折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

隅田川 灯かげの誘惑

2019-03-24 | 語りかける街

2月終わりのある日、勝どきの事務所で仕事を片づけた帰り道でのこと。

ふだんなら地下鉄で宿泊先の最寄り駅まで向かうところ、

その夜は多少寒さが和らいでいたこともあって

「銀座あたりまで歩いてみるか」という気になった。

 

途中、隅田川にさしかかったところ、

ライトアップされた勝鬨橋の姿が妙になまめかしい。

その光景が気になりつつ、いったんは橋の途中まで進んだのだが、

思い返して橋詰まで引き返し、携行しているコンデジを取り出したのだった。

 


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/9,5sec,ISO-100   

 

カメラの設定変えながら何枚か写した後、

「こんなものだろう」と自分にいい聞かせ、

先を急いだのだが、橋の中ほどまで進むと、

今度は川面に映る色とりどりの灯りが気になる。

そしてまた、コンデジを取り出すことに...。


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/6.3,3.2sec,ISO-100   

 

寒さが和らいだとはいえ、頬にあたる川風はかなり冷たい。

けれどもその冷たさも忘れ、勝鬨橋を行ったり来たりすること20分あまり。

「これこそが都会の夜景!」とばかり、

隅田川の灯かげを楽しんだ次第である。

 

さて、そのあとは…、

気をよくして銀座で寄り道。

写真を「肴」に飲んだビールはうまく、

思わぬご褒美をいただいたことに感謝、感謝!

 

 

 

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都心の「小島」で 

2018-12-16 | 語りかける街

山手線の品川、田町間にできる新駅の名前、「高輪ゲートウェイ」が物議を呼んでいる。

公募にもかかわらず、その順位が130位と低かったものが選ばれているから、

まずは、その選考基準のあいまいさが問題なのだと思う。

確かにそれもある。

しかし、それよりも、なんとなくレトロ感が漂う山手線に「ゲートウェイ」というカタカナ名の駅ができることに、

違和感を覚えた向きが多かったのではないかとも感じている。

今ある山手線駅は昔ながらの地名をそのまま使っているものがほとんどだ。

すでに使われた地名との混同を避けるなら、

新大久保や西日暮里のように、元からある駅名と区別する配慮もできたはずで、

現に、「新品川」や「しながわ新都心」との候補もあったようだ。

それが、あえて玄関を意味する「ゲートウェイ」と名づけられたのは、

現在、新駅に隣接するJR所有の土地に、都心最後の大規模開発といわれる街づくりが進められていて、

その開発に対するJR側の思い入れが、「ゲートウェイありきの駅名選考に反映されたのでは」との見方が一般的だ。

いずれにしても、その駅名はともかく、どんな駅ができて、どう賑わうのか、

そして、どんな撮影スポットが新たに生まれるのか、興味は尽きない。

 

さて。

カタカナ駅名といえば、この駅の場合はどうだったのか。 


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   F4.5,3.2sec,ISO-100 

 

天王洲アイル。

品川に隣接する天王洲に「小島(Isle)」を意味する駅名が誕生したのが平成4年。

空港へ向かうモノレール路線に、さらには高層ビルが林立する新しい街にできた駅だったことから、

その名前に違和感を覚えた人はほとんどいなかったのか、駅名をめぐる物議は記憶にない。

それどころか、当時のトレンディ・ドラマのロケ地としてよく使われたことを思うと、

「アイル」という、どことなく洗練された響きを、多くが憧れをもって受け入れたのではないか、とさえ思っている。

それから30年近くの時が経ち、開業当時の賑わいはすでに薄れているものの、

冬の夜、運河越しに眺める「小島」の灯りは、まだまだ心を惹きつける魅力を失っていないと感じた次第だ。


「彩」 スティーリー・ダン

すでに40年以上は経っているが、今聴いても色褪せない、都会的なセンス溢れる曲のひとつだと思う。


Steely Dan - Aja

 

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A Sentimental Mood in 赤坂

2018-08-01 | 語りかける街

その日、仕事を終えた平河町から東京メトロ赤坂見附駅へ向かう道すがらのこと。

何日も続いた暑さが少し和らいだとかで、夜ともなるとここちよい風も吹いていた。

帰り道を急ぐなら、最寄り駅は永田町だったが、

過ごしやすい夏の夜、せっかくだから、少しそぞろ歩いてみようかという気になった。

出張時はいつも、コンデジの愛機GRをカバンの中に忍ばせていて

目を惹いた風景などあちこちで撮っているのだが、思えばそれも日中がほとんどのこと。

それだったら、東京でしかお目にかかれない夜の街並みを撮るスポットがないものかと考えた挙句、

ふと思いついたのが赤坂見附交差点にかかる歩道橋からの夜景だった。 


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/3.5,1/2sec,ISO-100 

 

外堀通りがゆるやかなカーブを繰り返しながら、溜池、そして虎ノ門へと向かう。

車の白いヘッドライトと赤いテールランプが対照的に流れる通り。

さらには、その両サイドを挟み込むように、様々な灯りが彩る中層、高層のビル群。 

これこそが都会の風景!

多少の酔いも手伝ってか、妙に感傷的な気分で眺めた夜の赤坂だった。


 

この光景を眺めながら浮かんだ曲が In a Sentimental Mood

ジャズのスタンダードとして知られ、

オリジナルのデユーク・エリントン始め、数々の競作があって 、

どれも都会的なセンスにあふれるものだが、

中でも、軽やかなピアノが印象的なこのバージョンを選んでみた。

スタイリッシュな夜の都会を想像していただけたなら幸いだ。


In A Sentimental Mood     Dr John

このドクター・ジョン、アメリカ南部の土臭さを感じる人だが、

一方で、ブルースやジャジーな楽曲も巧みにこなす。

なんとなく怪しい身なりだが、

「人は見かけによらぬもの」・・・自分にとっては魅力的なミュージシャンのひとりである。

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Let Your Light Shine  By空倶楽部

2018-07-09 | 語りかける街

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、6月のお題「曇り空」は梅雨真っ盛りの東京はお台場から。

東京湾上空ではレインボーブリッジまでも包み込むように雨雲が低く垂れこめていた。

ところが、そんなうっとおしい天気とは裏腹に下界では・・・。

特設のパブリック・ビューイング会場に集まった人々の(...というか、前日から帰らずにいたのかもしれない)

あふれる熱気、熱気、熱気!

コロンビア戦勝利の興奮に湧く明るい歓声が曇り空を逆に突き上げていた。


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/4,1/400sec,ISO-64 

 

豪雨災害にオウム事件のひとつの顛末。

決して明るい話題ばかりではなかったけれど、それはすでに先週のこと。

今日からは晴れ間が戻り、それもしばらくは続くようだ。

災害の復旧を思うと、あまりノー天気なことも言ってられないが、

いよいよ梅雨明け、そして明るい夏がやってくる。

 

People let your light shine !

Come on now let it shine !

 

 
  Light Shine - Jesse Colin Young

 

 

 

 

 

 

 

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原色のチャイナタウン

2018-06-23 | 語りかける街

梅雨の晴れ間のひととき、久々に訪れた中華街。


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/5.6,1/640sec,ISO-200 

平日、しかもまだ昼前というのにこの賑わい。

様々な人種、様相の老若男女が行き交うとともに、いくつもの言語が声高に交錯する。

決して視点が定まることのない空間はいつもながらスリリングだ。

原色眩しいこの街に、ただいるだけで心が躍る。


トキメキを失った友への忠告といった内容の歌詞だろうか。

この街に感じたスリルとはずいぶんと解釈は違うが、

この光景を眺めていて、ふと思い出したイーグルスのバラード。


Eagles - 'After the Thrill is Gone' 

 

 

 

 

 

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東京駅という風景

2018-04-30 | 語りかける街

急な仕事で東京へ日帰り出張することになった。

とはいえ、予定は午前中のみ。

せっかくのゴールデンウィーク、それならすこしは休日気分をと、やってきたのがこの場所。 

 
RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/4.5,1/400sec,ISO-64 


東京駅丸の内広場の整備が完成したと聞いていたので、

皇居から東京駅へと続く行幸通りの景観と

ひろく開けた正面からすっきりとした東京駅を眺めてみたかったのだ。

さて...。

東京駅を眺めていてふと思ったことがあって、それは「駅舎という風景」についてである。

東京駅はともかく、上野駅や新宿駅などJR主要駅の駅舎の姿を思い浮かべることができない。

首都圏だけではない。大阪駅や京都駅など全国有数の駅でも、風景としてイメージできる駅舎は少ない。

それぞれの駅に特長が無いわけではない。

たとえば大阪駅なら時空の広場を頂点としてホームを覆う大屋根を思いだすし、

京都駅であれば階段状に配置された開放的なフロアを思い浮かべることができる。

しかし、外観というか駅舎全体のイメージが薄く、ホテルやテナントゾーンが併設する複合ビルの印象しか浮かんでこないのだ。

いつだったか、金沢駅が「世界で最も美しい駅」に国内で唯一選ばれたと聞いた。

(選考基準がはっきりせず、東京駅がなぜ選ばれていないかという疑問もあるが...)

確かに「鼓門」とそれにつづく「もてなしドーム」による景観は特長的ではあるが、

これくらいのユニークさを持った駅はほかにもたくさんあると思う。

おそらくは、だが...。

この受賞、駅の価値を規模や機能ではなく、駅舎そのものを風景として評価したのではないだろうか。

ただ、いまだに金沢駅がなぜ選ばれたかには疑問が残るが、それでも金沢人にとってはめでたし。

とりとめのない話となったが...。

初夏のような陽気と空の下、東京駅という風景がたまらなく美しく印象的に思えた瞬間だった。


 

あかるい陽ざしの中でふと思い出したなつかしい曲。

青春の光と影  ジュディ・コリンズ


Judy Collins - Both Sides Now  

 

 

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立春大吉 スカイツリーのある風景

2018-02-04 | 語りかける街

2月4日、金沢の今朝の積雪は45センチ。

この後の降水確率が100%、さらに風雪、着雪の各注意報が出されているということから、

雪に対する備えは万全にと覚悟しておいたほうがよさそうだ。

しかし、そうはいっても今日は立春。

二十四節気の始まり、あくまでも暦の上でのことと理解しつつも、

それでも春という字が暦に記されただけでもうれしい。

ともあれ、めでたい立春大吉。

ご挨拶がわりに、冬晴れの空にスカイツリーのある風景を。


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/4,1/250sec,ISO-64 

 

東京へ出張した際、墨田区の仕事先へ向かう途中で見かけたもので、

冬の真っ青な空を突き上げるかのようなスカイツリー、

その凛とした姿と、それとは対照的に川面へ揺らいで映りこむ姿が印象的だった。

しばし足を止めてこの風景に見入った次第だが、

明るい春の訪れを予感させる元気な光景として記憶にとどめている。

 


 

先月の話だが。

アイルランドのロックグループ、クランベリーズのボーカル、ドロレス・オリオーダンが亡くなった。

自分にとっては、年代的にもジャンル的にも馴染みのなかったグループだったが、

アイルランド系イギリス人である妹のダンナの影響で、ある時期によく聴いていたものだ。

まだ46歳という若さ、残念である。


The Cranberries - Ode To My Family

「家族への叙情歌」とでも訳すのだろうか、

ドロレスの私小説的な内容のようにも思える。

数あるヒット曲の陰に隠れた感はあるが、

彼女のしみじみとした、そして透明感のある歌声が印象的な名曲だと思う。

 

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新宿副都心 乾いた空 By空倶楽部

2017-12-19 | 語りかける街

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

12月9日土曜の昼下がり。

高層ビルがその長い影を副都心に落としはじめていた。

 

Sony α99  Planar 50㎜(f/5.6,1/320sec,ISO100) 

 

この時期、厚い雲が空を覆い、

連日のように冷たい雨や雪が吹きつける北陸を脱出して東京へ。

冬晴れの中、

あてもなくそぞろ歩きを楽しんだ後、

最後に眺めたかったのが、

この乾いた空の風景だった。

 


今月の初め、「心が風邪をひいた日」の記事でCSN&Yを紹介した。

どちらかというとカントリー系の土臭い楽曲が多いが、

中で洗練された都会的な作品を残しているのが「C」ことデビッド・クロスビー。

CSN&Yとしての活動を休止した後、

「N」ことグラハム・ナッシュと競演アルバムを残しているが、

今回はその中から選曲した。


Crosby and Nash - Homeward Through the Haze

冬枯れの都会の風景の中にいると、

つい、このジャジーな曲を思い出してしまう。

地味でシングルカットもされていないが、

それでもyoutubeの中に複数の投稿があることを思うと、

私同様、この曲に惹かれる人が多いのかもしれない。

 

 

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東京駅 50㎜F5.6 の空 By空倶楽部

2017-12-09 | 語りかける街

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


東京丸の内を一望するJPタワー「KITTEガーデン」。

そこから見下ろす東京駅を50㎜の画角に閉じ込めた。


Sony α99  Planar 50㎜(F5.6,1/250sec,ISO100)

東京駅丸の内駅舎の周囲をぐるっと見わたすと、

丸の内オアゾに丸ビル、新丸ビル、そしてJPタワーと200m級の高層ビルが林立している。

一方の丸の内駅舎、間近に見えるドームの高さで35m、まさに都会の谷底である。

その駅舎に目線を合わせ、

肉眼に最も近いとされるレンズ50㎜F5.6を通して眺めると、なんとその空の小さいことか。

しかしその小さい空もかつてここが終着駅だった自分にとっては思い出深い大都会の空でもある。


東京駅といえばもうひとつ思い出がある。

バブル期の毎週末、丸の内の仕事先を出て20時の新幹線に飛び乗る。

満席、立ちっぱなしでへとへとになって金沢へたどり着くのが24時。

それにもかかわらず、妙に高揚した気分と充実感を味わっていたなつかしい日々。

その頃の冬の日、よく流れていたのがR東海のこのCM。 

 

 

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The Station

2017-12-01 | 語りかける街

週末の仕事を終えた後、

いつもならそのまま金沢へ帰るのだが、

今回はもう一泊して東京での休日を楽しむことにした。

カメラ片手にふだん仕事では縁がない場所や、

縁があったとしても日中うかうかと写真など撮ってはいられない風景など

心おきなくファインダー越しに東京を眺めたわけで、

訪れた先のひとつは先に「午後の群像」(銀座の歩行者天国)として投稿している。

その他の様子は折にふれてご紹介するとして、最後に選んだ場所がここ東京駅だった。 


   Sony α99  Planar 50㎜(F5.6,1/250sec,ISO100)

東京駅に縁がないわけではないが、それはホームからホームなどあくまでも交通機関としてのこと。

風景としての東京駅を時間をかけて眺めるのはずいぶんと久しぶりとなる。

 

小春日和の昼下がり。

ふだんならビルの谷間で窮屈そうな東京駅だが、

傾いた陽がその谷間に深く射しこみ、

東京駅を取り囲むビルを照らしてくれたことで、

ごちゃごちゃとした背景の気配をいくぶんか薄めてくれたようだ。

東京の玄関口として浮かび上がる堂々たる存在感はまさに「The Station」。

世界に誇れる「駅の中の駅」だと感じた風景でもある。 


もう40年も前のこと、「東へと向かう列車」で着いたのが東京駅。

「木枯らしのビル街、体に気をつけてね 」とのフレーズがそう思わせるのか。

冬の景色の中で東京駅を眺めると思いだすのがこの曲。


木綿のハンカチーフ(アルバムバージョン) 太田裕美

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