折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

大雪とご褒美と

2021-01-14 | 日常

大雪の話。

先週7日夜半から降り出した雪はその後3日間降り続け

金沢の積雪量は65センチを超えた。

三年ぶりの大雪だったが、幸いにして正月明けの三連休のこと。

出かける予定も無かったので

時間に追われることなく朝昼晩と「雪かき」に勤しんだ次第だ。

他にやりたいことが無いわけでもなかったが

なぜか大雪となると、ふだんの近所付き合いは家内に任せっきりのくせに

「ウチがやらないと隣近所に迷惑がかかる」

という使命感のような気持に駆り立てられるのだ。

この使命感、家内も同じ心持ちのようで

少しでも雪が止むとどちらが誘うともなく雪かきに向かう。

そうは言っても無償の重労働(...寄る年波には勝てないのだ)、

自分にご褒美を用意したくなる。「甘いもの」だ。

間食はなるだけ控えたいところだが、

真冬であっても汗ばむほどの仕事だから

かなりカロリーを消費しているはず、と自分を許してしまう。

ということで...

雪かきに明け暮れた三連休のひとコマを。

 

おっと、こいつの散歩も忘れてはいません!

かのん「地球防衛軍に入隊しました!」

 


ウェストコーストの歌姫。

リンダ・ロンシュタットの軽快なナンバーを。

 
  Linda Ronstadt - Just One Look

 

Comments (12)

日常の中の秋  By空倶楽部

2020-09-09 | 日常

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


毎朝30分ほど自宅付近を散歩する。

健康の為、と春先から始めたことだが

三日坊主の自分には珍しく

よほどの雨でも降らない限り続いている。

いくつかコースがあって

梅雨が明けたころからは

川沿いの道を歩くことが多くなった。

熱帯夜が続く中、

川面を渡る心地よい風と

耳にやさしい水音が

多少とは言え涼を感じさせてくれるからだ。

 

そんなある朝。

川沿いに植えられた桜並木の変化に気づいた。

葉先の色が変わり始めているのだ。

 

 

相次いだ台風が持ちこんだ南風のせいで

35℃を超える日々が続いていたのだが

そんな猛暑の中でも秋は確実に深まっていたようだ。

その秋を見逃すものか、と待ちに待った週末、

カメラを持って散歩に出ることにした。

 

さて、川沿いを歩いた後、

さらに好んで歩く道がある。

金沢工業大学の構内を抜ける道だ。

そこは大学構内の一部が共用道路として整備されている。

緑をふんだんに取り入れたプライベート・スペースと

パブリック・スペースが巧みに交差する風景設計は

都会的で瀟洒な街並みを感じさせてくれる。

 

さらに特徴的な建造物や随所に施されたインスタレーションなど

文化的な刺激が寝起きではっきりしない意識を覚醒させてもくれる。

 

そして、ここにも...

まだ夏の緑が色濃く残る植栽の中にも

秋の気配が忍び寄っているようだ。

 

ところで空倶楽部。

今月のお題は『映り込みの空』

せき止められた川面が鏡のように朝の空を映しこんでいた。

極々、日常の風景でしかないが

それでも、その色になにがしか秋の気配を

感じていただけたなら幸いだ。

 


秋と言えばこの人。

 
  Art Garfunkel - Miss You Nights

夏バテぎみの体、そして心を

やさしい歌声が包んでくれる。

 

 

 

Comments (16)

出航 秋空に向けて

2020-09-06 | 日常

 

秋空が広がる早朝の港。

 

 2020.09.05  福井県三国港 07:10am  Sony α7s2  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/500sec,ISO100) 

 

明らかに変わった空気の中、港の風景を楽しんでいると

どこからか、ガラガラと大きな音がする。

その方向を見ると・・・

桟橋に横づけにされた漁船の頭上に渡されたレールの上を

一辺が1mもあるような巨大な氷が登って行く。

その氷がレールの先の砕氷機で一瞬にして砕かれ

ホースで船の中へと吸い込まれていく。

そうか、氷が砕かれる音だったか。

やがて、静けさが戻った港から次々と船が出ていく。

どこまでも青く澄んだ秋空の中、その光景が印象に残った。


 
 Steve Winwood.  While you see a chance 

 空に届けとばかりに突き抜けるハイトーン・ボイス。

 秋空を眺めると思い出す一曲だ。

 

Comments (6)

情景「秋ハ夏ノ焼ケ残リサ」

2020-08-23 | 日常

 

夏の空が焼け落ちて、秋の空へと変わっていく。

 

     福井県越前岬 2020.08.22  06:23pm      SONY α7S2  F2.8G/70-200㎜ (f/14,1/160sec , ISO100)    

 

この瞬間を、地元のアマチュアカメラマンの方と

三脚を並べて眺めていたのだが、

その方曰く、越前岬では晴れているようでも

沖に霞のような雲がかかることが多く

この日のように日没間近の太陽を隠してしまうそうだ。

赤く沈みこむ夕陽を期待する向きには残念なことだが

個人的は水平線近くが淡く染まる日没を嫌いではない。

目にやさしい光景が強い日差しで火照った体を冷まし

心を穏やかに癒してくれるからだ。

そして、日没とともに吹き始めた涼しい風の中で

もうひとつ重ねた風景がある。

それは、毎年この時期になると探そうとするもので

太宰治の創作ノート「ア、秋」の一節を感じさせる情景だ。


「秋ハ夏ト同時ニヤッテ来ル」

「夏の中に、秋がこっそり隠れて、

 もはや来ているのであるが、人は、炎熱にだまされて、

 それを見破ることが出来ぬ。」

 

とどのつまり、

「秋ハ夏ノ焼ケ残リサ」で、

この岬からながめた空が焼け落ちていくようで

そして、その隙間から秋がこっそりと

顔をのぞかせているように思えたのだ。


もう20年以上も前のこと。

夏の終わりのプールサイドで流れてきた

ミック・ハックネルの感傷を包み込むようなボーカルを

印象的に覚えている。

 
    Simply Red - Say You Love Me

 

 

Comments (14)

残暑お見舞い申し上げます!

2020-08-15 | 日常

北陸という地名がそう思わせるのか...。

石川県の夏は涼しいと思っている人が案外多い。

これはとんでもない誤解で、

例年、梅雨が明けたとたん30℃を超える日が続き

台風の接近によるフェーン現象など起これば

40℃近い気温を記録することもある。

全国の天気予報を眺める限り、

関東内陸部や中京に次いで暑い土地柄とさえ思えるのだ。

熱中症対策に加え、再び再燃し始めたコロナ感染への警戒で

家に籠ることが多くなるが

さすがに長い休みとなると息継ぎもしたくなるというもの。

それで、夕方の風を期待して海へ出てみることにした。

 

    石川県加賀市 加佐の岬 2020.08.14 17:14    Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/22,1/50sec,ISO100) 

 

ところが...、

午後5時を回って、陽は随分と傾いていたが

それでも照りつける日差しは依然として痛い。

多少なりとも涼しげな写真をお届けしたい、と思ったのだが...。

如何だろう!? 


ということで・・・残暑お見舞い申し上げます!


逆療法のようだが、こんなときは夏らしい曲のほうが意外と涼めるかも(...かな?!)


 Tatsuro Yamashita "Sparkle" (Japanese Funk - 1982) 

 

Comments (14)

Peace of Mind   By空倶楽部

2020-07-29 | 日常

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

少し遡るが、県外への移動制限が解除された直後の週末の事。

早朝に金沢を出発し、余呉、琵琶湖と久しぶりの撮影を楽しんで

そして最後に立ち寄ったのが三国港だった。

 

 福井県三国港 2020.06.20 18:36    Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (18㎜ ,f/8,1/250sec,ISO100) 

 

日野川や竹田川など福井県の一級河川を

飲み込んで日本海へ注ぐ九頭竜川。

その河口に開けた良港が三国港だ。

一日がかりの撮影で最後に立ち寄ることが多いが

なにかお目当ての景色があるわけではない。

越前海岸沿いを半日も走っているから

海が珍しいわけでもない。

だから、仮にその理由を聞かれても

「なんとなく...」としか答えようがない。

それでも、強いてその理由をあげるなら...。

ここは大河の河口だけあって水の流れは緩やかで

折々の空の色が水面に映り込んでいる。

その穏やかな景色に

短いとはいえ、旅の余韻を

重ね合わせようとしているのかもしれない。

 

その日にしてもそう、いつもと変わらない港の風景があった。

何か特別な被写体を見つけたわけでもなく

燃えるような夕焼けが空を染めたわけでもなかった。

けれども、日暮れまでの時間、

その風景の中に身を置きながら

「穏やかなことがそれだけで特別なものになる」と

これまたいつものように思ったのだった。


最近の旅のお伴といえば「ロギンス&メッシーナ」

ラテンあり、カントリーあり

小粋なロックンロールあり、しっとりとしたバラードあり

ともかくもジャンルにとらわれない彼らの自由奔放な音楽は

40年以上経った今でも色褪せない。

 
 "Peace of Mind" Loggins and Messina

 

 

 

 

 

 

 

Comments (16)

It's Me That You Need  By空倶楽部

2020-07-09 | 日常

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


コロナ禍で中断していたが、久々のお題は「曇り空」。

カーブミラーや鉄塔など難題が多い中、

平易なお題のひとつと思っていた。

けれども昨今の、猛威をふるう豪雨の最中、

かえって難しい「お題」になってしまったような気もする。

 

さて、ある休日の夕刻。

帰り道に出会った空。

雲量から、これを曇り空と言えるのか、と思えなくもなかったが

空がブルーからグレーへと映ろうとする景色の中

ひときわ赤い橋桁にワケもなく惹かれた次第だ。

 

  石川県白山市 2020.06.28   19:10    Sony α7S2  Planar 50㎜ 50/1.4ZA  (f/8 , 1/250sec , ISO250) 

 


写真とは全く関係ないが、直前に車の中で流れていたのが

エルトン・ジョンの「イエス・イッツ・ミー(邦題)」だった。

彼がデビュー間もない頃の曲で

その後本国イギリスはもちろんのこと、

世界の音楽界を代表するポップ歌手として

認められることになる。

ところがどういうわけか、

この曲は日本だけでしかヒットしなかったという。

ごく最近のこだが、妹のダンナがイギリス人でポピュラー音楽好きだったので

この曲のことを聞いてみたところ、その答えは...

” I don't know ...たぶん。"

「たぶん」は私に気を使っただけで、

やっぱり知らなかったのだと思う。

 
  It's Me That You Need/Elton John

そうさ。俺、俺、俺...お前に必要なのは俺だけなんだ!

あらためて聴いてみると和製ポップスの要素もあるな、と思えてもきた。

世界的な知名度はともかくとして、

いい曲なんだけどな。

 

 

Comments (16)

Dreamboat

2020-06-27 | 日常

 

久しぶりに遠出の撮影を楽しみ、

最後に立ち寄った三国港。

夕暮れの空を映す穏やかな船溜まりに

小さな釣り船が浮かんでいた。

 

福井県三国港 2020.06.20 18:40  Sony α7S2  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/200sec , ISO100) 

 

写真にかかわりながら風景を眺めていると

時々不思議な偶然に出会うことがあって

この光景がそのひとつだ。

肉眼で眺めていると気がつかないが

カメラの特性として

逆光下では手前の被写体は空の明るさに負けて

肉眼で見るより暗く映りこんでしまう。

ところがこの直前、夕陽が建物の陰に隠れ

強い光が遮断されたことで

あたりの明るさが均一になり

風景の中に小舟が浮き上がっっていた。

多少明るめに補正して撮ったものの

鏡面のような水面に浮かぶ小舟が

まるで夢の中のシーンのように思えたのだった。


この光景を眺めながら思い出した曲。

 
  Dreamboat   The Youngbloods

もう50年近く前、

学生時代に何度も聴いていたLPの「High On A Ridgetop:The Youngbloods」

地味だがその中の好きな曲のひとつが

この「Dreamboat」だった。

 

※ご訪問ありがとうございます。

 本日コメント欄閉じております。

Comment

日没まで一時間

2020-06-07 | 日常

 

「今日は焼けるぞ!」

そう信じて向かう先は岬の突端。

陽の傾きと雲の様子に気はせくのだが

それでも途中でどうしても寄りたい場所がある。

 

海からの風に激しく揺れる草木をかき分け

荒々しい波音に足をすくめながらその場所に向かう。

そして、足場の安全を確かめたうえでこの光景にカメラを向ける。

 

2020.06.06  05:58PM  石川県加賀市加佐岬 Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜  ,f/18,1/80sec,ISO100) 

 

さあ、日没まではあと一時間。

この夏初めての岬。そして雲の様子も上々だ。

 

      
   Touch Me The Doors

 

※ご訪問ありがとうございます。

 本日コメント欄閉じています。

Comment

『ひとつの装置』の話

2020-05-27 | 日常

久しぶりに訪れた夕暮れの渚。

非常事態宣言解除後の週末だけに

日中はまとまった人出があったのか

砂浜には無数の足跡が残されていた。

ふと...。

砂浜にポツンと黒い塊が見える。

 

Sony α7S2  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70mm  f/5.6,1/160sec,ISO100)    

 

「人がうずくまっているのかな」最初はそう思ったが

逆光の中とはいえシルエットだけでもいかつい機械のようだった。

近寄ってみると、耕運機のエンジン部分のようにも思えたが

機械から海に向かって一本のワイヤーが伸びて

途中で砂に潜り込んでいる。

小さな船を浜へ上げるために置かれた巻き上げ機ではないだろうか。

それも誰かがあり合わせの機械を使って作ったもの。

想像でしかないがそんなふうに思えたのだった。

そしてまた、このあと何十年も後になって

さらに朽ちて原型を留めないこの機械を誰かが見たとして

「これはいったい誰が何のために置いたのだろう」

と私以上に不思議がるのではないか、と愉快に思えてもきたのだった。

 

さて...。

そんなことを思いながらこの光景を眺めていたら

ふと、若い頃に読んだ星新一のショートショートを思い出した。

確かこんな話だったと思う。

 

ある博士が『ひとつの装置』を作り上げ、町の広場に置いた。

それは円筒の郵便ポストのような形で

胴体には押しボタンがひとつと

アームが一本着いただけのシンプルな姿だった。

近寄った人々は皆もの珍しげにボタンを押す。

すると、アームが動きだし、

押されたボタンをつまんで元に戻す。

そして、アームも元の位置に戻るのだが

その後はなにも起こらなかった。

それだけのことでしかないのだが

なぜか誰もがボタンを押したがった。

それから長い時を経て、

装置に近づく人はいなくなり

ボタンが押されることもなくなった。

人類が滅亡したからだった。

さらに長い時間が流れ、

ボタンが最後に押されてから1000年が経ったある日。

突然その装置が別の動作を始めた...。

 

...その結末は本を読んでください。

ということで折にふれての選曲は

スキーター・デービスの名曲を。

 
  Skeeter Davis ~ The End of The World (1962)

ブレンダ・リーやカレン・カーペンターなど名だたる歌手もカヴァーしており

題名は知らなくてもメロディに覚えのある方は多いかもしれない。

 

 

 

Comments (8)