北海道新聞09/18 11:07
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「シロカニペ ランラン ピシカン(銀の滴降る降るまわりに)」で始まる「アイヌ神謡集」の校正を終えた直後、わずか19歳で生涯を閉じた知里幸恵。彼女が世を去って9月18日で100年。「幸恵さんのことを一人でも多くの方に伝えたい」と脚本、演出を自ら手がけ、生涯を描いた一人芝居「神々の謡」を14年間演じ続けている。
知里との出会いは、詩人金子みすゞを演じた公演の観客アンケートから生まれた。「次は知里幸恵をやったらどうかとの意見だった。でも、誰? アイヌって? ゼロ以下からの出発だった」
2004年に劇団ムカシ玩具を旗揚げ。みすゞのほか中原中也、宮沢賢治を演じた。知里の生きざまを知り、多くの人たちの協力を得て09年に「神々の謡」を初演。命日には東京にあるゆかりのキリスト教会で毎年「召天会」を主宰する。
創作に通じるテーマは「生命」。この作品の他にも、東日本大震災の警戒区域に取り残された犬猫を描いた作品では動物たちの声を伝えた。
知里は、短かった命の中でアイヌの口承文芸を初めて文字に表した。名文として知られる序文で、民族の文化や誇りを後世に残す志も記した。「神謡集が出版されて来年で100年。その中にある話を『読む物語』より『語る物語』として演じたい」と次を目指す。
6年前に長野県南部の阿智村に移住した。姉夫婦が営むキャンプ場で仕事をしながら、車に照明、音響など舞台装置一式を載せて全国で公演する。東京都出身。40歳。(共同)
※「ピシカン」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/732900/

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「シロカニペ ランラン ピシカン(銀の滴降る降るまわりに)」で始まる「アイヌ神謡集」の校正を終えた直後、わずか19歳で生涯を閉じた知里幸恵。彼女が世を去って9月18日で100年。「幸恵さんのことを一人でも多くの方に伝えたい」と脚本、演出を自ら手がけ、生涯を描いた一人芝居「神々の謡」を14年間演じ続けている。
知里との出会いは、詩人金子みすゞを演じた公演の観客アンケートから生まれた。「次は知里幸恵をやったらどうかとの意見だった。でも、誰? アイヌって? ゼロ以下からの出発だった」
2004年に劇団ムカシ玩具を旗揚げ。みすゞのほか中原中也、宮沢賢治を演じた。知里の生きざまを知り、多くの人たちの協力を得て09年に「神々の謡」を初演。命日には東京にあるゆかりのキリスト教会で毎年「召天会」を主宰する。
創作に通じるテーマは「生命」。この作品の他にも、東日本大震災の警戒区域に取り残された犬猫を描いた作品では動物たちの声を伝えた。
知里は、短かった命の中でアイヌの口承文芸を初めて文字に表した。名文として知られる序文で、民族の文化や誇りを後世に残す志も記した。「神謡集が出版されて来年で100年。その中にある話を『読む物語』より『語る物語』として演じたい」と次を目指す。
6年前に長野県南部の阿智村に移住した。姉夫婦が営むキャンプ場で仕事をしながら、車に照明、音響など舞台装置一式を載せて全国で公演する。東京都出身。40歳。(共同)
※「ピシカン」の「シ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/732900/