先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

「カムイのうた」でアイヌ文化学ぼう ロケ地の東川町と北海道新聞社プロジェクト

2025-01-10 | アイヌ民族関連

山中悠介

北海道新聞 2025年1月9日 19:15(1月9日 19:25更新)

 上川管内東川町と北海道新聞社は、大正期のアイヌ文化伝承者、知里幸恵をモデルに同町などでロケを行った映画「カムイのうた」を通し、アイヌ文化の普及などに取り組む「カムイのうたの学校」プロジェクトを始めた。アイヌ民族に関する多言語のデジタル教材配布や各地で上映会を開く。

・・・・・・

また、条件を満たせば、地域の上映会向けに無料で映画を貸し出す。問い合わせは町文化交流課、電話0166・82・2111(代表)へ。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1109317/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北方民族の衣装さまざま 北見で特別展

2025-01-10 | アイヌ民族関連

 

増田隼斗 有料記事

北海道新聞 2025年1月9日 18:08(1月9日 18:59更新)

色鮮やかな民族衣装が展示されている会場

 サハリンのアイヌ民族やロシアに住むナナイ族など北方民族の衣装を展示する特別展が、北見市公園町1の北網圏北見文化センターで開かれている。衣服の袖に施された渦巻き模様など、居住地で異なる各民族の文化に触れることができる。

 ・・・・・

 26日まで。同センター休館日の14日と20日は休み。入場無料。写真撮影も可能だ。問い合わせは同センター、電話0157・23・6700へ。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1109235/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイヌ文化の資料展 保管方法なども紹介 白老 ウポポイ

2025-01-10 | アイヌ民族関連

 

NHK 01月09日 18時58分

博物館に収蔵されているアイヌ文化の貴重な資料について、劣化を防ぐための保管方法などとあわせて紹介する催しが胆振の白老町にあるウポポイで開かれています。
ウポポイにある国立アイヌ民族博物館は、アイヌ文化への理解を深めてもらおうと、関連する資料を集め、後世に伝えるために保管しています。
この博物館が開いている催しでは、収蔵するおよそ1万点の資料のうち、およそ100点を「収集」と「保管」、そして「活用」の3つのコーナーにわけて展示しています。
このうち、「保管」については、アイヌの人たちが神や先祖へ祈りを捧げる時に使う「イクパスイ」という棒状の道具を、劣化の原因となる物質が発生しづらい中性紙でできた箱で保管していることなど、大切な資料を守るための取り組みが紹介されています。
また、「活用」のコーナーでは首飾りや刀を3Dプリンターで作り、手に取って触れることができるようにすることで、アイヌ文化をじかに体感できるように工夫するなど、博物館の裏側についても学べるようになっています。
国立アイヌ民族博物館の八幡巴絵学芸主査は、「冬休み中の小学生や中学生、高校生にも見てもらい、学芸員や研究員の仕事にも興味をもってほしい」と話していました。
この催しは来月16日まで開かれています。

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20250109/7000072501.html


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中2社会でアイヌ文化体験、伝統楽器や踊りに挑む…神奈川学園

2025-01-10 | アイヌ民族関連

 

読売新聞 2025/01/09 09:00

  神奈川学園中学・高等学校 (横浜市)は昨年12月16日、中学2年生の社会の授業として、アイヌ文化の体験や講演会を催しました。アイヌの歴史や言語、文化について学ぶ講演会の後、生徒たちはアイヌ伝統の楽器「 口琴こうきん 」の演奏や踊りを鑑賞。希望者が口琴に挑戦したほか、全員で振り付けを練習して踊りを体験し、アイヌ文化への理解を深めました。詳細は こちら

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/support/information/CO036627/20250107-OYT8T50060/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新コンテンツが続々登場!日本発のクリエイティブカルチャーを国内外に発信する“日本最大級・クリエイターの祭典” 「ハンドメイドインジャパンフェス冬(2025)」

2025-01-10 | アイヌ民族関連

 

株式会社クリーマ 2025年1月9日 11時00分

“日本の美”を表現した作品100点が並ぶ特別展示企画や、みんなで作る風車の巨大オブジェ、京都・石川・熊本など日本各地の伝統工芸にアイヌの伝統楽器演奏、初の韓国クリエイターエリアまで

日本最大のハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」を運営する株式会社クリーマ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:丸林耕太郎、以下クリーマ)は、2025年1月18日(土)・19日(日)の2日間にわたり東京ビッグサイトにて開催する「ハンドメイドインジャパンフェス冬(2025)」の特別企画や注目コンテンツの詳報を公開しました。

伝統工芸士による実演やワークショップに加え、初出展となる韓国クリエイター・学生クリエイターエリアも登場

会場内は、3,000名のクリエイターによる小さなお店がずらりと並ぶマーケットやワークショップを展開する「クリエイターエリア」*、友成空、荒谷翔大など6組の注目アーティストによる音楽ライブと、ダンビラムーチョ、滝音らのよしもとお笑いライブを楽しめる「ミュージック&カフェエリア」、全国から90店舗の選りすぐりの手作りフードがあつまる「フードエリア」に分かれ、五感でクリエイティビティを体感できます。

*土曜日出展者数と日曜日出展者数を合計した延べ人数.

マーケットの一角には、京都や石川、熊本など日本各地の伝統工芸品が並ぶとともに、伝統工芸士による実演やワークショップも登場。石川県の伝統工芸品・輪島塗の沈金(ちんきん)と呼ばれる絵付けの技法を職人から直接教えてもらいながら体験したり、アイヌの伝統弦楽器の演奏体験など、多彩な工芸の魅力をお伝えします。

また、今回は韓国最大級のクラフトマルシェ「K-HANDMADE FAIR・K-ILLUSTRATION FAIR」から34組のクリエイターが初出展。近年クラフトシーンが盛り上がっている韓国のトレンドを感じるアートやファッションアイテムなど、日本初公開の作品が並びます。さらには、ファッションやプロダクトデザインを学ぶ4校による学生クリエイターブース※も登場し、若きクリエイターたちによる豊かな感性で生み出された作品の数々をお楽しみいただけます。

※東京デザイナー・アカデミー、東北芸術工科大学、文化学園大学、文化服装学院

“日本の美”を表現した100点ものクリエイター作品の展示や風車づくり体験、日本茶の飲み比べにスタンプラリーまで

2025年の始まりに開催する今回のHMJには、「和ごころ」をテーマにした特別企画エリアが登場します。古くから親しまれる“風車”を折り紙で作って飾り、巨大な壁面アートを制作する来場者参加型のワークショップ(無料)や、福あつめスタンプラリー(無料)、出展クリエイターによる“日本の美”を表現したオリジナル作品100点が並ぶ特別展示コーナーに、京都・宇治の厳選された茶葉を丁寧に淹れた日本茶専門店によるお茶の飲み比べまで。日本ならではのおもてなしで皆さまをお迎えします。

個性あふれるマーケットと70種類のワークショップが広がる「クリエイターエリア」

アクセサリー・ファッション・インテリア・アート・器・手工芸品など個性あふれる小さなお店がずらりとならぶマーケットに、和紙紐のランタンやアクセサリーづくりなど、人気クリエイターによる70種類のワークショップが体験できる「クリエイターエリア」。こだわりとオリジナリティが光る作品をどうぞお楽しみください。

出展クリエイター一覧ページ

●出展クリエイター紹介(一部抜粋)

ジュエリーデザイナー hakumokuren

“植物の美術館”をコンセプトに、本物の植物を樹脂で丁寧に閉じ込めた、シックなアイテムが人気。

革靴職人 GO!ON水澤ゴウ

シューフィッターとレザーソムリエの知識を持つ職人が作る、足にフィットする天然皮革のオーダーメイド靴。

●ワークショップ

革の端材でつくるオリジナルレザーノート by SKLO

捨てられるはずだった革の端材と、デッドストックの紙を使って作るノート。リングや留め具のデザイン、刻印の文字や色まで自由に選べます。

金継ぎジュエリーを作ろう by engrace

有田焼、京焼、唐津焼などの陶片と、色鮮やかな天然石を自由に組み合わせて作る金継ぎのクセサリー作り体験。

【NEW】 日本各地の伝統工芸がずらり。今年誕生した新たな工芸品も登場!

毎回人気の伝統工芸エリアでは、京都・熊本・石川など20事業者が出展します。認定工芸士が生み出す工芸品はもちろん、Creemaクリエイターとのコラボレーションによる商品開発プロジェクトによって生まれた新たな伝統工芸品や制作実演、ワークショップに加え、アイヌ工芸エリアでは伝統楽器の演奏など、さまざまな角度から工芸の魅力をお伝えします。

京都・竹田千藏商店

仏具の彫金技術で作られた現代的なデザインのアクセサリーやインテリアを制作。

【京都の伝統工芸×クリエイターコラボ作品】楽入&むらいさき

400年以上の歴史を持つ京都の楽焼の器。繊細で優しい画風を楽焼の技術で職人が丁寧に表現した作品です。

石川:輪島塗・沈金で彩るワークショップ

石川県の伝統工芸品・輪島塗の“沈金(ちんきん)”と呼ばれる絵付けの技法を、伝統工芸士に教わりながら体験し、お箸やお皿に模様を描きます。

アイヌ工芸:with AINU CRAFTS.

アイヌ民族の工芸品の販売やワークショップ、伝統楽器の演奏まで、さまざまなアイヌ文化が体感できます。

【NEW】韓国から34組の人気クリエイターが来日出展する韓国クリエイターエリア

今回は韓国最大級のクラフトマルシェK-HANDMADE FAIR・K-ILLUSTRATION FAIRから34組の人気クリエイターが来日出展する、韓国クリエイターエリアが初登場。近年クラフトシーンが熱い韓国のトレンドを感じるアートやファッションアイテムなど、日本初公開の作品をお楽しみください。

Joanne fabric studio

シックなデザインのドレスやコート、帽子などのファッションアイテムを製作。

NearbyDear

韓国伝統柄を用いた装身具や韓服を製作しているクリエイター。

wol bol

生きものや植物など、自然のモチーフを独自の目線で描く、温かみのある絵が人気のイラストレーター。

【NEW】ファッションやデザインを学ぶ4校の学生クリエイターが出展

今回は東京デザイナー・アカデミー、東北芸術工科大学、文化学園大学、文化服装学院から約90名の若きクリエイターたちが出展。ファッションやプロダクトデザインを学ぶ学生たちの、素直な感性によって生み出したエネルギーあふれる作品の数々が並びます。

東京デザイナー・アカデミー

プロダクトデザイン学科の学生たちが“あったらいいな”を実現すべく企画した商品。

東北芸術工科大学

工芸デザイン学科の学生による素材の魅力を活かした生活を彩る作品群。

文化学園Studio Oeuf

文化学園大学、文化服装学院の有志による38ブランドの学生クリエイター集団。

【NEW】 “和ごころ”をテーマにした特別企画エリアのコンテンツ詳細発表!

【みんなでつくる 風車 の壁面アート】

昔ながらの日本の玩具“風車”をHMJオリジナル折り紙で作り、壁に飾って大きなアートをつくります。※参加無料

【特別展示・“日本の美”を表現した100点のクリエイター作品】

出展クリエイター100名による、“日本の美”を表現したオリジナル作品がずらりと並び、ご来場の皆さまをお迎えします。クリエイティビティあふれる作品をご覧いただき、クリエイターとの出会いをお楽しみください。

【福あつめスタンプラリー2025】

会場内をめぐり、スタンプを4つ集めるスタンプラリー。完成するとオリジナルポストカードとしてお使いいただけます。※参加無料

【日本茶の飲み比べ】

京都・宇治の厳選された茶葉を急須で淹れた、日本茶専門店こだわりのほうじ茶や煎茶に加え、濃厚な抹茶ラテや黒蜜ほうじ茶ラテ、水出し緑茶など、奥深い日本茶の魅力を味わうことができます。

友成空、荒谷翔大など6組の音楽ライブに、よしもとお笑いステージも登場

毎回人気のミュージックエリアでは、荒谷翔大、有元キイチ、大石晴子、大橋ちっぽけ、友成空、mekakushe (50音順)の全6組が出演。さらに今回はスペシャルコンテンツとしてよしもとお笑いステージが登場し、毎年恒例の賞レースでも活躍するダンビラムーチョ、滝音、スクールゾーンの、吉本芸人3組の出演が決定しました。

開催概要

名称:HandMade In Japan Fes’冬(2025) /ハンドメイドインジャパンフェス冬(2025)

日時:2025年 1月18日(土)・19日(日) 11:00~18:00

会場:東京ビッグサイト東5・6ホール

入場料: 

 前売券 1日券:1,300円/両日券:2,000円

 当日券 1日券:1,500円/両日券:2,500円 * 税込。小学生以下、無料

チケット: https://hmj-fes.jp/tickets

公式HP: https://hmj-fes.jp/ 

公式SNSアカウント:

 Instagram: https://www.instagram.com/handmadeinjapanfes/

 X: https://twitter.com/hmjfes

 Threads: https://www.threads.net/@handmadeinjapanfes

 Facebook: https://www.facebook.com/HandmadeInJapan

主催:日本最大のハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」

後援:J-WAVE、TOKYO FM

Creema(クリーマ)とは

Creemaは、創作活動に取り組む全国のクリエイターと生活者が、オンライン上で直接オリジナル作品を売買できるCtoCマーケットプレイスです。「本当にいいものが埋もれてしまうことのない、フェアで新しい巨大経済圏を確立する」ことを目指して、2010年にサービスを開始しました。現在約28万人のクリエイターによる1,800万点以上のオリジナル作品が出品され、その流通総額は約170億円となり、日本最大のハンドメイドマーケットプレイス(※)として市場の拡大を牽引しています。

また、オンライン上だけでなく、東京ビッグサイトでの大規模イベント「ハンドメイドインジャパンフェス < https://hmj-fes.jp/ >」や、音楽とクラフトの野外フェスティバル「Creema YAMABIKO FES< https://www.yamabikofes.jp/ >」の開催など、クリエイターの作品を生活者がリアルの場で購入できる取り組みも推進し、日本のクラフト文化の醸成に力を注いでいます。https://www.creema.jp/ 

※国内ハンドメイドマーケットプレイスサービスにおける流通総額・2023年10月~2024年9月

<会社概要>

商号:株式会社クリーマ

住所:東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル7-8F

代表:代表取締役社長 丸林 耕太郎

資本金:1,081百万円(資本準備金を含む・2024年8月末時点)

社員数:90名 (2024年8月末時点)

事業:クリエイターエンパワーメント事業

・ハンドメイドマーケットプレイス:Creema

・ネットショップ開設サービス:InFRAME

・クラウドファンディング:Creema SPRINGS

・動画レッスンプラットフォーム:FANTIST

・イベント:ハンドメイドインジャパンフェス(東京ビッグサイト)、Creema YAMABIKO FES(長井海の手公園 ソレイユの丘)等

・アライアンス:地方創生、PR支援サービス等

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000249.000018086.html


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィリピン:地域住民の健康と環境を脅かすニッケル採掘

2025-01-10 | 先住民族関連

 

アムネスティー 2025年1月 9日

世界で電気自動車の需要が拡大し、フィリピンではリチウムイオン電池に必要なニッケルの採掘が盛んになる中、先住民族や農村地域の人びとは、数多くの人権侵害にさらされている。

アムネスティは、電気自動車市場の世界的な需要拡大に伴う人権への影響について警鐘を鳴らしている。

ニッケルの採掘が盛んに進められる中、サンバレス州とパラワン州では先住民族の人びととの十分な協議と同意がないまま採掘が進められ、森林破壊、金属汚染、健康問題が起きている。これらの地域で採掘されたニッケルが、大手電気自動車企業のサプライチェーンに組み込まれている可能性が極めて高い。

先住民族や農村地域の人びとは、エネルギー転換のための鉱物資源の需要が急増する中、重い代償を支払っている。これらの地域の住民は、誤った説明や情報不足など重大な問題を抱えた協議プロセスに巻き込まれているだけでなく、採掘事業が引き起こす健康、生計、清潔な水への悪影響を耐え忍ばざるを得ない状況に置かれている。

アムネスティは、サンバレス州サンタクルスとパラワン島の先住民族の先祖伝来の地であるブルックスポイントの2つの地域で調査を実施した。サンタクルスでは4社が採掘事業を進め、ブルックズポイントでは、1社が操業中で、2社が採掘の準備段階にある。

いずれの地域でも、ニッケル採掘が関係する森林破壊や環境破壊により、住民は喘息、咳、呼吸困難、皮膚病、目や喉、肌の疾患などの健康被害を訴えた。また、淡水の水質悪化により漁業や農作物の収穫量が減っているという。

フィリピン政府は、環境汚染の実情を調査し、その結果が出るまでは採掘事業の継続を認めてはならない。また、事業者は事業を進めるにあたり、人権の保護を最優先にする必要がある。

電気自動車企業は、サプライチェーンの透明性の確保なくして、自社の車がフィリピンの人権や環境汚染と無関係だと断定するべきではない。また企業には、フィリピン産のニッケルと現地の環境問題との関連を調査し、その結果とリスク軽減措置を公表する必要がある。

アムネスティは、2023年9月から2024年10月にかけて現地調査を実施し、住民への聞き取り、現地訪問、開発関連の文書や裁判記録を閲覧した。企業側の主張も聞いた。

適正手続きと情報開示の問題

フィリピンの法律と国際法が開発地域の住民の保護を求めているにも関わらず、先住民族や農村地域の住民は、ニッケル採掘による人権や環境への影響についての十分な説明を受けていない。

現地住民に対するこれらの保護措置は、国に対し、採掘事業において地域社会と協議し、先住民族に影響を与える場合には、事前で十分な情報に基づいた自由意志による同意を得ることを求めている。今回の場合、地域住民にニッケル採掘による影響を十分に説明し、意見や不安を聞き、住民の意思を尊重することを意味する。

アムネスティが今回、2つの地域で調査を実施したが、聞き取りをした住民は、採掘による影響を知る上で必要な環境影響評価書などからの情報を得ることができなかったという。

アムネスティが環境への影響評価情報をオンライン上で確認できたのは、7件の事業のうち3件だけだった。開発企業と環境天然資源省に評価情報を求めたが、回答は得られなかった。

聞き取りをした住民によると、採掘に反対する住民は事前協議から外され、協議に参加してもプロジェクトについての不安を口にすると無視や軽視にあったという。住民の1人は、「担当者に見せられた地図はひどく見づらいため、知りたい情報を得られず、どのように対応すればいいかわからなかった」と話した。

ブルックスポイントでは、住民の同意を得る手続き上の問題で住民の間で対立が起きる中、1社は2年以上採掘を続け、もう1社は採掘許可を申請中だ。

自由意思による住民の同意を得るには、住民が企業からの事前の働きかけや強要、脅迫、報復のおそれがない状況にあることが大前提になる。しかし、聞き取りをした住民からは、企業から金品提供があったとの証言があった。

住民の1人は、「住民は金品をちらつかされて採掘に賛成している。会合があれば、採掘賛成派はすぐに案内状を受け取るが、私たちのように採掘の影響を受ける側への招待はない」と話した。

複数の住民は、「住民の自由意思に基づいて同意を得るという手続きは、先住民族の指導者やその意思を排除していて、自己決定権の侵害にあたる」と訴えた。一方、企業側はこれらの住民の主張を否定し、住民の意思に基づく同意の手続きは、規定に従って進めていると反論している。

企業には、自社に関わる人権侵害を特定し、防止するための適正評価を実施し、問題が発生する可能性があれば対応する責任がある。これらの一連の手続きの中で避けられない問題がある場合、企業は先住民族と協議の上、事業を中止すべきだ。

採掘企業、多国籍自動車企業、先進国の消費者の利益のために、フィリピンの先住民族や農村地域の人びとの人権、健康、環境を犠牲にするのは、もうやめるべきだ。

採掘事業が引き起こす潜在的被害に対して、電気自動車業界とバッテリーのサプライチェーン全体で、より高い責任が求められなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2025年1月9日

英語のニュースを読む

Philippines: Nickel mining projects approved despite inadequate consultation and serious risks to communities' health and environment

https://www.amnesty.or.jp/news/2025/0109_10557.html


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『TBSドキュメンタリー映画祭』第5回めの開催が決定。東京・名古屋・大阪・京都・福岡・札幌の6都市で

2025-01-10 | 先住民族関連

 

ぴあ 25/1/9(木) 11:00

『TBSドキュメンタリー映画祭』が、2025年も3月14日(金) より東京・名古屋・大阪・京都・福岡・札幌の全国6都市で順次開催されることが決定した。

本映画祭では、社会問題や多様な生き方をテーマにした作品から、アーティストに密着したものまで、多彩なラインナップをお届けする。第5回を迎える今年は、現代を取り巻く重要な社会問題を考える「ソーシャル・セレクション」の厳選5作品と、戦後80年という節目の年である本年だからこそ観るべきドキュメンタリーを特別上映する「戦後80年企画」から3作品が上映される。

例年注目を集め活発な議論を巻き起こす「ソーシャル・セレクション」からは、南米アマゾンで先住民族の子どもたちに脳の異常や身体の麻痺などの健康被害が多発する、知られざる実態を明らかにする萩原豊監督『埋もれる叫び~南米アマゾンで広がる子ども達の異変~』。取り壊された「群馬の森」にたたずむ追悼碑を通して日本社会の変化を見る、三宅美歌・日下部正樹監督『あの日、群馬の森で -追悼碑はなぜ取り壊されたのか-』。クマの被害、ハンターの制約、政治の不透明さなど、クマ対策のヒントを追った幾島奈央監督『劇場版 クマと民主主義』。悪名高い国営諫早湾干拓事業は誰を幸せにしたのか、その実態に迫る里山千恵美監督『誰のための公共事業~ギロチンが宝の海を壊した~』。労働組合員が“ストライキして逮捕”されるという、知られざる戦後最大規模の「労働事件」の真相に迫る伊佐治整ディレクター『労組と弾圧』を上映。

さらに「戦後80年企画」では、1951年、20歳のときに米軍の兵士と結婚したことで“戦争花嫁”と呼ばれ、激動の時代を生きた女性の人生を当時の世相と共に描いた意欲作、川嶋龍太郎監督『War Bride 91歳の戦争花嫁』。第2次大戦後、米軍統治下の沖縄で米軍に「NO」と叫び続け、弾圧を恐れず民衆と共に闘い抜いた政治家・瀬長亀次郎を描いた佐古忠彦監督『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』。1945年の福岡大空襲で母を失った翌日、自ら志願してB29搭乗員の処刑に加わり4人を手にかけたためにBC級戦犯とされ、東京・豊島区にあったスガモプリズンに収監、絞首刑の判決を受けた冬至堅太郎に迫った1作、大村由紀子監督『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』が上映される。

<「ソーシャル・セレクション」LINE UP>
『埋もれる叫び~南米アマゾンで広がる子ども達の異変~』

監督:萩原豊
(C)TBS

世界最大の熱帯雨林、南米アマゾン。取材班は特別な許可を得て先住民地域に入った。そこでは違法伐採や金の違法採掘が急拡大。先住民族の子どもたちの間では、脳の異常や身体の麻痺などの深刻な健康被害が多発している。日本の水俣病と酷似し、「アマゾンの水俣病」と呼ばれ始めた。原因は金の採掘で使用される水銀の可能性が高いとみて、現地の医師らは危機を訴える。アマゾンの奥地で静かに進む、知られざる実態を明らかにする。

『埋もれる叫び~南米アマゾンで広がる子ども達の異変~』予告編

https://www.youtube.com/watch?v=-3JZB3JYjV4

『あの日、群馬の森で -追悼碑はなぜ取り壊されたのか-』

監督:三宅美歌、日下部正樹
(C)TBS

取り壊された「群馬の森」にたたずむ追悼碑。それは戦時中、日本で過酷な労働を強いられた朝鮮人労働者を悼む碑だった。20年前、碑の設置を許可した群馬県はいまや碑の存在が「著しく公益に反する」という。その背景に浮かび上がったのは、負の歴史を“なかったことにしたい人々”の執拗な抗議運動だった。全国に広がる歴史修正の動き。碑はなぜ建てられ、そして取り壊されたのか。ひとつの追悼碑を通して日本社会の変化を見る。

『あの日、群馬の森で -追悼碑はなぜ取り壊されたのか-』予告編

https://www.youtube.com/watch?v=zgmkVKtz10E

『劇場版 クマと民主主義』

監督:幾島奈央
(C)HBC

夕食後、外でガラスが割れる音が響いた。窓を覗くと、黒い影が見えた。ヒグマだ。「家に入ってくるかもしれない……」そんな恐怖の夜が、2カ月も続いた。やっと解決したかに思えたとき、今度は住民が頼ってきたハンターたちの姿が突然消えた。クマの被害、ハンターの制約、政治の不透明さ。7年前、北海道の小さな村が直面した課題は、今や全国に広がっている。村が歩んできた道のりに、クマ対策のヒントがあった。

『劇場版 クマと民主主義』予告編

https://www.youtube.com/watch?v=Cm16tL-BAgU

『誰のための公共事業~ギロチンが宝の海を壊した~』

監督:里山千恵美
(C)RKB

悪名高い「ギロチン」国営諫早湾干拓事業。かつて「宝の海」と呼ばれた有明海はすっかりその姿を変え、漁業が深刻な打撃を受けた。漁業者たちは「諫干」こそが原因であると、潮受け堤防排水門の「開門」を求め続けているが、国はこれに抵抗し、またかつて「開門」判決を出した司法も「非開門」に転じている。追い込まれていく漁業者たち。巨大公共事業は誰を幸せにしたのか。

『誰のための公共事業~ギロチンが宝の海を壊した~』予告編

https://www.youtube.com/watch?v=MIWlTItYE8I

『労組と弾圧』

ディレクター:伊佐治整
(C)MBS

労働組合員が“ストライキして逮捕”された。ミキサー運転手の労働組合「連帯労組関西地区生コン支部」、通称「関生(カンナマ)」を狙った事件だ。滋賀、大阪、京都、和歌山、各府県警が連携するかのように次々逮捕していく。労働三権は憲法が保障する基本的人権であるが、メディアはほとんど報じようとしない。「ストとはいえ過激すぎ」「幹部が反社会勢力とつながっている」……知られざる戦後最大規模の「労働事件」の真相に迫る。

『労組と弾圧』予告編

https://www.youtube.com/watch?v=2SPIQdL46bQ

「戦後80年企画」LINE UP>
『War Bride 91 歳の戦争花嫁』

監督:川嶋龍太郎
(C)TBS

桂子ハーン、91歳(撮影時)。彼女は1951年、20歳の時に米軍の兵士と結婚し、海を渡った。「戦争花嫁」とよばれ、激動の時代を生きた桂子の人生・生き様・家族・苦悩・日常を、当時の世相と共に描いた意欲作。戦後たった5年、米兵と歩いているだけで娼婦と言われる時代に、「何故桂子は敵国の軍人と結婚をしたのか?」そこにあった幸せとは ──。これは【真実の愛の物語】である。2025年、戦後80年を迎える今夏に舞台化が決定。

『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』

監督:佐古忠彦
(C)TBS

第2次大戦後、米軍統治下の沖縄で、米軍に「NO」と叫び続けた政治家・瀬長亀次郎。弾圧を恐れず民衆と共に闘い抜いたその姿は「不屈」の象徴だった。米軍の策略にも屈せず、那覇市長や国会議員として立場を変えながら信念を貫いた亀次郎。本作では、稲嶺元沖縄県知事や家族の証言、未公開映像を交え、その生涯を描く。沖縄戦から始まる基地問題や、戦後沖縄の原点に迫るドキュメンタリー。追加取材と再編集を経て、テレビの名作がスクリーンによみがえる。

『巣鴨日記 あるBC級戦犯の生涯』

監督:大村由紀子
(C)RKB

1945年6月、西部軍主計中尉だった冬至堅太郎は、福岡大空襲で母を失った翌日、自ら志願してB29搭乗員の処刑に加わり、4人を手にかけた。敗戦後、BC級戦犯として東京・豊島区にあったスガモプリズンに収監され、その日から日記をつけ始める。死刑を覚悟していた堅太郎は内省的に自分に向き合い、「処刑した米兵にも家族が居たはず」という妻の言葉を重く受け止める。2年後、彼に宣告されたのは絞首刑だった。

<イベント情報>
『TBSドキュメンタリー映画祭』

3月14日(金)〜4月3日(木) 東京・ヒューマントラストシネマ渋谷
3月28日(金)〜4月10日(木) 大阪・テアトル梅田
3月28日(金)〜4月10日(木) 愛知・名古屋センチュリーシネマ
3月28日(金)〜4月10日(木) 京都・アップリンク京都
3月28日(金)〜4月10日(木) 福岡・キノシネマ天神
4月開催 北海道・シアターキノ

https://lp.p.pia.jp/article/news/409922/index.html?detail=true


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

激戦地アッツ島とキスカ島を物語る日米の沈没船、発見の裏側 第二次大戦で強制移住させられた先住民の孫も同行、北太平洋アリューシャン列島

2025-01-10 | 先住民族関連

 

ナショナルジオグラフィック 2025.01.10

第二次世界大戦中にアラスカのアッツ島沖で撃沈された日本の徴用船「琴平丸」(写真はソナー画像)。考古学チームは今回、琴平丸を含め3隻の沈没船を発見した。(Photograph by East Carolina University/ThayerMahan, Inc./NOAA Ocean Exploration)

 北太平洋のアリューシャン列島の西部にある米アラスカ州のアッツ島とキスカ島は、第二次世界大戦中の激戦地として知られる。2つの島は、真珠湾攻撃から半年後の1942年6月初旬から1年近く、日本軍に占領されたが、アッツ島は1943年5月に米軍とカナダ軍により奪還された。この戦いは「アッツ島の戦い」として知られ、双方合わせて3000人近くが死亡し、数千人が負傷した。その多くは極めて厳しい寒さが原因だったとされている。キスカ島の日本軍も同年7月末までに撤退した。

 海洋考古学者のチームが2024年7月にアッツ島沖を調査したところ、第二次大戦中に沈んだ日米の船3隻を発見した。また、2018年にキスカ島沖で行われた調査では、日本軍の潜水艦や米軍の爆撃機の破片なども見つかっている。

 アリューシャン列島には、何千年も前から先住民ウナンガン(アリュート、アレウトとも)が住んでいる。アッツ島は米国(50州)最西端の地で、キスカ島はアッツ島から東に約300kmのところにある。

 だが現在、アッツ島とキスカ島は無人島となり、米国では「忘れられた戦場」と呼ばれている。消えゆく戦争の痕跡を記録する考古学調査隊のほかには、訪れる人もほぼいなくなった。(参考記事:「アリューシャン列島の無人島探検記」

ギャラリー:第二次大戦の激戦地アッツ島とキスカ島を物語る日米の沈没船 写真5点(写真クリックでギャラリーページへ)

祖先の島での水中探査

 2024年7月、米イーストカロライナ大学の海洋考古学者ジェイソン・ラウプ氏と非営利団体シップス・オブ・ディスカバリーのドミニク・ブッシュ氏が率いるチームが、研究船ノースマン2号に乗ってアッツ島を訪れた。目的は、沈没船や海中に沈んだ遺物の探索だ。

 ウナンガンのカワランギン族の出身で、米アメリカン・インディアン・アーツ研究所の学生であるウォルフガング・トゥティアコフ氏は、文化コーディネーターの1人としてチームに参加した。氏の主な任務は、調査遠征の科学的な発見について、特に部族の歴史の観点から文化的な背景を付け加えることだった。

 トゥティアコフ氏にとってこの航海は、個人的な巡礼の旅でもあった。「初めて島が見えた瞬間は本当に感動的で、文字どおり息をのむようでした。船には20人ほど乗っていましたが、少なくとも5分間は誰も何も言いませんでした」と氏は言う。

 1942年6月3日にアリューシャン列島のアマクナック島のダッチハーバーが日本軍の爆撃を受けた後、米国当局はアッツ島をはじめとする列島の先住民約1000人をアラスカ州南東部の粗末な小屋に移住させた。トゥティアコフ氏の祖父もその1人だった。

 日本軍に占領されたアッツ島では約45人のウナンガンが捕らえられ、捕虜として日本に連行された。終戦まで生き延びられたのは、そのうちの約半数だった。

 アッツ島の戦いが終わっても、ウナンガンの人々が島への帰還を許されることはなかった。その後、米軍が島を基地として利用していたが、やがて去っていき、最後に残った沿岸警備隊の基地も2010年に閉鎖された。また、米軍は島の一部を有毒な化学物質で汚染した。

 アッツ島は現在、米国のナショナル・モニュメントの一部となっており、訪問することは違法ではないが、元住民やその家族が住むことは禁じられている。だからトゥティアコフ氏には、この辺境の島を訪れること自体が重要だった。

「神秘的な魅力がある島でした」と氏は言う。「島は巨大で、山や、ツンドラや、ごつごつした岩だらけの海岸がありました。海岸を埋めつくすように生えている草は、緑色どころかネオングリーンで、ユニコーンが出てきそうな雰囲気でした」

 調査チームはアッツ島周辺の海域を11日間探索した。アリューシャン列島は嵐と強風、雨と霧で悪名高いが、ラウプ氏は、この時は珍しく穏やかな天候に恵まれたと振り返る。

 彼らは最新の水中探査技術を駆使して、アッツ島の周辺海域で戦時中の沈没船3隻を発見し、記録した。そのうちの2隻は、日本軍の駐留部隊に物資を運んでいた日本の徴用船で、1隻は、米軍が島を奪還してから数カ月後に防衛を強化していた時期の米国のケーブル敷設船だとみられる。(参考記事:「真珠湾に沈む戦艦アリゾナ、閉ざされた内部を調査」

ギャラリー:第二次大戦の激戦地アッツ島とキスカ島を物語る日米の沈没船 写真5点(写真クリックでギャラリーページへ)

キスカ島周辺で見つかったもの

 同様の調査は2018年にキスカ島でも実施され、その結果は2024年11月26日付けで学術誌「International Journal of Nautical Archaeology」に論文が発表された。

 調査では、日本海軍の伊号第七潜水艦(1943年6月に米国海軍の駆逐艦から砲撃を受けて大破し、意図的に岩礁に乗り上げた)や甲標的(敵の軍艦を魚雷攻撃するための乗員2名の小型潜水艦)の残骸のほか、キスカ島の日本軍の拠点を攻撃しているときに対空砲火を浴びた米国陸軍航空隊のB-24リベレーター爆撃機の破片なども記録された。(参考記事:「真珠湾攻撃の先陣を切った日本の潜水艇がテキサスにある理由」

 調査チームを率いた米カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋学研究所の海洋考古学者で、論文の筆頭著者であるアンドリュー・ピエトラスカ氏が注目しているのは、伊号第七潜水艦の残骸だ。

 氏はこの残骸について、「日本軍がキスカ島を占領していた間も制空権は米軍が握っていたため、数千人の占領軍のために水上艦で補給を行うことは困難で、潜水艦に頼っていたのだと思います」と語る。

新しい探査ツールが活躍

 どちらの島の探査でも、海底のマッピングと調査に水中ロボットが使われた。(参考記事:「水中考古学の革命フォトグラメトリとその先に見えるもの」

 キスカ島の調査チームは2週間にわたって船上から島の周辺を調査した。また、ソナー機器を搭載した4機の自律型無人潜水機(AUV)も使って主な場所を調べた。研究者たちは、複数の機体を24時間サイクルで連続稼働させることもできるAUVは、従来の曳航式ソナーよりもはるかに広い範囲の海底について詳細な地図を作成できると説明する。

 アッツ島の調査では、研究船につながれた特殊な軽量の遠隔操作型無人探査機(ROV)が、深海からのライブ映像を提供した。ブッシュ氏は、状況によっては、回収後にデータをダウンロードする必要があるAUVよりも、リアルタイムでデータを確認できるROVの方が望ましいと語る。氏は、これからの海洋考古学調査では、両方の技術を使うのが理想的だと話す。

アッツ島の未来

 アッツ島の沈没船については、探査から数カ月たった今でも新たな事実が次々と明らかになっている。記録された大量のデータが、ROVを開発した日本のワールドスキャンプロジェクト社をはじめとするパートナーによって新たに処理されているからだ。

 歴史研究の観点からも、戦時中の日本がアリューシャン列島に侵攻した動機について、新たな説が示唆されている。歴史家たちは従来、アリューシャン列島への侵攻は、その数日前のミッドウェー作戦の陽動作戦だったと見ていた。しかしブッシュ氏は、日本はアッツ島を「不沈空母」と呼び、アリューシャン列島東部やその先の北米本土に対する航空攻撃の基地として利用したがっていたようだと語る。

 トゥティアコフ氏は調査時間の一部を家族の歴史を調べるのに使った。また、環境の危険性を考慮した上で、いつの日かウナンガンがアッツ島に戻って生活できるようになる可能性を見極めようとした。「私たちの目標は島に戻ることです」と氏は言う。「島を再びウナンガンのものにすることができれば、私たちはコミュニティーとして成長できるでしょう」

文=Tom Metcalfe/訳=三枝小夜子

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/122300705/


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ダーチャ・マライーニ著 望月紀子訳「わたしの人生」

2025-01-10 | アイヌ民族関連

 

文藝春秋 2025/01/09

石井 妙子 ノンフィクション作家

愛した日本で強制収容所に送られたイタリア人たち

 書くことを、ずっとためらってきた──。

 1936年生まれ88歳の著者は、これまでイタリア本国で、詩や戯曲、自伝的小説を発表し、日本文学の紹介にも努めてきた。だが、ひとつだけ封印してきた過去が彼女にはあった。

「収容所での恐ろしい経験など話さないで心の片隅に閉じこめておくほうがいいよ、秘密を守ろうとする本能がこうささやく。それでももうひとつの声、あまり説得力はないけれどもっと執拗な声が、話してと急きたてる。話して、思い出して、証言してと」

ダーチャ・マライーニ著 望月紀子訳『わたしの人生』(新潮クレスト・ブックス)2145円(税込)

 父は文化人類学者で9カ国語を話す語学の天才。母はトルストイに傾倒した祖父の血を引く公爵家の娘。そんな両親の間に著者は生まれた。

 父が北海道帝国大学でアイヌ研究をすることになり、2歳で来日し、その後、京都に移り住むと、日本人乳母から毎日、昔話や子守歌、民謡を聞かされて育った。イタリア語よりも先に京都弁を覚え、自分を「日本人」だと信じ込んでいたという。

 四季の移ろいの中で過ぎる日常。俳句を諳んじる金髪の少女はどこに行っても人気者だった。

 しかし、そんな日々が突然、暗転する。日本の同盟国だったイタリアが連合軍に降伏した1943年秋のことだ。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h9197


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウポポイ日帰りツアー 札幌発着、参加者募る【札幌】

2025-01-10 | アイヌ民族関連

 

2025.01.09室蘭民報

 白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)は、札幌発着の日帰りバスツアーを企画している。3月19日までの休園日を除く日に、参加者を募集中だ。

 冬期間でも気軽に来園できるように実施。滞在時間4時間は自由行動とし、シアターや展示室でアイヌの歴史と文化を学び、体験交流ホールで伝統芸能を鑑賞できるほか、体験プログラム、食事、買い物を楽しめる。

 参加料(入場券付き)は大人3000円、高校生2600円、15歳以下は入場料不要で2000円。ツアー前日午後3時まで申し込みでき、1人以上で催行する。申し込みはウポポイホームページにリンクしているJTBウェブサイト、またはQRコードから。

https://hokkaido-nl.jp/article/36682


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする