ミネアポリスと言って思いうかべるのは、なんといってもミシシッピ川です。
渡米する前から、見てみたいと思っていました。
この川が重要な役割を果たす、ジャズの発祥の地であるニューオリンズや、マーク・トウェインの『トムソーヤの冒険』・・・。
『ミシシッピ=アメリカを生んだ大河』(ジェームズ・M・バーダマン(著)井出野浩貴(訳)講談社選書メチエ)の中には、こうした記述があります。
ミシシッピはアメリカという林檎を貫く『芯』である。
ジャズ、ブルース、ロックンロールといったアメリカン・ミュージックや、マーク・トウェインからフィッツジェラルドにいたるアメリカ文学・・・。
いずれも私たちが知識としては知っている言葉だが、ミシシッピと関連づけられて著者の手にかかることで、これらの「アメリカ的なるもの」が生き生きとした現実となって私たちの前に示される。
「ここが、そのミシシッピ川の源流です」と、さっそく娘の夫が案内してくれたのが、「GUTHRIE THEATER」という建物です。
建築家のヌーベルが「エンドレス・ブリッジ」と命名し設計した、ミシシッピ川に向けて、飛び出た回廊部の先端がバルコニーになっている建物です。
そこからミシシッピ川にかかる、歴史史跡のストーンアーチ橋やセントアンソニー滝のある、うつくしい景観をながめることができます。
1800年代、ミネアポリスは製粉の町だったそうです。
その大きな製粉工場が火災を起こし、いまはそこは博物館になっているそうです。
展望台からは、その製粉工場も見えます。
写真一枚目のストーンアーチブリッジは、120年前に作られたそのままです。
霧雨に煙る、ミシシッピ川を見ていたら、一瞬、ルイ・アームストロングのトランペットが聞こえたような気がしました。
東大時代、ジャズ研でジャズピアノを弾いていた娘の夫が語ってくれた、ミシシッピ川についての説明を聞きながら、この川をみるたび、彼の胸にはジャズがグルーブするのだろうなと思いました。
そう言えば渡米する直前に、彼から届いたメールの中に、
「ミネアポリス近郊には、バートンの「ちいさいおうち」に出てくるような家々がたくさんあって、楽しいですよ!(絵よりも可愛らしく、素敵な家々です。)」とありました。
一線で働いているビジネスマンの口から、さらりと、バートンの『ちいさいおうち』が出てくるなんて、さすが小さい頃から、お母さまのS子さんが絵本や児童文学を読み聞かせして育ててこられた賜物!と、感動したことを思い出しました。
〔S子さん、今日のblog、お読み下さっていますか?)
その地域は、著名な建築家が設計したというその展望台をふくめ、おしゃれな建物が並んでいました。