折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

日本でいちばん美しい村

2022-04-23 | 語りかける街

前回に続き、長野県小川村から。

『日本で最も美しい村連合』というNPO法人があるらしい。

2005年に北海道の美瑛から始まった活動で

現在は全国63の町村が加盟していて、

この小川村も含まれる。

失ったら二度とは取り戻せない景観や環境、暮らしや文化など

将来にわたって美しい地域を守り続けることがその趣旨だ。

すばらしい取り組みだと思う。


 
  The Last Resort - Eagles (Live Accoustic)

アルバム『ホテル・カリフォルニア』の最後を飾る曲。

美しいバラードだが、それとは対照的に歌詞は手厳しい。

先住民たちの土地(パラダイス)を奪った白人の所業に始まり、

やがては文明が美しい自然を破壊していく様を痛烈に皮肉っている。

アルバム冒頭の表題曲が、当時の混沌とした世相と

音楽のひと時代が終わったことを揶揄していることを思うと

『The last resort』によるアルバムの締めくくりに

頷けないこともない、とあらためて聴いてみた。

 

They call it paradise, I don't know why 

You call someplace paradise, kiss it goodbye

人はそこをパラダイスと呼ぶ。俺にはよくわからないけど。

みんなが口々に呼ぶパラダイスにお別れのキスを送ろう...

 

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悲しき Meiji Street

2021-09-06 | 語りかける街

その日、神宮前での所用を済ませた帰り道。

キャットストリートから明治通りに出たあたりで

目の前に広がる煌々とした明かりに圧倒された。


        明治通り(東京都渋谷区) 2021.09.04  19:44   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (24㎜ ,f/5.6,1/30sec,ISO1600) 

 

一瞬、「なんだこれは!」と戸惑ったのだが、

すぐに商業施設とともに再開発された宮下公園と気づいた。

 

もう50年近くも昔のこと。

すでに朽ちかけた宮下公園と

公園沿いの明治通りは渋谷の中でも

立ち遅れた地域という印象を持っていた。

それで、突然現れた「煌々とした光景」に圧倒されたのだ。

けれども、立ち遅れた中にひとつだけ近未来的な光景を覚えていて

「あれはどうなったのだろう?」と渋谷駅への道を急いだ。

 

渋谷駅の三階のホームを発した銀座線のカナリヤ色の車体は

明治通りをゆっくりと跨ぎ、その後すぐに青山台地へと

吸い込まれるように消える。

「地下鉄の駅がなぜ三階に?」という違和感とともに

空中を行き来する電車が、自分の目には近未来的な光景として映っていたのだ。

その光景を上京間もない私に自慢げに教えたのは

開業当時の銀座線に勤めていた父だったのだが

その光景がどうなったのか...、それが気になったのである。

                  地下鉄の話 銀座線  2017.05.11

渋谷駅とヒカリエの間、

かつて銀座線が走っていた明治通りの上に

大きなチューブ状の橋が架かっていた。

そのチューブはガラスで覆われていて

その中にカナリヤ色の車体が止まっているのが見える。

銀座線のホームが移動したのだ。

 

父が自慢した光景はすでに無くなっていた。

新しい高層ビルとともに駅舎の新装が完了したのである。

それがちょっぴりさみしくもあったのだが

時の流れは仕方のないことだからと、自分にこう言い聞かせた。

「いや、これこそがあの時思い描いた未来の光景なのだ」と。

そして、胸の奥にまたひとつ、失われた光景をしまい込んだのである。

 


 
 悲しきクラクション  杉真理

 

 

 

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真夏の少年たち

2021-08-15 | 語りかける街

蔵出しが続く。

 

4年前の夏。金沢、犀川大橋詰めでのワンシーン。


 金沢市 2017.08.16  21:02 Sony α99  Planar 50㎜  F1.4 ZA SSM (F4.5 , 1/60sec , ISO5000) 

 

撮った写真はすべてパソコンにしまい込んでいる。

日付ごとにフォルダを作り、撮影場所も簡単に記しておく。

アップする写真が枯渇した時などは、過去のフォルダを振り返るのだが

そうすると、「その時」の記憶が同時に蘇る。

記録的な長雨で外出もままならない夏季休暇。

懐古趣味の自分にはもってこいの暇つぶしなのだ。

 


1990年あたりの映像だろうか。

 
  The Boys Of Summer   The Eagles 

イーグルスの面々にはジャケット姿は似合わないな...と思いつつ

「おじさん達だってまだまだやれるぞ!」

とばかりに頑張る姿が可愛くも思えた。

 

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四丁目界隈で

2021-07-16 | 語りかける街

「そろそろコロナも沈静化してきたかな?」

「2回目のワクチン接種から3週間、しっかり抗体もできたはず」

なんてことを思いつつ...、

期限切れ間近の「マイル」を使って東京へ出かけようかと

していた矢先に緊急事態宣言発令。

ということで「なつかし」の東京風景を蔵出し。

 

  銀座4丁目 2019.07.13 17:37  Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/30sec,ISO160) 

 

梅雨終盤の銀座。

小雨の中。それぞれの都会、それぞれの休日を楽しむ人たち。



  ザ・タイガース/都会

 

 

 

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置き去りにできなかった街角 By空倶楽部

2020-12-19 | 語りかける街

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部。

掲載写真に困って過去のフォルダーを覗いていたら

ふと目に着いた一枚。

「置き去りにしないでくれ!」

そんな言葉が聞こえたような気がしたのだ。


 東京 銀座 2017.11.25 Sony α99  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/100sec , ISO100) 

 

朝方の空に映えるクリスマス飾りが

「いかにも都会の風景」と、印象に残ったのだが...。

それでも、その時は街角写真の一枚くらいにしか思わなかったか、

そのまま素通りしてお蔵入りに。

それが今回目についたのは...。

月に2,3回は訪れていた東京もコロナ騒ぎで3月以来ご無沙汰。

そろそろ、都会の風景が恋しくなってきたせいかもしれない。

 


そして、12月に「置き去りにできない」といえばこの人も。

 
 JEALOUS GUY- John Lennon and The Plastic Ono Band

あれから40年。

年だけで言えばとっくに彼を追い越してしまったが

兄貴と呼べる存在感はいまだに変わらない。

 

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それぞれの黄昏 By空倶楽部

2020-03-09 | 語りかける街

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、今月のお題は「日没後の空」。

限られた時間帯、しかも季節や気象の影響を大きく受けるテーマ。

また、北陸ではこの時節、雪や雨の日がほとんどなので

その制約はさらに大きい。

そんなこんなで期限は迫るばかり・・・

このお題は一年をかけてじっくりと取り組め、ということなのだろう。

 

そして、そんな苦しまぎれの言い訳の末に

お蔵入り写真の中から引っ張り出したのが...

去年9月の「日没後の空」。

 

 Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (35㎜ ,f/5.6,1/40sec,ISO5000) 

 

還暦を過ぎた夫婦連れが恥ずかしながら訪れたディズニー・シーでのひとコマ。

日没後のアトラクション・ショーが始まる直前だったが、

この日は昼過ぎに入園、すでに散々歩き回って、かなり疲れていた。

体を休めたいと思ったが、

レストランやカフェ、ベンチにいたるまで、

どこも人でいっぱい。

おまけに広場までが敷物に座ったひとで埋め尽くされていて、

足の踏み場もないほどだ。

それでも、このショーがお目当てだった家内は

俄然元気になり、陣取る場所をあちこちと探し回っている。

堪らないのはそれに振り回された私。

夫婦仲は険悪となり一触即発状態。

「二度と来るものか!」と、

これが最後のディズニー・シーとばかりに

なかば腹立ちまぎれにシャッターを切っていたが、

その中の一枚がこれである。

 

それから半年。

写真フォルダの中から日没後の空写真として見つけ出したのだが、

写真の中につなぎ留められた家族、友達、恋人同士、

さらに私たち夫婦が楽しんだそれぞれの黄昏を思い出しつつ

「そんなこともあったな」と苦笑しつつ眺めた次第だ。

 

 

 黄昏のビギンーちあきなおみ

 

※今回のコロナウィルスの影響でオリエンタルランドも休園が続いている。

 ディズニーを愛する人たちの為に

 一刻も早い事態の収拾と開園を待ち望むものです。

 

 

 

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What a glorious time !

2019-08-25 | 語りかける街

雪国との印象が強くて意外に思うかもしれないが金沢の夏はかなり暑い。

ことさらこの夏は連日35℃近い暑さが続き、

そこへ台風が運んできた南風のせいもあって

盆休などは40℃近い暑さを記録した日もあったくらいだ。

ところがそれから一週間ばかり。

その記録的な暑さもすっかり和らいで

夜などは秋風を感じるくらい過ごしやすくなった。

そんな週末。

夏バテ気味だったことや

盆明けの仕事が過密だったことで

多少気力も落ちぎみ。

気分転換で金沢中心部へ繰り出すことにした。

 

 

 Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/2.8,1/30sec,ISO1000) 

 

おいしい食事に楽しい会話。

そして気がつくと時間はすでに午後10時。

ふだんならゆっくりと体を休める時間だが

この日に限ってはまだまだ宵の口。

What a glorious time to be free!

夜の街がそう語りかけているように思えたのだった。 

 


 I.G.Y. Donald Fagen

 

 ※ご訪問ありがとうございます。

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昼下がりの憂鬱 By空倶楽部

2019-07-29 | 語りかける街

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

海の日にからんだ三連休。

梅雨のさなかとあってあいにくの天気だったが、

心待ちにしていた観劇に友人との食事など、

東京での楽しい二日間を過ごすことができた。

そして、そんな時間もあっという間に過ぎ

帰り時間が迫る中、遅めの昼食をとりながらビルが立ち並ぶ空を眺めていた。

 

 

なんと無機質な風景だろう...。

厚い雲に覆われ色が失せた街並みに

そのときはそう感じたのだが、

あらためて眺めてみると

いまだ梅雨が明けていないほど長雨が続く東京、

しかも休日が終わろうとする時間。

ビルの谷間からこの空を眺める人たちにとっては

なんとも憂鬱な空に映ったことだろうな、とも

思えてきたのである。

 

 

 

 

 

 

 

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銀座ホコテンの記憶

2019-07-15 | 語りかける街

 

梅雨空が続く東京での週末、

ふと思いついて出かけた銀座の歩行者天国。 

やがて40年ほど前、歩行者天国は魅力的な街の光景で、

ここ銀座はもちろん新宿や浅草など大きな繁華街に

ただ気兼ねなく車道を歩くことを目的に出かけたものだった。

ところが今では、開催しているところといえば銀座を含め数か所でしかないという。

歩行者天国はモータリゼーションの進展とともに交通事故死がピークとなった1970年頃、

歩行者の安全と快適性のために推進されたものだったという。

「天国」という呼称も相まって数十万人もの人出を記録したこともあったというが、

反面、規制による交通渋滞を引き起こしたり、秋葉原の大量殺傷事件に見るテロへの警戒など

運営上の諸問題が露見し、次第に開催が下火になっていったようだ。

銀座の歩行者天国もすでに「見慣れた光景」としか映らないのか、

訪れるごとに人が少なくなっていくように思える。

しかも往来する人のほとんどが外国人というのも

華やかだった記憶を持っている自分にとっては寂しい限りだ。

 

 

さて、この日の歩行者天国。

Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (35㎜ ,f/5.6,1/40sec,ISO100)     Lightroom +Photoshop CC

 

 

東京は厚い雲に覆われ、時折り雨が横殴りに吹き付けてくる。

しかもやがて夕刻を迎える時間帯。

そのせいで人出もずいぶんと少なく、なんとなくさみしい「天国」だった。

しかし、せめて写真くらいは、と明るめに、そしてポップな街に仕上げてみた。

行き交う人の明るい笑顔に活気あふれる街の表情。

そんな財産ともいえる記憶を手繰りながら。

 


 Bryan Adams - Heaven (Official Music Video)

 

 

※本日コメント欄閉じています。 

 

 

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足羽山 梅雨空の情景 By空倶楽部

2019-07-09 | 語りかける街

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

福井市 足羽山からの遠景

 

Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (70㎜,f/8,1/200sec,ISO100)     

 

足羽山は福井市中心部近くに立ち上がる小山。

周囲をぐるっと市街地が囲んでいるので

福井市内のどこからでもその姿を眺めることができる。

春には全山がピンク色に染まるほど桜の名所としても有名だし、

この時期であれば色とりどりの紫陽花が目を楽しませてくれる。

また、小規模ながらも動物園や遊園地も整備されていて、

家族での散策など市民憩いの場としても親しまれている。

 

梅雨空が広がるある休日の早朝のこと。

この時期の紫陽花を期待して、足羽山に登ったのだが、

生い茂る緑が開けた場所で垣間見えたのがこの光景で

その時ふと、なつかしさが込み上げてきた。

突然いくつもの記憶がよみがえり、

それらが折り重なった情景に思えたからだった。

 

もう30年以上も昔のことになるが、

福井に住んでいたことがあって、

ことあるごとに当時幼かった子供たちを連れて

足羽山に登ったものである。

慣れない土地での仕事だったので、つらいことも多かったが

その気分を紛らわすかのように休日を過ごした場所のひとつが足羽山だった。

単身で赴任した時期も含め福井で過ごした10年間。

良いことはもちろん悪いことも今となってはすべてがなつかしい想い出。

その記憶すべてがこの中に凝縮されている。

情景として映った福井の街を眺めながらそう思ったのである。


各地で記録的な被害をもたらすこの時期の豪雨。

梅雨の情緒を楽しむなどはばかられるのだが、

今にも雨が落ちてきそうな空を眺め、

そして、この曲を聴いてみた。

 

 Carpenters - Rainy Days And Mondays

雨の日と月曜日の気落ちした気分を情緒あふれる心情に変え、

それをまだあどけなさが残るカレン・カーペンターが歌う。

この時期に思い出す名曲だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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