北海道新聞 07/16 10:58
ウポポイは、差別と戦いながら鉄道の測量技師を務めた父、川村カ子(ね)トに関する展示もあり、アイヌ文化を知る施設ができることは歓迎します。
アイヌ文化といっても、地域ごとに言葉や食べ物が少しずつ違います。うちの記念館は地域性を打ち出し、道北の文化に焦点を当てています。旭川はアイヌ民族の人口割合が少なく、文化の維持・継承は大変です。ただ、地域に生きた歴史があるからこそ、訪れた人は深く理解できるのだと思います。自治体や国には、各地で文化継承に取り組みやすい環境を整備してもらいたいです。
アイヌ民族の遺骨の問題では、昨年12月までに全国の大学が保管する遺骨1574体のうち、1287体がウポポイ内の慰霊施設に納められましたが、その人が生きた地域で弔うことすらかないません。
昨年施行されたアイヌ施策推進法で、「差別」の禁止が明記されたのはうれしかったです。ただ、麻生太郎副総理は今年1月にも「(日本は)2千年の長きにわたって一つの民族が続いている」と発言しました。アイヌ新法の精神はどこへ行ったのでしょうか。
ウポポイ開設を機に差別や遺骨返還の問題も含め、アイヌ民族への理解を深めてほしいですね。(聞き手・山口真理絵)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/441106
ウポポイは、差別と戦いながら鉄道の測量技師を務めた父、川村カ子(ね)トに関する展示もあり、アイヌ文化を知る施設ができることは歓迎します。
アイヌ文化といっても、地域ごとに言葉や食べ物が少しずつ違います。うちの記念館は地域性を打ち出し、道北の文化に焦点を当てています。旭川はアイヌ民族の人口割合が少なく、文化の維持・継承は大変です。ただ、地域に生きた歴史があるからこそ、訪れた人は深く理解できるのだと思います。自治体や国には、各地で文化継承に取り組みやすい環境を整備してもらいたいです。
アイヌ民族の遺骨の問題では、昨年12月までに全国の大学が保管する遺骨1574体のうち、1287体がウポポイ内の慰霊施設に納められましたが、その人が生きた地域で弔うことすらかないません。
昨年施行されたアイヌ施策推進法で、「差別」の禁止が明記されたのはうれしかったです。ただ、麻生太郎副総理は今年1月にも「(日本は)2千年の長きにわたって一つの民族が続いている」と発言しました。アイヌ新法の精神はどこへ行ったのでしょうか。
ウポポイ開設を機に差別や遺骨返還の問題も含め、アイヌ民族への理解を深めてほしいですね。(聞き手・山口真理絵)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/441106