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アングル:コロナに水銀汚染、アマゾンで違法「ゴールドラッシュ」

2020-06-29 | 先住民族関連
ロイター 2020年6月28日 / 13:32 / 13時間前更新
 6月26日、ブラジルの先住民族ヤノマミ族が暮らすアマゾン熱帯雨林の中心部で過去5年間、違法な金の採掘が急増している。写真は違法な採掘の状況を調査するブラジル環境当局者の後をついていくヤノマミ民族。2016年4月、ロライマ州で撮影(2020年 ロイター/Bruno Kelly)
[26日 ロイター] - ブラジルの先住民族ヤノマミ族が暮らすアマゾン熱帯雨林の中心部で過去5年間、違法な金の採掘が急増している。衛星画像による独自データをロイターが分析した結果、明らかになった。
民族は南米の先住民族の中では最も人口が多いが、外界からかなり隔絶された環境に住んでいる。ベネズエラとの国境近く、ポルトガルほどの大きさの保護特別区域に2万6700人以上が暮らす。
彼ら、彼女らが数世紀前から暮らしてきた原生林の地下には、金を含む貴重な鉱物資源が眠っている。
ここ数十年というもの、金を求める非合法の探鉱者らがこの地に引き寄せられ、森林を破壊し、河川を汚染し、死に至る病を持ち込んだ。
ヤノマミ族と地元当局者の推計によると、ここでは現在、2万人を超える非合法探鉱者が活動している。2018年、アマゾンを経済開発し、鉱物資源を採掘すると公約する極右ボルソナロ大統領が就任して以来、その数は増えた。
大統領府にコメントを要請したが、返信は得られなかった。
ヤノマミ族の特別区域を写した衛星画像をロイターが分析したところ、過去5年間で非合法の採掘活動は20倍に増えている。主な活動地域はウラリコエラ川とムカジャイ川沿いで、合計すると約8平方キロメートル、サッカー競技場1000個分を超える。
ロイターは衛星画像を分析する非営利団体アースライズ・メディアと協力して作業を行った。
採掘の規模は小さいが、環境に壊滅的な影響を及ぼしている。樹木と居住環境は破壊され、砂岩から金を分離するのに使う水銀が川に流れ、水を汚染し、魚を介して地域の食物連鎖に入り込む。
18年に公表された調査結果によると、ヤノマミ族の村落の中には、住民の92%が水銀中毒に苦しんでいるところもある。この中毒は臓器を傷付け、子どもの発育障害を引き起こすことがある。
採掘者は感染症も持ち込む。
1970年代、ブラジルの当時の軍事政権がアマゾン川北部の熱帯雨林を抜ける幹線道路を建設した際には、ヤノマミ族の村落が2つ、はしかとインフルエンザにより壊滅した。
https://jp.reuters.com/article/amazon-gold-mine-idJPKBN23X0V8

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米国のBlack Lives Matterを受けて考える日本の問題

2020-06-29 | アイヌ民族関連
ハーバー・ビジネス 6/28(日) 8:32配信
 私が最初に人種的偏見を体験したのは、親の仕事の都合で米国カリフォルニア州にある白人がマジョリティの田舎町に引っ越してから数年が経った頃でした。壁にボールをぶつけて遊んでいたときに、白人の友達と口喧嘩になったことがきっかけでした。
身をもって経験した偏見
 「お前は余所者(よそもの)だ」
 当時、「余所者(よそもの)」という英単語(Foreigner)を理解できず、なんども聞き返したのを覚えています。やっと理解できたときは、落ち込みました。(Foreignerは、「外国人」という意味のほかに、「よそもの」のような排他的な意味合いで使われることがあります)
 ただ、その後米国で体験した人種的偏見に比べたら、小学生のときの経験は軽いほうでした。「チンク」(中国人に対する侮辱語)や「グック」(アジア人に対する侮辱語)、「ジッパーヘッド」(起源は多々あるようですが、ひとつの説は、米軍兵士がベトナム戦争中に現地の人々を射殺した際、頭がジッパーを開けるように破裂したから、というものです)などの侮辱言葉は日常的で、「フラットフェイス(平らな顔)」、目を釣り上げるなど外見を揶揄されることもありました。身体的な暴力(ヘイトクライム)の被害を受けたこともあります。
 カメルーン人哲学者のアキーユ・ンベンベ氏の著書『ネクロポリティクス:死の政治学』から言葉を借りると、これら「人種主義による傷害」は「身体とその実質だけではなく、(省略)尊厳や自尊心など無形なものも攻撃するため、苦しく、忘れにくい」のです。彼が書いたように、「これらの痕跡はほとんど目に見えず、傷跡は癒えにくい」と感じます。
「日本に差別はない」のウソ
 私は新型コロナウイルス感染症の流行を受けて増えているアジア人に対する暴力や、ジョージ・フロイド氏の殺害を受けて米国で広がるブラック・ライブズ・マターのデモを見たことで、個人的な経験が鮮明に蘇ったうえ、米国だけではなく日本における差別や偏見について考えるきっかけになりました。
 例えば、歴史的に在日コリアンの人々は日本で差別を受けてきました。1923年には、関東大震災直後の混乱のなか、コリアンの人々が暴動や放火しているとデマが広まり、大勢の人々が殺害されました。
 今の日本では、民族や人種を理由にした暴力は希ですが、一部団体による在日コリアンのコミュニティを標的にしたヘイトスピーチなどは起きています。また、一部の人々は、「在日」と言う単語を「反日」と同義的に使用しています。(参照:朝日新聞DIGITAL)
法的抑止力が皆無な日本
 日本では外見が異なる人に対する偏見もあります。アフリカ系アメリカ人との「ハーフ」の宮本エリアナさんは、ミス・ユニバース日本代表に選出された際、ネットで「日本人らしくない」という言葉が寄せられました。このような排他的な反応は、インド人の父親を持つ吉川プリアンカさんがその翌年に同じタイトルを獲得した際にもありました。
 日本政府の政策の下でも被害が発生しています。日本政府が拡大している「技能実習制度」では多くの外国人が技能習得の名目を示されて日本に来たものの、違法な低賃金や醜い偏見の被害にあっています。
 また、日本は「単一民族国家」という神話を権力を持つ人びとが発信していることが、日本での排他的な感情を助長していると考えられます。なぜなら、そうした神話は在日コリアンや先住民のアイヌの人々の歴史や経験を縮小化してしまい、マイノリティの声に耳を傾けなくなってしまうからです。(参照:the japan times)
 日本にいるマイノリティの人びとは弱い立場に立たされています。なぜなら、日本には人種、民族、宗教、性的指向や性自認(ジェンダーアイデンティティ)による差別を禁止する法律がないため、何が差別かという一般認識も低く有効な救済制度もほとんどなく、被害者は泣き寝入りを余儀なくされる場合が多いのです。また、日本政府は国連からの度重なる勧告にもかかわらず、いまだに国内人権機関を設立していません。
間接的にでも考えるきっかけに
 以上を踏まえると、米国に限らず日本にも解消する必要がある差別や偏見が多々あることがわかります。だからこそ、日本にいる人々はブラック・ライブズ・マターの運動をアメリカ特有のものと見ず、日本にも人種や民族を理由に差別や偏見の被害にあいやすい人々がいることを考える良い機会として捉えるべきです。
 アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者であったキング牧師は、「バーミンガム刑務所からの手紙」でこう書いています。
 「いかなる不正も、あらゆる公正に対する脅威となる。我々は、避けることのできない相互関係のネットワークのなかに生きており、運命というひとつの織物に織り込まれている。誰かに直接的に影響することは、皆に間接的に影響する」と。
<取材・文/笠井哲平>
【笠井哲平】
かさいてっぺい●’91年生まれ。早稲田大学国際教養学部卒業。カリフォルニア大学バークレー校への留学を経て、’13年Googleに入社。’14年ロイター通信東京支局にて記者に転身し、「子どもの貧困」や「性暴力問題」をはじめとする社会問題を幅広く取材。’18年より国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチのプログラムオフィサーとして、日本の人権問題の調査や政府への政策提言をおこなっている
https://news.yahoo.co.jp/articles/bee6517474177e09c82a664d410f998eeaf488df

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宇梶剛士×川越宗一/知れば知るほどアイヌは凄い〈国立アイヌ民族博物館がオープン。その文化の魅力を語り合う〉――文藝春秋特選記事【全文公開】

2020-06-29 | アイヌ民族関連
文春オンライン 6/28(日) 6:00配信
宇梶 川越さんが19世紀末から20世紀半ばにかけての厳しい時代を生き抜いたアイヌの人々を描いた『熱源』(小社刊)をとても面白く読ませてもらいました。僕は劇団をやっていまして、昨年、やはりアイヌの地を舞台とした脚本を書くために関連の書籍を読み漁っているときに、妻から「これを読んだら?」とすすめられたんです。
川越 ありがとうございます。
宇梶 読み始めたらすぐに引き込まれて、劇団仲間のLINEに「これは読んでくれ。課題図書だ」と投稿しました。そうしたら直木賞を受賞されて、まるで自分の手柄みたいにうれしくて(笑)。
川越 それはありがたいですね。宇梶さんが周囲の方にすすめて下さったことは、作家の西尾潤さんからうかがいました。
宇梶 そうでしたか。西尾さんには、僕らの舞台『永遠ノ矢=トワノアイ』で、民族衣装を作ってもらったんです。
川越 アイヌの民族衣装といえば、北海道白老町にオープンする「ウポポイ 民族共生象徴空間」(5月29日開館予定)のPR映像を拝見しました。宇梶さんがアイヌの衣装や装身具を着けると、さすがにお似合いというか、迫力がありますね。
宇梶 あの映像の中で僕が着ているアットゥシ(オヒョウなどの木の内皮の繊維を織ったアイヌの織物)の着物は自前なんです。
川越 あ、自前だったんですね。
宇梶 アイヌの聖地ともいわれる二風谷(にぶたに)で公演したときに、織物名人のおじさんが訪ねてきて「これ、お母さんから頼まれたよ」と渡されたものです(宇梶氏の母、静江氏はアイヌ復権運動の草分け)。いったん羽織ったら、名人の作だけあってもう脱ぎたくない(笑)。すばらしい着心地なんです。僕がPRアンバサダーに任命されたのは、もちろん母がアイヌで、僕にもアイヌの血が流れているということがあると思います。
「ウポポイ(みんなで歌うの意)」は、2018年まであった民間のアイヌ民族博物館を継承したもので、周囲に国立民族共生公園をつくり、その中に新しく国立アイヌ民族博物館が建てられました。
川越 旧アイヌ民族博物館のほうは、5年ほど前に見学したことがあります。妻と北海道旅行に出かけたときに「時間があるからちょっと寄ってみよう」という感じで入ってみたら、アイヌのコタン(村)が再現してあって、「ここ、すっげえ楽しいなぁ」とあちこち見て回りました。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/42b07fd40d4d75a1525a6d3bbeb1be881a03500a

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