恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

2022/10/03 連雀亭昼席(主任:入船亭遊京)

2022年10月03日 | 噺とか
9月は落語を聞こうにもなかなか多忙で、
唯一のチャンスも子供の発熱とともに、
国立演芸場に行く予定があったものの、
脆くも消え去ってしまった経緯があり、
今日は久々に落語を聴きに行くことができました。
この日は産経収録とのことで、
会場には撮影機材がありました。
会場内の客数は片手ほど。




「力が欲しいか」  志ら鈴
「壺算」      鷹治
「英会話」     今いち
「御神酒徳利」   遊京

志らく門下の女流、志ら鈴さんがサラ口。
オンライン配信があることにふれつつ、
コロナ禍の噺家の生活についてあれこれ。
立川流の落語を聞く機会は少ないものの、
此方でも新作をやる人がいるんですね。
母と子の会話から始まって、
害虫を駆除する益虫の蜘蛛について。
蜘蛛を助けた母の元に、
姿を変えた蜘蛛が現れ、
話は展開していくのですが、
前日までのハードワークが祟り、
所々意識が飛んでしまい、
細部まで思い出すのは困難ながら、
今ひとつパンチが足りないというか。
どうしても普段聞く落語協会贔屓になってしまうのですが、
寄席で鍛えられる環境にあるか否か、
そんなことも関係するのかなと思ったり。

続いて、文治門下の鷹治さん。
古典の「壺算」に入ります。
おおむねオーソドックスな形ながら、
終盤ではオリジナル?というような、
聴き馴染みのない展開でした。
瀬戸物屋の子供が出てきたり、
下げのところも通常のものとは違ったり。
元々は上方の話ですから、
いろんな形に派生してもよさそうですが。
ここまでどうも眠気に負けそうになる。

続いては、今いちさん。
この方も新作派の方で、
随分前に一度聴いたことがあります。
例によって新作をやると宣言しつつも、
昭和の頃に作られた新作で、
新作というには古く、
古典というには新しすぎる。
そんな微妙な古さの新作は「英会話」。
これは初めて聴いたかも。
なるほど、たしかに聴いていると、
設定から中身まで微妙な古さ。
笑うポイントもおそらく。
よく新作落語を語る上では、
円丈師匠の力が大きいわけですが、
完全にそれ以前の新作、でしょうかね。
これをあえてやろうとする今いちさん。
なかなか面白い感性です。

トリは遊京さん。
この方はたびたび拝見しています。
このトリの一席があって改めて、
今日は連雀亭に来てよかったな、
と思わせてくれる、そんな一席でした。
「御神酒徳利」は私にとってそこまで聴き馴染みのあるネタでもなく、
冒頭でこの噺とわかり、嬉しくなります。
ストーリーの大筋はわかっていても、
この後どうなる?といったように、
ついつい引き込まれてしまいました。
大坂から江戸までの言い立ても淀みなく、
心地よく楽しませてくれる、
そんなトリネタでした。
この噺も下げはいくつかのパターンがあるようですね。

ワンコインでは聴けないトリネタがしっかりと聴けるのは昼席のいいところ。
木戸銭は倍ながらも、その価値はあり。
楽しい時間を過ごさせていただきました。

恐懼謹言。


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