上野の国立科学博物館に、久しぶりに行きました。
国立科学博物館は、すごくおもしろくて(小学生の、科学少年たちが、iPadを持って、うろうろしていたり、海外の人たちもぞろぞろ)一番の目的が、blogの3日目になってしまいました。
「100年早かった智の人」というキャッチフレーズの「南方熊楠」の企画展です。
南方熊楠は、森羅万象を探求した研究者で有名です。
熊楠は東京帝国大学の、現在の教養学部に進学。菌類標本など、植物学的な学問へ憧れを持ちます。
アメリカ、ロンドンと留学し、野外の採集に明け暮れ、また図書館にこもり、民俗学や自然科学などの知識を吸収して行きます。
帰国後、紀伊半島南部の、那智に住み、収集に明け暮れます。
昨年、私は「ファーブル」の伝記を書きましたが、ファーブルの収集への情熱を思い起こさせるような生活でした。
彼が使った顕微鏡なども展示してあり、菌類の研究者としての姿が想像できる展示です。
神社合祀への反対運動も、森林伐採が生物の絶滅を招き、文化や精神世界にまで影響を与えるという、いわゆる「南方二書」として、環境を守る大切さを訴えています。
小学校高学年くらいの少年たちが、夢中になってキャプションを読んだり、それをiPadに写したりしています。
彼が作った「菌類図鑑」はもちろん、自然史にとどまらず、人文系の分野にまで及んだ、その活動、智の構造を知ろうと、熱心に勉強している彼らの姿も、とても興味深かったです。
「熊楠の頭をのぞく旅」
まさに、そんな小さな旅を体感した、ひと時でした。
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