夫は、大学時代に、ヨットから海に落ちて、左耳を強打したそうです。
それが原因で、左耳の聴力が弱くなったようです。
歳を取るたび「聞きとりにくい」というので、
耳の聞きずらさ、嗅覚の鈍感さは、認知症への、一歩になっていくというので、私が、煽って、煽って、補聴器の専門店で、コンピューターで、操作してもらいながら、片耳の補聴器を作ってもらいました。
今時の補聴器は、つけているかどうかわからないくらい小さくて、耳の中から、耳にかける部分も透明な細いもの。
音の調節も、場所によって、自分で調節できるらしいです。
とにかく、誰にも気づかれないで、補聴器をつけていられるというのは、夫のように、「いいカッコしい」の人には、ベストな形態です。
三ヶ月に一度は、検診。
PCを使って、専門家の方が調べて、また、調子がいいように手直ししてくれます。
でもつけなれてきて、朝から夜まで補聴器をつけていると、耳鳴りがするようだ、頭も痛いと。
昔、夫の母が、夫のことをこう言っていました。
「病うるさい」と。その通りです。
それで、そんな時用に、本来でしたら、更年期障害の人が飲む、耳鳴りや頭痛、足の冷えもあるというので「当帰芍薬散」を買っておき、それをサランラップで、1回分ずつ包んであげ、ジップロップに入れて、会社へ持って行っています。
ところが、「やっぱり、耳が疲れる」と。
夫の母の言葉が、脳裏をかすめますが、とにかく前向きに対処するしかありません。
ネットなどで調べると、やはり片耳は疲れるようです。
繊細な補聴器なので、片耳で35万円くらいするものなので、片耳だけで我慢している人が多いようですが、やはり、両耳につけた方が、断然、聞きやすいし、ストレスもたまらないようです。
右耳は正常に聞こえるらしいですが、お試しで一週間、お借りして、装着していたら「やっぱり、すごく楽」と。
今は、調整していただいて、両耳装着しています。とても日常生活が、気分がいいようです。
人間、生きていくのに、生活の質というのは、とても重要だなと思いました。
おかげさまで、私は耳もしっかり聞こえるし、老眼もありません。
でも両親が、80歳を過ぎた頃から、耳の聞こえが悪くなったのを見ています。
母の方は、90歳くらいと遅かったですが。
いずれ、遅かれ、早かれ、誰もが、辿る道なのかもしれません。
と、年を重ねることにはネガティブな印象を抱く人が多いです。
ところが、ネットでこんな記事を見つけました。
年をとればとるほど、幸福感が高まるというのです。それを「エイジングパラドックス」(加齢の逆説)というそうです。
簡単にまとめると、
「人は人生の時間に限界があると知ったとき、残された時間で満足できるよう、喜びや安心と言ったポジティブな感情を高める行動を、自然に選択するようになるということ」。
結果として、年をとると毎日の暮らしが楽しくなり、より幸せになるという、スタンフォード大学の研究者の研究です。
病気になるかもしれないし、あらゆる自分の弱ささえ受け入れられる・・・。
でも、人生で一番、幸福感を感じるのが82歳だそうです。
ま、その年齢になったら現れる、いろいろな不自由さも背負いながらも、前向きに、生活の質の向上を自らに課して自立し、さまざまを受け入れて、人生で一番幸福感を感じられる年齢になれるよう・・・・。
さて、準備の時間は、まだまだあります。