恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

10/23(日) 末廣亭 三遊亭白鳥「三題噺」

2016年10月23日 | 噺とか
目当ては夜の部・白鳥師匠の「三題噺」です。
17:45ごろにお題取りをして、
20:30ごろからのトリの時間までに新作を仕上げるという趣向。
夜の部の中入り以降は個人的に魅力的すぎる、ということで行ってきました。
一眼レフのデジカメの修理の都合もあり、12時ちょい過ぎから夜の部のトリまで。

【昼の部】
馬 久「ざる屋」
丸山おさむ「漫談」
龍 馬「町内の若い衆」
世之介「辰巳の辻占」
世津子「奇術」
栄 枝「蜀山人」
勢 朝「いつもの」
こいる「漫談」
はん治「妻の旅行」
馬 楽「替り目」
ペ ー「漫談」
左 楽「悋気の火の玉」
-仲入り-
こみち「反対俥」
笑 組「漫才」
左 橋「粗忽の釘」
志ん弥「浮世床」
仙三郎社中「太神楽」
伯 楽「火焔太鼓」

【夜の部】
寿 伴「たらちね」
たん丈「老人前座じじ太郎」
歌 奴「宮戸川」
ひびきわたる「漫談」
丈 二「1パーミルの恋人」
彦いち「みんな知ってる」
吉 窓「本膳」
紫 文「俗曲」
小里ん「碁泥」
小燕枝「千早ふる」
-仲入り-
天どん「老後が心配」
にゃん子・金魚「漫才」
百 栄「ホームランの約束」
小ゑん「模様替え」
正 楽「紙切り(山登り・白鳥・猿蟹合戦)」
白 鳥「三題噺(新潟県・おっとっと・亀の子たわし)」

・昼の部と夜の部ではトリの関係もあり雰囲気がかなり違う。

・夜の部の白鳥師匠「三題噺」企画があると知らずに入ってきたお客さんが約半数。
 たしかに、私もついこないだ知ったというわけで。
 古典を聞く目的だったり、初めて寄席に来たという人にしては異色でしょうね。

・丈二師匠の話ののち、白鳥師匠も出て三題噺のお題取り。
 挙手していたら指名され、回答する。 
 言おうとしていたネタが前日に出ており、思い付きで言ったネタが採用されるとは・・・
 ボツになった中にもおもしろそうなものがたくさん。
 少し罪悪感・・・

・天どん師匠は先週の独演会と同じネタ。こういうこともある。

・正楽師匠のはさみ試しは相合傘の秋バージョン。
 紅葉を手にしています。

・で、トリネタは「新潟県・おっとっと・亀の子たわし」
 あらすじを以下に。

数年にわたる東京での仕事を終え、地元の新潟県に帰ることになった孝太郎。
孝太郎は地元・新潟県上越市でも有数の大企業である大島グループの御曹司なのである。
大島グループは上越市の経済を握る大企業であり、
父であり社長の大島誠二は、上越市では「天皇」とも呼ばれる権力をもつ企業の社長。
帰郷後、孝太郎は地元上越市仲町にあるスナックおっとっとに立ち寄る。
すると、個性的なママのほか、従業員でフィリピンから来たマリアという女性と出会う。
マリアは日本に来て看護師として働く傍ら、
フィリピンで恵まれない人のために医療に携わることを志していて、
資金を稼ぐためにスナックで働いているのだという。
その崇高な目標に心動かされた孝太郎は、その後も何度となくスナックおっとっとを訪れる。
経営状態の良くないおっとっとでは、ガスも止められてしまっていて、
マリアは冷たい水で皿洗いを行う日々。
見かねた孝太郎は亀の子たわしをマリアに贈る。
亀の子たわしなど見たことのないマリアはたわしを大事にすると約束。

しかし、そんなスナックに入り浸る息子に対し、父の誠二がそれを見とがめ、
マリアと孝太郎との引き離しを行う。反発した孝太郎との喧嘩、そして勘当。
孝太郎は無一文となり、酒浸りになる毎日。
ある日、マリアは不遇な孝太郎を見て父との和解のため、
父・誠二のもとを訪れるが、門前払い。
季節は冬、雪の降りしきる中、マリアは雪に埋もれてこん睡状態。
慌てて駆け付けた孝太郎は冷たくなったマリアを抱きかかえ、
マリアの懐にしまわれていた亀の子たわしで体をさすり、体を温める。
そのおかげもあって無事に目を覚ましたマリア。
酒浸りになった孝太郎は我が身を恥じ、懸命に仕事に打ち込むことを約束。
そして、きちんとした暁にマリアと結婚することを告げた。

数年後、社長の座に就いた孝太郎は約束通りマリアを迎えに行くため、
久しぶりに「おっとっと」へ。
すると、マリアの姿はそこにはなく・・・


文章に起こすとなんてことはないのですが、
わずか2時間ぐらいでここまで完成度の高い新作ができるとは。
改めて白鳥師匠の技量に感動しました。
そして、なんとなく「亀の子たわし」といった私のお題が採用されるも、
話のキーを握るものになったことに安心と感謝。

恐懼謹言。
コメント
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