家の柿の木は植えてから50年過ぎた。
50年前は柿の実の消費も多かったから稔りが待ち遠しかったが今は微々たるものだ。
50年の歳月は長い。その後家族数も減っているし 嗜好も変わっている。
大きくなりすぎた樹は三分の一くらいに切り詰めたが それでも食べきれない。
熊を呼び寄せる原因のひとつだから早く収穫するように・・・との呼びかけもあるんだが。
落ちた熟柿を拾って食べると 子供の頃の味を思い出す楽しみもあるし
小春日和には熟柿目当てに集まる虫たちを観察するのも面白い。
半世紀手入れして育てた樹を根元から切り倒すのは忍びない。
先月 山沿いの某集落の神社を訪ねる機会があった。
その時 神社入口の民家の裏庭に立つ 柿の木 を観察した。
樹下には折れた柿の枝が落ちていた。樹上には折った枝がかたまっている。
ツキノワグマ が登って柿の実を食べた痕跡だ。
熊は樹上で折った枝を自分の尻の下に敷いて 熊棚 という居場所を作ると言う。
この樹の下には罠が置かれていた。そして2頭の熊が罠にかかったという。