日刊スポーツ[2024年12月25日19時37分]
米共和党のトランプ次期大統領がアラスカ州にある北米大陸最高峰デナリ(6190メートル)を旧称の「マッキンリー」に戻す意向を示し、地元が反発している。2015年に民主党のオバマ大統領が先住民の言葉で「偉大なもの」を意味するデナリに変更した。名称復活で民主党色からの脱却を狙うが、実現するかどうかは不透明だ。
旧称は凶弾に倒れた共和党の第25代大統領マッキンリー氏(1897~1901年在任)にちなむ。自身も銃撃被害に遭ったトランプ氏は22日、保守系団体の集会の演説で「マッキンリー氏は偉大な大統領で、山の名前に値する。名前を戻す」と主張した。
東京生まれでアラスカ州上院議員の民主党カワサキ氏はX(旧ツイッター)で「違う。デナリだ」と反発。同州選出の共和党のマカウスキ連邦上院議員も「北米大陸で最も高い山にふさわしい名前はただ1つ、デナリだ」と投稿した。
デナリは1984年に冒険家の植村直己さんが世界初となる冬季単独登頂後、行方不明となったことで知られている。
アラスカ州政府は数十年前に名称をデナリに変更したが、マッキンリー氏の地元オハイオ州の議員らが反発。連邦政府はオバマ氏の決定までマッキンリーと呼び続けた。
米メディアによると、トランプ氏は1期目にもマッキンリーに戻すことをアラスカ州選出の上院議員に打診したが、反対され断念していた。(共同)
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