『お江 戦国の世を生きぬいて』(国松俊英・フォア文庫)
現在、田渕久美子原作・脚本でNHKの大河ドラマで放映されている、江姫の一生を描いた作品です。
それをノンフィクションの第一人者である国松さんが、子どもたちへむけたご本として手がけていらっしゃいます。
戦国時代。戦の駒となって政略結婚をさせられていった女たち。
お江たち三姉妹の、人間としての意地と生き様が、鮮やかに描かれています。
戦国時代の地図や、おもな人物の関係図。お江の年表などが添えられているので、余計このご本を読みやすくしてくれています。
読後、大河ドラマを見たくなり、数十年ぶりに大河ドラマを見始めています。
『わたしの恋人』(藤野恵美・講談社)
ふたりの出会いは保健室から・・・。
両親も円満。家庭的にも恵まれている古賀龍樹と、父親が浮気をしていることを知っているくせに意地でも離婚しない母。そんな苦悩の中を生きている森せつな。出会ってしまったそのふたりが、交互にモノローグで自分を語っていく物語。
初恋の切なさ。初々しさ。とまどい。
交互に語られる彼らの内面に寄り添いながら読んでいくと、ふたりの気持ちの変遷が、まるで未知の階段を一歩一歩あがっていくような臨場感があります。
『キラメキ☆ライブハウス』(牧野節子・岩崎書店)
人気シリーズ、『キラメキ☆ライブハウス』の第二巻。
今回は、あこがれのバンド「三銃士」のメンバーとともに、なんと、くるみがスペインに行くことに!
物語に出てくる音楽を堪能しつつ、人間関係に一喜一憂しながら、またスペインの風景まで楽しめます。
一粒で二度も、三度もおもしろい作りになっています。
音楽が大好きで、きれいなものが大好きな子には、ぜひお勧めの一冊です。
『ちょっとだけ弟だった幸太のこと(東多江子・そうえん社)
ホームレスの人と暮らしていた犬を「あずかりボランティア」として飼うことになった亮太の家族。
その家族と、「弟」になったボランティア犬の「幸太」との関係がとてもいいです。
関西弁の語りが、その関係に温かみを加えています。
「幸太」の引き取り手が現れ、いよいよ亮太は「幸太」と別れなくてはならなくなります。
その後、おずおずと亮太は「友だち」として「幸太」に会いに行くいくことに・・・。
「幸太」と亮太一家の別れのシーン。亮太と「幸太」の再会のシーンは感動的で涙なしには読めません。
『おまじないのてがみ』(赤羽じゅんこ・文研出版)
お母さんが入院していた柚葉は、田舎のおばあちゃんの家にしばらく預けられます。そのおばあちゃんが、おもしろいおまじないを唱える名人。
退院して家に帰って、学校にいくようになり、友だちとのことで悩む柚葉。
そんなとき思い出したのがおばあちゃんのこと。そのおばあちゃんからの手紙に書かれてあった、おまじないを唱えながら柚葉は友だちに接していきます。
ほんのささいな大人からの励ましで、子どもたちが元気になっていくことを、この本は教えてくれています。
皆さま、ぜひお読みになってください。
まだご紹介できていないご本が、あと7冊。
ごめんなさい。もう少しお待ち下さい。