恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2023/08/09 国立演芸場(主任:柳家小里ん)その2

2023年08月09日 | 噺とか
同じトリの芝居に2度来ることは殆どなく、
まして、忙しい昨今はこのペースで、
というのはなかなかありません。
前回の国立の小里ん師匠なネタが笠碁で、
出来れば聞いたことのない噺を聞きたい、
という欲求に負けて中4日で国立へ。

寄席で外国人のお客を見たことがないこともないのですが、
今日は複数組の外国人客の姿が。
歌舞伎や演劇ならまだしも、
落語を聴きに来るなんて驚きです。
日本語がそこまで達者ではなさそうで、
仲入りでお帰りになってましたが。

やかん    左ん坊
浮世床    小もん
漫談     ホームランたにし
通信簿    天どん
目黒のさんま 吉窓
−仲入り−
代行彼氏   風柳
金明竹    小せん
奇術     マギー隆司
三人兄弟   小里ん

左ん坊さんは前回に続きですが、
前座とは思えない芸達者ぶり。
聴いていて安定感があります。

小もんさんは連雀亭で拝見して以来。
こちらも安定感がありますね。
浮世床を将棋と本で。

たにしさんは前回とほぼ同じ。
森進一さんのエピソードがありました。

天どん師匠は寄席の定番ネタ。
団体客が入っていたからですかね。
出来れば未聴の新作が良かったですが、
これはこれで。

代演の風柳さんは久しぶり。
真打になってからは初めてかも。
古典と新作、江戸と上方の二刀流。
本名も大谷さんということもあって、
これをマクラにつかみはばっちり。
上方設定な新作は、売れない噺家が、
彼氏の代行役を務める噺。
初めて聴きましたが、笑いどころも多く、
楽しませていただきました。

小せん師匠は金明竹フルバージョン。
流れるような口調はやはり気持ちが良い。
今日はしっかり楽しませてもらいました。

トリの小里ん師匠、兄弟のマクラで始まったので、片棒?と思いましたが、違う。
後に演題を見て、三人兄弟と知ります。
元は上方の噺だそうで、私は未聴。
道楽の過ぎる三兄弟が旦那の勘気を蒙り、
2階住まいで外出を禁止される。
あの手この手で外に出ようとするのは、
干物箱に似ているような噺。
山場は三男坊が吉原を思い描いて、
妄想を繰り広げるあたりでしょうかね。
珍しく自身をネタにしたクスグリも有り。
この噺に出会えただけでも、
今日は足を運んだ甲斐がありました。
柳家の芸ここにあり、といった感じ。
何をもって柳家の芸と言うのか、
そこはご意見あるところでしょうが、
なんとなく使ってみたかったワード。

恐懼謹言。

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2023/08/04 国立演芸場(主任:柳家小里ん)

2023年08月04日 | 噺とか
昨日のワンコインに続き、久々の定席。
古典の世界にどっぷり浸かりつつ、
新作の天どん師匠がいたり、
人気者の桃花師匠がいたり、
なかなか楽しそうな顔付け。
二つ目枠は、小ふねさんや、
ごはんつぶさんもいいなと思いつつ、
実力ある扇太さんに当たりました。
客席もほどほどの入りでゆったりと。

道具屋     左ん坊
ぞろぞろ    扇太
漫談      ホームランたにし
ハーブをやっているだろ! 天どん
短命      吉窓
−仲入り−
悋気の独楽   桃花
弥次郎     小せん
奇術      マギー隆司
笠碁      小里ん

扇太さんのぞろぞろ、演じ方色々ですね。
舞台は茶店のイメージですが、
今回は荒物屋さん。
御神酒をあげにいくのも娘さん。
こういうパターンもあるのですね。

たにしさんの漫談は初めて。
相方勘太郎さんが亡くなったのが一昨年。
1人の漫談スタイルになったものの、
終盤に出てくる思い出話は、
寄席に通い始めてから幾度も見たホームランのことを思い出させてくれました。
出囃子も同じですからね。
1人でも長く続けて欲しいものです。

天どん師匠、寄席で良くかかる新作。
タイトルはよく見かけていましたが、
実は聴くのは初めてのような。
天どん新作にありがちな毒と、
故人間国宝へのイジリ。
古典ネタに詳しいと楽しめますね。
国立でも変わらないトーンはさすが。

桃花師匠は真打昇進してから1年、
披露目以来の国立演芸場だそうで。
最前列は男性陣が陣取っていましたが、
桃花師匠目当てだったのでしょうかね。
相変わらず人気があります。
定吉と女将さんがなんとも憎めないキャラクターでいいですね。

小せん師匠の弥次郎も度々聴いています。
立板に水のごとく、いい淀みのない噺。
こういう時についつい意識が…

トリの小里ん師匠のネタは笠碁でした。
いやー、小里ん師匠の笠碁はよく当たる。
トリだけでなく仲入りも含めると、
5回近く聴いているような。
決してハズレではないのですが、
過去3日、青菜、船徳、大山詣りときて、
夏の噺に何がくるか思っていましたが。
とはいえ小里ん師匠の笠碁は絶品です。
全体25分弱のコンパクトさですが、
強情と我儘の老人の内面が面白く、
そしてコミカルに描かれていました。
ついつい微笑ましくなる、そんな噺。
そんな小里ん師匠のトリネタ、
他にもぜひ聴いてみたいものです。






しかし、暑い最中で日向を歩いてくると、
どういうわけか途中で睡魔に襲われる。
そんな睡魔に負けてゆったりするのも、
寄席での一つの過ごし方かもしれません。

恐懼謹言。
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2023/08/03 連雀亭ワンコイン寄席(遊七鯉舟緑助)

2023年08月03日 | 噺とか

ここのところなかなか足を運べず、
時間を作ってワンコイン寄席。
8月になっても相変わらずマスクの着用が義務化されており、
めっきりマスクをしない生活に戻ってしまってからは、
意識しないとマスクも用意していないことがあり、
ここだけは何とかしてほしいところ。
客席も今日は1ケタということもあり、
客席もかなりまばらだったため、
果たしてこのルール、
どこまで徹底するかという気もしますが、
そこはきちんと従って入館。
 
だくだく  遊七
近日息子  鯉舟
権助提灯  緑助
 
遊七さんは初めてお目にかかります。
年齢40オーバーと触れていましたが、
入門が比較的遅かったのでしょうかね。
8月上席に浅草演芸ホールの、
特別興行「にゅーおいらんず」にも参加されているそうで、
そのあたりの話をあれこれ。
小痴楽・宮治・遊かりの男女4人でどういうわけか、
ガールズバーに行く羽目になって・・・
というマクラから関係ない泥棒の噺へ。
だくだくも久しぶりに聞きましたが、
聞くところでは二つ目さんの中で、
昨今人気のある演目のようで。
寄席の定番の噺だろうと思いますが、
久しぶりでした。
所作も非常に美しく、
聞いていて楽しい一席でした。
 
続く鯉舟さんも初めまして。
痛風の疑いがあるらしく、
正座するのが厳しいようですが、
そこは見台など置かずにそのまま口演。
寄席でおなじみのはずの近日息子ですが、
私は先ほどのだくだく同様、
かなりご無沙汰で、
噺の中盤の言い合いのあたり、
まったく記憶から抜けていました。
緑助さんがあんなに激しく演じる噺?
と振り返っていましたが、同感。
非常に熱のこもった、面白い一席でした。
 
トリは緑助さん。
この人は何度かお目にかかっています。
本日唯一、落語協会の所属で、
8月中席の浅草で行われる、
「住吉踊り」に関してあれこれ。
ゲッターズ飯田さんの占いを見て、
踊りを始めると運気が上がる、
ということをTwitterに書いたら、
その縁で今も住吉踊りに出演することになったそうな。
世の中のご縁、わかりませんね。
私もかつて演芸ホールで朝から夕方まで、
住吉踊り目当てに足を運んだものですが、
最近はとんと浅草にはご無沙汰。
長丁場なのがなかなか・・・。
本題は権助提灯で、
この噺も寄席ではたびたび出会います。
前半はおかみさんやお妾さんとのやり取りをゆったり。
後半は本宅と妾宅を行き来する権助との道中をスピーディーに。
緩急があって、とても楽しい一席でした。
 
比較的軽い噺が3本のワンコイン寄席。
大ネタでなくても、
コンパクトなネタで楽しむのもいいもの。
落語を楽しむ基礎・基本が詰まっていた、
そんな1時間でした。
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2023/07/07 連雀亭昼席

2023年07月07日 | 噺とか
少し時間があって連雀亭昼席へ。
落語協会の比較的ベテランな二つ目さんが多い回でした。

千早ふる   吉緑
紙入れ    らく兵
田能久    馬久
野ざらし   あお馬

吉緑さんは以前は会に足を運んでいましたが、最近はご無沙汰でした。
以前と比べるとかなり落ち着いた印象。
千早ふるをしっかりと。

らく兵さんは前回の連雀亭以来。
どういうわけかネタが被りました。
こういうこともあるんですかね。
とはいえ、前回よりも洗練されたような。
楽しい高座でした。

馬久さんはご無沙汰。
かつての会でお会いしたのは2年近く前。
こちらもかなり落ち着きがあって、
地噺に近い田能久を淀みなく口演。
知った噺ながらワクワクさせられる一席。

あお馬さんも時々お見かけしますが、
今回もご無沙汰。
上半期を振り返ってWBCに関するマクラ。
決勝戦前の大谷翔平のセリフ、
「憧れるのをやめましょう」
を使ってみたが失敗するエピソードから、
付け焼き刃は禿げやすい、の流れ。
とはいえ子ほめではなく、野ざらし。
マクラたっぷりだったので、
本編は短めでしたが熱演でした。
もともと楽しい噺ですが、
あお馬さんの熱演が光ってより楽しい一席に仕上がっておりました。

とても良い顔付けながら客席は少数。
平日ですからこんなもんでしょうが、
それでも楽しい贅沢な空間でした。
マスク着用とアクリル板の撤去が今後の課題ですかねぇ…

恐懼謹言。
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2023/07/04 四の日昼席

2023年07月04日 | 噺とか
6月はまるまる落語を聞けず、
久しぶりに足を運んだのが四の日昼席。
相変わらずの盛況ぶりでほぼ満席でした。
悔やむべくは最近の値上がりで、
2000円が2500円になったこと。
少し割高感がありますが、
出演者を見ると納得かなぁと。

鮑のし        文菊
初音の鼓       やまと
厩火事        馬石
−仲入り−
ひろしのおっかけ音頭 駒治
井戸の茶碗      左橋

開口一番は文菊師匠。
奥様から「執着を捨てなさい」と言われ、
冷蔵庫に入ったオレンジジュースを飲んでいるだけでもあれこれ言われるそうな。
家庭での生活がまるで修業のようだ、と。
文菊師匠の奥さんのエピソード初聴。
そんな話題から鮑のしへ。
後半戦までたっぷりの一席でした。

続くやまと師匠は念願の映画出演が決まったエピソード。
この日の折り込みにも宣伝が入っておりました。
修業している長唄の稽古の話から、
初音の鼓へ。この噺もそこまでたくさん聴くわけでもなく、嬉しいですね。
楽しい一席でした。

仲入り前は馬石師匠の厩火事。
なんとなくゆったり、のんびりと、
そして馬石師匠のとぼけた調子がマッチする一席。

仲入りの後は新作の駒治師匠。
偶然、一年前の四の日昼席で、
ネタ下ろしに近いこの噺を聴きました。
あれから一年、細部は記憶にないものの、
テンポといいくすぐりといい、
笑いの多い一席になっておりました。

トリは左橋師匠で井戸の茶碗。
少し聞き飽きた感のあるこの噺、
前半部分は少し休憩しながら聴かせてもらいました。
中盤から後半にかけては独自のくすぐりも多く入って楽しく聴かせてもらいました。

こういう井戸の茶碗なんかを聴くと、
巣鴨地蔵通りで行われている縁日で並べられている骨董品に目がいきますね。
別に何か買うわけでもないのですが、
なんとなく並べられたよくわからない品物を見ながら巣鴨駅までの道すがら、
ゆったりとした気持ちになりました。
梅雨明けしないながらも炎暑の一日。
夏もすぐそこですね。

恐懼謹言。

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2023/05/31連雀亭昼席

2023年05月31日 | 噺とか
今月2度目の連雀亭。
前回は講談きゃたぴらでしたが、
今回は全て落語です。
落語協会から2人、芸協と立川流からそれぞれ1人ずつという顔付です。
平日ということもあり客数は5人。
ゆったりしていていいのですが、
相変わらずのパーティションとマスク着用はそろそろ見直してもいいような。

子ほめ     一刀
かくやのこうこ 今いち
紙入れ     らく兵
妾馬      文吾

一刀さん、久しぶりです。
柳朝師匠のブログに目つきの悪い三谷幸喜などと書かれていましたが、
メガネかけるとそんな感じでしょうね。

Facebookの想い出から📸 | 総領の甚六【春風亭柳朝No.6のオフィシャルブログ】

Facebookの想い出から📸6年前だそうな。📸前座の頃の春風亭朝太郎さん。三増れ紋チャンは元気かなぁ~❓若いな…俺❓ &...

総領の甚六【春風亭柳朝No.6のオフィシャルブログ】

 
噺は定番の子ほめをたっぷりと。
食傷気味でもある前座噺なこともあり、
ちょっとゆっくりしながら拝聴しました。

続く今いちさん。新作のイメージもありますが、この日は「かくやのこうこ」。
初めて聴く演題ですが、調べると、
「酢豆腐」の前半部分なんですね。
chat GPTで新作落語を作らせてみるマクラなども面白く聴かせて頂きました。

立川らく兵さんは、はじめまして。
見た目が日本兵に似ているということで、
兵の字が入っているそうな。
本題は紙入れで、独自のくすぐりなどもあって、会場はよく笑っていました。
女将さん宅での回想シーンはオリジナルでしょうかね、楽しく聞かせて頂きました。

トリの文吾さん、以前も連雀亭のトリを聴きに来たことがありました。
身分制度のマクラから入って妾馬へ。
笑いあり涙ありの変化に富んだ噺を、
とてもよく演じられていて、
噺に引き込まれました。
この日の間違いなくナンバーワンで、
この噺を聴けただけでも来た甲斐があったというものです。

梅雨入りが間近な日々、
疲れがついつい溜まりがちですが、
落語を聞いて少しリフレッシュ。

恐懼謹言。
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2023/05/19 連雀亭講談きゃたぴら

2023年05月19日 | 噺とか
少し時間ができて連雀亭へ。
落語を、とも思いましたが、
今日は講談中心の日でした。
間に浪曲もあるそんな顔付け。
全員が女流の方ということもあり、
客席はかなりの盛況でした。
なお、連雀亭は客席でのマスク着用必須。
世の中が脱マスクになっていますが、
その狭さゆえでしょうかね。
カバンの中にマスクがあってセーフ。

駕籠幽霊    紅佳
身代わり音頭  小そめ
木村重成の最期 いちか

駕籠幽霊は葛飾北斎のストーリー。
調べてみると青空文庫にもあるんですね。
世界観にどっぷり浸らせてもらいました。

小そめさんは浪曲。浪曲自体久しぶり。
というか、そこまで頻繁に聴いておらず、
いつも新鮮な気持ちで。
身代わりで殺された男のために、
木曽路を下って男の代わりに子の父の代わりをするという、
二重の意味での身代わりの話。
落語とも講談とも違う演芸、いいですね。

トリのいちかさん。
名前は各所で伺っていますが、
聴くのは初めてかも。
大坂の陣を題材にした難波戦記から、
木村重成のエピソード。
歴史好きながらこの人物を知らず。
青柳との色恋と別れ、
そしてそれらを解する家康のエピソード。
今年の大河ドラマの主人公でもあります。
いちかさんの人気の一端を知ることのできる一席でした。

馴染みのない講談や浪曲に親しむ機会もいいものですね。
終演後、演題が掲示されておらず、
ネットでアップされている情報を参考にさせていただきました。
待ってたら掲示されたんですね。

コンパクトに楽しい時間を過ごしました。

恐懼謹言。
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いなせ家半七師匠の訃報

2023年05月16日 | 噺とか
ネットで、いなせ家半七師匠の訃報が目に入りました。


普段はあまりこういう記事は書かないのですが、思い出を少々。

とても贔屓の芸人さんであるとか、
多くの高座に触れたわけでもありません。
記録と記憶に残っているのはただ一度。
2019年1月の黒門亭でした。
トップ画像はその時のもの。


改めて記事を読み返すと、
ネタは天狗裁きだったようで、
特に珍しい噺でもありません。

ただ、なぜ今回記事にしようかと思ったのかというと、
この時の高座がとても印象に残っているのです。
天狗裁きの一席が終わったのち、
最前列で聴いていた私に目を向け、
おもむろに使っていた扇子をストンと落として、私に「差し上げます。」と。
一瞬、意味が分からず固まった私ですが、
意味がわかると一言感謝の言葉を添えて、
その扇子をいただきました。

黒門亭の狭い客先ですので、
その様子は全ての客に知られることに。
トリの彦いち師匠のあとで、
黒門亭の常連客数人が私のもとに集まり、
「誰の扇子?!」と興味津々。
今まで会話なんてしたことない方々でしたが。
小朝一門ということもあり、まさか、
ということだったようですが、
実際のところは芸協の披露目の扇子。

私からすればそんなことはどうでも良く、
目の前で落語を演じていた噺家さんから、
今の今まで使っていた扇子を戴くなど、
後にも先にもないことなので、
とても感激した記憶が今でもありありと思い出されるのです。
当時は特定されるかなと思って、
上記の記事では言及しませんでしたが、
今回の訃報に接し、書き留めたものです。

もとは先代柳朝一門で、
師匠没後は小朝一門に入られたようで、
政治家を目指したり、
各地の温泉を巡ったり、
多彩な人物だったようです。
小朝師匠もこのことをブログに書かれています。


身近で接していただけあり、
愛に溢れた文章だと思います。
4月中席まで小朝師匠の芝居に出演していたんですね。
鈴本に半七師匠の名前があったことは確かに記憶しています。
小朝師匠との繋がりあってのことでしょうね。
2019年に私が足を運んだ黒門亭でも、
トリの彦いち師匠が半七師匠のエピソードを話されていました。

寄席ではあまりお目にかからない、
そんな噺家さんではありますが、
私の記憶に残る噺家さんでした。
ただ、モノをもらったからとかそんな話じゃなくて、
高座の落語や立ち居振る舞いから、
その温かい人柄の一端に触れたような気がしたからです。

謹んでご冥福をお祈りします。

恐懼謹言
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2023/05/02 お江戸日本橋亭さよなら公演 扇蔵・馬桜二人会

2023年05月02日 | 噺とか
世間はいよいよゴールデンウィーク。
コロナも収まりを見せ、
人の動きもいよいよ活発になりました。
ふと時間が空いたところで寄席でも、
と思いましたが動き出しが遅く、
15時開演の日本橋亭へ出かけます。
なんでも今年で取り壊しなんだそうで、
会の名称もそれに因んだもの。
コロナ禍でめっきり訪れていませんで、
私は実に3年半ぶりの来訪になりました。
最前列の座椅子がなくなり、全て椅子席。
会場も盛況でありました。

洒落番頭 たたみ
天災   扇蔵
明烏   馬桜
−仲入り−
人参代  馬桜
試し酒  扇蔵

開口一番は三平門下のたたみさん。
前座ながら洒落番頭って珍しいですかね。
こういう会で試してみるという感じかな。
どうしても師匠にネガティブなイメージが付きまとうのですが、
会場の笑いをとっておりました。

以降ネタ出し。扇蔵師匠は天災でした。
この噺、好きなのですがなかなか生で聴く機会もなく、楽しみにしておりました。
聞けば東日本大震災などの災害があり、
なかなかかける機会がなかったそうです。
期待通りの面白さでした。

馬桜師匠の一席目は明烏。
寄席のトリネタなど廓噺の定番ですね。
何度も聞いていますが、
志ん朝師匠から稽古を受けたという、
馬桜師匠の明烏は聴き応えたっぷり。
吉原の情景描写も丁寧で、
新たな発見があったように思います。

仲入り後は馬桜師匠の2席目。
過去の病歴のマクラから本題へ。
人参代という初めて聞く噺でした。
高麗人参を題材にとったストーリー。
初めてなので注意深く聴いていないと、
サゲの部分で若干消化不良に。
解説を改めて見て、なるほど、と。
もう一度チャレンジしてみたいものです。

最後は扇蔵師匠の試し酒。
今まで聞いてきて経験上、
途中でどうしてもだれてしまう、
そんなイメージがあるのですが、
改めて注意深く聴いていると、
様々な演出方法があるのだなと感じます。
最後まで楽しい一席でした。

終わった後にはフォトタイム。
最近の流行に合わせて馬桜師匠の会ではたびたびやっているそうです。
オープニングトークならぬ、
エンディングトークをしつつ撮影タイム。





久しぶりのお江戸日本橋亭でしたが、
濃厚な楽しい時間でした。
取り壊し前にここに来るのは最後かな?
リニューアルを気長に待ちたいものです。

今日から謹言。


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2023/04/04 四の日昼席@スタジオフォー

2023年04月04日 | 噺とか
久しぶりの四の日昼席です。
うまく仕事との調整がつけば、
是非とも足を運びたい落語会です。
コロナも収まりつつあり、
陽気もいいこともあってか大入りの満員。
もう少し遅いと座れなかったかも。
池袋の龍玉師匠のトリと迷いましたが、
こちらも大満足でした。

権助魚      左橋
ヒーローズライフ 駒治
安兵衛狐     馬石
−仲入り−
風呂敷      文菊
叩き蟹      やまと

左橋師匠はWBCの話題から権助魚。
軽い話ではありますが、
左橋師匠の演じるとぼけた権助が面白く、
楽しく聴かせていただきました。

続く駒治師匠は旅で熊本や鹿児島を巡ったエピソードから、戦隊モノの新作。
暴力戦隊ハラスメンツという、
なんともギリギリなネーミングセンスのヒーロー戦隊が登場。
華やかな戦闘とは裏腹に、
ヒーローにも家庭はあるし、
戦いの際の経費や被害弁済もある。
駒治師匠らしい新作でありました。

馬石師匠は最近コインケース?を落としたエピソードから繋がって安兵衛狐。
この噺も普段はあまり出会わないため、
こうやって聴けるのは嬉しい限り。
マクラとの繋がりの部分では場内が大いに湧きました。
池袋に足を運んでも馬石師匠には出会えたでしょうが、こちらで正解。

仲入り後に文菊師匠。
こちらもあまりお目にかからない風呂敷。
終盤に向かって行くあたりの、
ドタバタシーンが何とも面白いですね。
寄席ではどちらかというと定番ネタの多いイメージの文菊師匠ですが、
こういう噺に出会えたのは嬉しいですね。

トリのやまと師匠。
初めて聴く、叩き蟹という噺。
マクラでは魂を込める、というところから入ったので、
左甚五郎の「ねずみ」かと思いましたが。
ちなみに、マクラでは魂を込めない噺家として小三太師匠のエピソードを。
ディスっているようですが、
これはこれでいいのかなぁと。
で、本題の叩き蟹。
人情噺ではないのかもしれませんが、
笑いありほろっとくるところもあり、
45分ほど集中して聴いてしまいました。
まだまだ知らない噺がたくさんあります。
今日の収穫の一つでありました。

1時から3時半までの2時間半、
池袋に比べるとコンパクトですが、
それでもかなり濃密な時間でありました。
毎回期待を裏切らない四の日昼席です。

恐懼謹言。


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