東京オリンピックのころには jokichi の家のまわりには クリンソウ が咲いていた。
もちろん 植栽したものだが毎年花を咲かせる場所があった。
その後 家の建て替えや 消雪用の池の掘削などで 家のまわりの環境は大きく変わった。
その頃から クリンソウ は jokichi の家のまわりから姿を消してしまった。
昭和52年に池の改修をしたときに掘り返した古い土に埋もれていた種子が発芽したことがあった。
10年以上土中で休眠していた種子だと思い その生命力に感動したものだった。
しかし ようやく芽を出して開花まで進んだ クリンソウ だが 数年で姿を消してしまった。
やはり 激変した環境に対応できなかったものらしい。
一昨年 先輩から カリガネソウ 斑入り品の鉢植えを頂いた。
昨年その鉢の縁に小さな葉が芽を出しているのに気付いた。その葉は クリンソウ の葉に似ていた。
先輩に クリンソウ を栽培しているかと問い合わせると やっている との返事がきた。
その クリンソウ が今年は開花した。今度は絶滅しないよう 当分の間 鉢植えで管理して行こう。
連日 高温晴天が続いている。夏日が続いて 初夏を通り過ぎてしまったような感がする。
ツユクサ は夏の花のように記憶しているがもう花盛りになっている。黄色い葯が印象的。隣には 白花の株を植えてある。葯は同じ色だが 背景が白いとあまり目につかない。
初めて ハクサンフウロ を見た山は 平標山 だった。
10年程前のその時 山野草とは思えないほどの 艶やかさに驚いたものだった。
その後 越後駒ケ岳でも出会うことができ じっくりと観察することができた。
茎は細く他の草に寄り掛かって背を伸ばし その草の上に花を咲かせる知恵を持っている。黒く熟す種子がはじけ飛ばないうちに 幾粒かを採取して植木鉢に蒔いてみた。
翌春 発芽して更にその翌春に初花を咲かせた。
その時は10cm程の高さで開花したので 鉢植えとしてもいい花だと思っていた。
三回目の開花を迎えた今年は 根も大きくなったのだろう。草丈も伸びてきた。
20cmを超えるようになると 細い茎では自立できなくなってしまった。
しかたなく 支柱を立てて縛りつけている。 あまりいい格好ではない。
満開の エゴノキ から花の香りが朝風に乗って流れてくる。
たくさんの花が着いて 全部稔るから枝がたわんでしまう。
その実が落ちて芽を出すから この樹の下の草取りは大変だ。昨日の尾瀬で香っていた ミズバショウ を思い出して エゴノキ の香りでよかったと思った。
尾瀬の季節が始まった。鳩待峠から山ノ鼻を往復してきた。
下り坂の途中から見る 残雪の至仏山。今の季節は登山禁止だという。木道脇の ミズバショウ がちょうど見頃になっていた。ニホンジカ の足跡も散見された。下りが終わると 巨木の森。木の葉がまだ開ききっていない 明るい森を歩く。赤シボで赤く染まった 研究見本園の木道の両側も ミズバショウ。ミズバショウ の向こうに 至仏山。その反対側には 燧ケ岳。上田代から見る 燧ケ岳。湿原はまだ枯れ草色。ようやく開き始めた リュウキンカ。新緑に映える ミズバショウ のほかには まだ見るものが少ない 尾瀬だった。