このところ、すっかりご無沙汰している、秩父に住んでいる従姉妹のMちゃんから電話がきました。
「ジュンコちゃん、お庭の薔薇がすごくきれいよ。よかったら秩父に来ない?」
「ほんと、すっかりご無沙汰しちゃってごめんなさい」
「6月はじめくらいまでが見頃よ」
と、従姉妹。
それからしばらく、ふたりで楽しいおしゃべりの時を過ごしました。
「薔薇にかこつけて電話でもしないと、ほんと音信不通になっちゃうしね」
言われて胸が、ずきっと痛みました。
なんとなく日々の生活におわれ、そういう余裕をなくしていたようです。
父や母のお墓参りも、しばらくしていません。
この夏には、必ずと、従姉妹に言いながら電話を切りました。
従姉妹の家は、個人の家だというのに、薔薇の季節には彼女の友人たちや、旦那様の友人たち。
それに加え、見ず知らずの人たちにも開放している、秩父の有名な薔薇スポットになっているらしいです。
まるで往年のアイドルのような笑顔をむけて従姉妹は、薔薇を見学に来る見ず知らずの人たちに、まるで自慢の我が子を披露するように、嫌な顔ひとつせず、ペットボトルのお茶やお菓子をうれしそうに振る舞っています。
人のいいご夫婦のすがたが、そこから見えてくるようです。
今ごろ、広いお庭いっぱいに咲いている薔薇に囲まれ、朝を迎え、薔薇の香りを嗅ぎながら夜を送る日々を、従姉妹ご夫婦は過ごしていることでしょう。
(写真は数年前に訪ねた、従姉妹の家のお庭。庭全体がイングリッシュガーデンになっています)