北海道新聞2024年12月11日 19:20(12月11日 19:21更新)
自身で彫った「飾り柱」の傍らに立つ川村カ子トアイヌ記念館の川村晴道館長
旭川市の私設博物館「川村カ子トアイヌ記念館」の4代目館長、川村晴道さん(25)が、かつて市内の近文地区で盛んだったアイヌ民族の木彫り文化の継承に励んでいる。アイヌ文様を彫刻した木工品や儀式に使う道具を試作しながら、技術習得を目指している。
同館のある近文地区はアイヌ民族のコタンがあり、30年ほど前までは木彫り熊の売店が立ち並ぶ地域だった。
川村さんは、アイヌ文化伝承者だったカ子トさんの孫。父で、先代館長の兼一さんが2021年2月に亡くなり、跡を継ぐ準備を始めた。館長に就任すれば、神に祈りをささげる儀式「カムイノミ」を執り行う機会も多い。儀式用のイナウ(木幣)やイクパスイ(捧酒(ほうしゅ)べら)を「自前で作れるようになりたい」とも考えていた。
兼一さんの葬儀で、かねて親交のあったオホーツク管内津別町在住の木彫家、藤戸幸夫さん(75)と再会。幼少期を近文地区で過ごしていたことから、近文に伝わる技法を教えてほしいと指導を依頼した。
21年夏に刃物の持ち方や研ぎ方といった基本から始め、・・・・・・