久しぶりの連雀亭です。
連日の感染者が3万人を超え、
人の密集する場所への出入りが躊躇われら今日この頃ではありますが、
連雀亭のワンコインなら少人数、かつ、
短時間でいいだろうと足を運びました。
予想が的中してこの日の客は4人。
感染対策としては喜ばしいものの、
演者としては微妙な気持ちでしょうね。
「黄金の大黒」 晴太
「ラブレター」 市寿
「死ぬほど律儀」 花飛
一席目は春雨や晴太さん。
この日は代演ということで、
本来の出番は三遊亭仁馬さん。
お名前は「はれた」さんというのですね。
どちらも初めての方なので、
関係ないと言えば関係ないのですが、
晴太さんで当たりだったかな。
この日唯一の古典で、「黄金の大黒」を途中で切らずに最後まで。
芸協の演じ方だからなのか、普段はあまり聞かないくすぐりなどもあり、
面白く聴かせてもらいました。
なかなか技巧者だなーという第一印象。
続いて市寿さん。
前に出た晴太さんがメガネをかけていることから、自身のメガネトーク。
普段は目が悪く、基本的にはメガネ着用。
コンタクトも体質に合わないので、
高座の際は裸眼なのだそうですが、
この日は試しに、客席に意見を聞き、
メガネをかけて演じることに。
高座でメガネをかける噺家について触れ、
円丈師匠や円蔵師匠などの例をあれこれ。
そんな流れから入って、比較的古い新作「ラブレター」へ。
柳家かゑるさんから教わったそうで、
そのかゑるさんは故喜多八師匠から教わった噺だそうな。
なるほど、確かに時代を感じる「新作」かもしれませんね。
かつては新作は芸協というような時代もあったのですかね。
ところが三遊亭円丈師匠の登場以来、
新作落語の概念も大きく変わったと、
聞き齧った程度の知識で認識しています。
演じている市寿さん、色々と自分なりに工夫はされているんでしょうね。
短いながら楽しく聴かせてもらいました。
トリは花飛さん。先日の黒門亭以来。
別に狙っているわけではないのですが、
こんなこともあるもんです。
先に出たかゑるさんの話をいくつか。
経験上、絶対に仲良くならないタイプの人なのに、なぜか仲が良い。
仲良くする秘訣は相手に期待しないこと、
だそうですね。
どうしても古典のイメージの強い方ですが、この日はまさかの新作。
演題で調べてみると、最近よく演じられているようですね。
現代を舞台に、やたらと律儀な会社の同僚?部下?が訪ねてくるところから。
予期せず新作が続いてしまいましたが、
全くタイプの違う新作なので、
疲れることもなく、いい意味で力を抜いて聴くことができました。
柳家花緑一門で新作というと、
花いちさんのイメージが強いんですが、
恐るべし花緑一門。
少人数で短時間ながら、
面白い発見のたくさんあった連雀亭。
良い時間を過ごすことができました。
恐懼謹言。