北海道新聞09/15 19:02

四半世紀続いた空想の森映画祭について語る映画監督で実行委員長の藤本さん
「第25回SHINTOKU空想の森映画祭final」(実行委、北海道新聞帯広支社共催)が17~19日、町内新内の新内ホールで開かれる。1996年に始まった伝統の映画祭だが、今回が最後となる予定。映画監督で実行委員長の藤本幸久さん(68)に思いを聞いた。(伊藤圭三)
―映画祭は持ち去られたアイヌ民族の遺骨が返還され、再埋葬されるまでを記録した映画(16日夜、前夜祭で上映)から始まります。
「これまで取り上げてこなかったテーマが『アイヌ民族』と日本を代表するドキュメンタリー映画監督原一男さんの作品です。アイヌ民族は独自文化を持ち、暮らしています。国は先住民族と認めながら、民族の歴史や先住権と正面から向き合ってこなかった。上映作品などを通じてこの国のありさまを考えてほしい」
―原監督は戦争責任を過激なまでに追及する元日本兵の姿を追った「ゆきゆきて、神軍」が有名です。
「原監督は日本のドキュメント映画をけん引してきた人で、上映する『極私的エロス・恋歌1974』はとても衝撃的でした。文化やテーマを見せる『文化映画』と言われたドキュメントの可能性を掘り下げ、怒りや時代の空気を記録する新スタイルを切り開いてきた。上映後、その思いをたっぷり語ってくれます」
―ロシアによるウクライナ侵攻で「台湾有事」に焦点が当たっています。
「台湾有事が現実のものとなれば、沖縄は最前線になります。なかでも宮古島は自衛隊が駐屯し、ミサイル基地へと変貌しつつあります。多くの市民が殺りくされるのが20世紀以降の戦争。絶対に起こしてはならない」
―今回が最後の映画祭になるとか。
「私が今、追いかけているテーマは戦争、沖縄、環境破壊、世界の先住民など。残された時間はそう多くない。これからは映画づくりに100%力を入れていきたいと思っています」
前売り券は発行せず、当日券のみ。3日間の通し券は3千円、1日券2千円、1プログラム券1500円。前夜祭、さよならパーティーはともに千円。問い合わせは藤本さん、電話090・8278・6839へ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/731639/


四半世紀続いた空想の森映画祭について語る映画監督で実行委員長の藤本さん
「第25回SHINTOKU空想の森映画祭final」(実行委、北海道新聞帯広支社共催)が17~19日、町内新内の新内ホールで開かれる。1996年に始まった伝統の映画祭だが、今回が最後となる予定。映画監督で実行委員長の藤本幸久さん(68)に思いを聞いた。(伊藤圭三)
―映画祭は持ち去られたアイヌ民族の遺骨が返還され、再埋葬されるまでを記録した映画(16日夜、前夜祭で上映)から始まります。
「これまで取り上げてこなかったテーマが『アイヌ民族』と日本を代表するドキュメンタリー映画監督原一男さんの作品です。アイヌ民族は独自文化を持ち、暮らしています。国は先住民族と認めながら、民族の歴史や先住権と正面から向き合ってこなかった。上映作品などを通じてこの国のありさまを考えてほしい」
―原監督は戦争責任を過激なまでに追及する元日本兵の姿を追った「ゆきゆきて、神軍」が有名です。
「原監督は日本のドキュメント映画をけん引してきた人で、上映する『極私的エロス・恋歌1974』はとても衝撃的でした。文化やテーマを見せる『文化映画』と言われたドキュメントの可能性を掘り下げ、怒りや時代の空気を記録する新スタイルを切り開いてきた。上映後、その思いをたっぷり語ってくれます」
―ロシアによるウクライナ侵攻で「台湾有事」に焦点が当たっています。
「台湾有事が現実のものとなれば、沖縄は最前線になります。なかでも宮古島は自衛隊が駐屯し、ミサイル基地へと変貌しつつあります。多くの市民が殺りくされるのが20世紀以降の戦争。絶対に起こしてはならない」
―今回が最後の映画祭になるとか。
「私が今、追いかけているテーマは戦争、沖縄、環境破壊、世界の先住民など。残された時間はそう多くない。これからは映画づくりに100%力を入れていきたいと思っています」
前売り券は発行せず、当日券のみ。3日間の通し券は3千円、1日券2千円、1プログラム券1500円。前夜祭、さよならパーティーはともに千円。問い合わせは藤本さん、電話090・8278・6839へ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/731639/