記でもある。映画『プリシラ』は毎年LGBTQ+の祭典、マルディグラが開催されるシドニーからアウトバックへの壮大なロードムービー。生きづらい時代に勇気をくれるエヴァーグリーンな作品だ。食に関しては多様性ゆえにエスニックからイノベーティブなものまで幅広く、「これがオーストラリア料理だ!」と絞り切れない。そこで隠れた国民食のミートパイにフォーカス。現地で食べてもらいたいところだが、自宅でアレンジして味わってもらいたい。そしてワイン。ニューワールドの代表国であり、個性的なワインが充実するオーストラリアでも極めて珍しいパープルカラーの白ワインが登場。新しい試みへのチャレンジ精神は多様性を深めることにつながる。革新的な紫のワインを飲みながらポストコロナの未来を思考したい。
保苅 実『ラディカル・オーラル・ヒストリー オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践』、岩波新書
32歳という若さで早世した歴史学者、保苅実氏による異色の学術書。「ども、はじめまして」で始まる導入が新鮮で心をつかまれる。そして自ら「歴史する Doing History」と称したアプローチも。アボリジニ・グリンジ族のコミュニティに飛び込み、彼らの世界観に耳を傾けるスタイルは従来の歴史研究とは一線を画し、まさにラディカル。「世界に中心はなく」「大地(マイ・カントリー)が正しい道を教えてくれる」とするアボリジニの概念は混沌とした社会を生きる私たちに深い思考をうながしてくれる。
「プリシラ」(1994年)
年齢、生き方の違う3人のドラァグクイーンがポンコツのバス「プリシラ」に乗り込みシドニーから内陸部のアリススプリングスまで3000kmのアウトバック(荒野)を旅するロードムービー。実力派テレンス・スタンプ、ヒューゴ・ウィービング、ガイ・ピアースがアカデミー衣装デザイン受賞のド派手にして強烈な個性を放つコスチュームを身に着け広大なオーストラリアの大地と旅先での差別や偏見に愛らしくもたくましく対峙。自分らしく生きることへのエールと抜群のエンターテインメント性で文句なしに元気をもらえる。壮大なアウトバックの風景も見ごたえあり。
ミートパイ
オーストラリアの定番スナックといえばミートパイで、その消費量は世界トップクラス。老舗ブランドのFour'n Twentyはチャンキーな肉がたっぷりでボリューム満点。ここにさらにアレンジを。マッシュしたポテトとグリーンピースを乗せ、上からグレービーソースをかければエルトン・ジョンなど大物アーティストやハリウッドセレブも訪れたシドニーの名物屋台Harry’s Cafe de Wheelsのオリジナル「タイガー・パイ」風に。ビールを片手に自宅でオージーテイストを満喫したい。
Four'n Twentyhttps://www.fourntwentyjapan.com/
パープルレイン
プレミアムワインを数々、輩出する西オーストラリア州のマーガレットリバーから日本に初上陸した世界初のパープルカラーの白ワイン。先行輸入販売1000本がわずか5時間ほどでソールドアウトして話題に。透明感のある美しい紫色はバタフライピーと呼ばれる植物の天然色素によるもの。バタフライピーには抗酸化作用があり、これを加えることで酸化防止剤の使用をぎりぎりまでおさえることに成功。セミヨン、ソーヴィニヨンブラン、シャルドネをブレンドしたさわやかな辛口で、これからの季節にぴったりだ。
Shizuku Japanhttps://purplereign.jp/
PROFILE寺田直子トラベルジャーナリスト。旅歴 30 年以上。訪れた国は約 90カ国ほど。雑誌、週刊誌、ウェブ、新聞などに寄稿するほか、ラジオ出演、講演なども行う。近著に「フランスの美しい村を歩く」(海教育研究所)がある。 文・寺田直子
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab117e473bcac5351c7c0b948c9f32e322019a11

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ゴールデンカムイ:稲川淳二とまさかのコラボ 「怪談カムイ」で脱獄囚エピソードが怪談に

2020-06-19 | アイヌ民族関連
MANTANWEB 2020/06/19 00:00

 「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の野田サトルさんのマンガ「ゴールデンカムイ」が、怪談家の稲川淳二さんとコラボすることになり、特設サイト「稲川淳二の怪談カムイ」が6月19日、オープンした。稲川さんが、家永カノ、辺見和雄、都丹庵士の3人の脱獄囚のエピソードを怪談テイストで紹介する動画が公開された。
 「稲川淳二の怪談カムイ」は、「ゴールデンカムイ」のコミックス第22巻が6月19日に発売されたことを記念したコラボ。特設サイトでは「美人女将(おかみ)ホテル(家永カノ編)」「ニシン漁連続殺人事件(辺見和雄編)」「暗闇の盗賊(都丹庵士編)」の3本の動画を公開している。動画で紹介されるエピソードの続きを試し読みすることもできる。
 「ゴールデンカムイ」は、2014年から同誌で連載中のマンガ。かつて日露戦争で活躍した“不死身の杉元”が、北海道で死刑囚が隠した埋蔵金の手掛かりをつかみ、アイヌの少女らと共に冒険を繰り広げる姿を描いている。コミックスのシリーズ累計発行部数は1300万部以上。テレビアニメ第1期が2018年4〜6月、第2期が同年10〜12月に放送された。第3期が10月にスタートする。
https://news.goo.ne.jp/article/mantan/entertainment/mantan-20200618dog00m200054000c.html

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「日本博」特別公演 無観客で行われる

2020-06-19 | アイヌ民族関連
日テレNEWS24 2020/06/18 19:56

東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、日本文化を国内外に広めるプロジェクト、「日本博」の特別公演が行われました。
歌舞伎「石橋」で獅子の舞をみせる尾上菊之助さん。3月に行われた「日本博特別公演」で披露されました。
文化庁などが主催する日本博は、伝統芸能からアニメ、ミュージカルまで日本文化を幅広く紹介し、その魅力を知ってもらおうというプロジェクトです。
新型コロナウイルスの影響で、オープニング・セレモニーは中止となりましたが、公演は無観客で行われ、人気のミュージカル「刀剣乱舞」も上演されました。
また、アイヌの伝統舞踊や、琉球の古典音楽といった、地域で育まれた特有の文化も紹介されています。
「日本博特別公演」は、20日正午から、BS日テレで放送されます。
https://news.goo.ne.jp/article/ntv_news24/nation/ntv_news24-663806.html

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マンガにまつわる無数のトラブルから見える4つのパターンとは? 『日本マンガ事件史』

2020-06-19 | アイヌ民族関連
ヤフーニュース 6/18(木) 13:58

原発事故以降、福島県では放射線を浴びた人からの鼻血被害が多発していると描いた『美味しんぼ』が福島県民への差別表現だと抗議を受けた件、
小学校の図書室で『はだしのゲン』の閲覧制限をすべきとの声があがった件……
このようなマンガをめぐる事件・トラブルは昔からたびたび起こってきた。
1930年代から2010年代までに起こった数々の事件を紹介する満月照子+桜井順一『日本マンガ事件史』(鉄人社)が去る6月11日に刊行された。
この本から見えてくるのは「事件にはパターンがある」そして「これらの事件はマンガ以外のほぼすべての業界においても無縁ではない」ということだ。
■事件・トラブルの4つのパターン
筆者なりに4つに集約すると
1.差別的表現、教育上よくない(と抗議者が考える)表現に対する民間団体や個人からの抗議
2.カネ・権利をめぐる作家・企業のトラブル
3.政治的思惑による当局からの介入
4.諸外国の人々に読まれたことによって生じた政治・文化・宗教的摩擦
この4つにほとんどまとめられる(もちろんこれにあてはまらない、梶原一騎による暴行・脅迫事件や、花輪和一の短銃所持事件のような例外はある)。
逆に言えば上記4点に注意を払っていけば大半のトラブルは回避できる。
また、この4点はマンガに限らずどの業界においても注意・配慮すべきことでもある。
つまりマンガをめぐる事件のほとんどは、社会経済活動を行う多くの人にとっても無縁な話ではない問題が関わっている。
少しだけ、具体的にこの3つそれぞれにたとえばどんな事件があったか見てみよう。
1.差別的表現、教育上よくない(と抗議者が考える)表現に対する民間団体や個人からの抗議
 人種差別や性差別、LGBTQに対する差別などの問題が毎日のように話題になるようになったのは2010年代以降だが、マンガ界ではそれ以前から何度も差別表現が問題誌されてきた。
 この本で取り上げられているのはギャグマンガ『昆虫図鑑』における夜間中学に対する差別表現、『ビッグ錠のギャグ・ギャング』におけるアイヌ差別、『くるくるぱぁティー』における受験ノイローゼや精神疾患に対する差別、『村田対星親子』における差別や身体障害者差別、『おカマ白書』への同性愛者差別であるとの抗議、『王様はロバ』への学童擁護員に対する差別……などである。
 その多くがギャグマンガでの描写である点は注目に値する。外見や出身地など特定の属性をいじって笑いを取る作法自体が今日では問題視されるようになってきたが、かつては今以上に横行し、一部は強く抗議され、徐々に「そうした表現はよくない」という常識が形成されていったことがわかる。
 また、今日では信じられないほどに、おおよそ1970年代まで、マンガはPTAなどから「教育上よくない」とされ、たびたび「悪書追放運動」の槍玉に挙がっていた(もちろん近年でも、少年誌での性描写に対する批判はしばしば起こっているが、その比ではなかった)。
 有名なのは先日亡くなったジョージ秋山が「週刊少年マガジン」で連載していた『アシュラ』の人肉食描写に対して全国PTAが起こした不買運動だろう。
 振り返ると、これらの抗議のなかには、行きすぎなものもあった。たとえば「週刊少年ジャンプ」連載のウンコネタ満載のギャグマンガ『トイレット博士』に対して1万枚も内容証明郵便で抗議を投稿した茨木のPTAはさすがにやりすぎで、ほとんどクレーマーと言っていいだろう。批判のロジックも「自分の子どもに胸を張って見せられるのか?」など曖昧だった。
 しかし、たとえば性・暴力などの過激な表現を読ませるな、といったもっともな面については、ほとんどの場合は対象年齢別に雑誌を分け、たとえば「小学生以下が読むマンガではここまで」といったかたちで出版社側が表現に対する自主規制を行い、ゾーニングすることで対応するようになった(もっとも、その後も性描写に関してはたびたび過激化の揺り戻しが起きて問題になっているが)。
 また、1981年春に日本消費者連盟が、マンガ単行本の吹き出し文字の小ささが子どもの視力に悪影響を及ぼす可能性を示唆し、出版社各社に対して文字拡大や印刷の鮮明化を求めた動きはその後反映され、改善された。
 振り返ってみると、意外にもこうしたタイプの抗議の大半は「表現の自由を萎縮させる」とか「クレーマーの暴走」といったものより、「差別はよくない」「対象年齢に応じて表現の自主規制をし、ゾーニングするべき」といった今日常識的とされる価値観の形成に貢献してきたように思われる。
2.カネ・権利をめぐる作家・企業間のトラブル
『ベルサイユのばら』が舞台化された当初、クレジットと権利料をめぐって作家の池田理代子と宝塚歌劇団と起きたトラブル、同人誌で発表された『ドラえもん』最終回(二次創作)があまりの反響ゆえに藤子プロと小学館が同人作家に抗議した事件、『ライオンキング』と『ジャングル大帝』をめぐる登用疑惑、さらには商標無断使用、写真集からのトレース、原稿紛失事件といった問題が『日本マンガ事件史』では紹介されている。
 こうした事件を顧みると、時代が下るごとに良くも悪くも権利意識が広がり、著作権に関する常識が更新されていったという過程がよくわかる。
3.政治的思惑による当局からの介入
 マンガ表現に対するお上からの介入といえば、エロマンガを警視庁が摘発するというものが真っ先に浮かぶだろうが、それだけではない。
 戦前には国家による柳瀬正夢のプロレタリアマンガの弾圧、戦後すぐには『黄金バット』に対するGHQの介入があり、1981年には矢作俊彦と谷口ジローによるハードボイルドマンガ『Official Spy Hand Book』が日中関係悪化のおそれから厚生省から抗議を受けたり、20110年代に入っても、文化庁メディア芸術祭の展示で反原発マンガが展示拒否されたりしている。
 4つ上げた事件のパターンの中でも、もっとも恣意的で基準が曖昧な抗議がこれであり、「差別をなくす」「権利の盗用・濫用をやめる」ことにつながる事件とは異なり、抗議に従うことで社会がよくなったと言える事例がほぼまったくないという特徴がある。
4.諸外国の人々に読まれたことによって生じた政治・文化・宗教的摩擦
 日本のマンガが日本国内で閉じていた時代には起こらなかったトラブルが、2000年代以降に起こるようになった。
 たとえば『ジョジョの奇妙な冒険』でエジプトのモスクをモデルに描いていたことから修正の必要が生じたり、肌の露出が多いマンガが性描写に厳しいAppleから弾かれたり、アングレーム国際漫画祭で従軍慰安婦問題をめぐって日韓の場外バトルが発生したり、といったものだ。
 これに関しては、日本側が積極的に他国に対して主張していくべき点と、日本のマンガ業界側が他国の文化や各宗教を尊重し、国際的な常識・潮流に従うべき点の両方がある。
 いずれにしても世界的な潮流を見て多文化・多宗教に配慮して作品づくりをしなければならない時代になったことは間違いない。
■野蛮な時代から多様性の時代へ
1.差別的表現、教育上よくない(と抗議者が考える)表現に対する民間団体や個人からの抗議
2.カネ・権利をめぐる作家・企業のトラブル
3.政治的思惑による当局からの介入
4.諸外国の人々に読まれたことによって生じた政治・文化・宗教的摩擦
いずれもマンガに限らずほとんどすべての産業でこれらをめぐる事件は起こってきたと書いた。
トラブルを経るなかで、野蛮な時代から多様性重視の時代に変わってきた。
もちろん、繊細な配慮がなされていなかった時代だからこそなしえた乱暴な表現がもつ強度もあることは否定しないが、今日、表現のバックラッシュが現実的に可能かと言えばそうではない。
われわれはどんな表現・商売をしなくなった/できなくなったのか、今何ができるかに対して自覚的になりたければ、歴史を辿るしかない。
■日本マンガ事件史
飯田一史 ライター
出版社にてカルチャー誌や小説の編集者を経験した後、独立。マーケティング的視点と批評的観点からウェブカルチャー、出版産業、子どもの本、マンガ等について取材&調査してわかりやすく解説・分析。単著に『マンガ雑誌は死んだ。で、どうするの? マンガアプリ以降のマンガビジネス大転換時代』『ウェブ小説の衝撃』など。構成を担当した本に石黒浩『アンドロイドは人間になれるか』、藤田和日郎『読者ハ読ムナ』、福原慶匡『アニメプロデューサーになろう!』、中野信子『サイコパス』他。青森県むつ市生まれ。中央大学法学部法律学科卒、グロービス経営大学院経営学修士(MBA)。息子4歳、猫2匹 ichiiida@gmail.com
https://news.yahoo.co.jp/byline/iidaichishi/20200618-00183940/

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