折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

ビブリオバウムの世界 ①

2025-02-28 | 金沢

 

ビブリオバウムとは新しい石川県立図書館の愛称。

正式には、というか愛称に正式というのもおかしいが『百万石ビブリオバウム』だ。

金沢だからと言って何でもかんでも百万石をつけるのもどうかと思うので

個人的にはビブリオバウムだけでも充分ではないかと思っている。

ビブリオとはイタリア語で図書館のこと。

そしてバウムとはドイツ語で年輪のことを表すそうだ。

書架や通路など内部構造からの連想だと思うが

バウムクーヘンという洋菓子を思い浮かべると納得がいく。

ちょっと変わった図書館ということでメディアにも取り上げられて

開館から2年半ほど経つが入場者が百万人を超えたそうだ。

ということは21世紀美術館に次ぐ観光施設。

などと書いたら叱られるかもしれないが、

遅まきながらビブリオバウムの世界を何回かに分けてご紹介。

 

 

この稿続く。

 

 

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「写真生活」再会!

2025-02-22 | 写真生活

久しぶりにLeica M6を持ち出した。

フィルムLeica晩年の名機(と思っている)で

それまでのM型Leicaと異なるのは露出計を内蔵したことだ。

とは言え、今のカメラでは当たり前のAE(自動露出)機能はない。

ファインダー内に表示されるふたつのインディケータの光り方をを参考に

絞りとシャッタースピードを設定する必要があるのだ。

つまり、撮影現場の明るさや被写体との距離、また被写体の動きなどから

絞りとシャッタースピードを判断しなければならないので

撮影に慣れるまでは試行錯誤が必要となる。

さらに、これまた今のカメラでは当たり前のAF(オートフォーカス:自動焦点)機能もなく

レンジファインダーを覗きながら、レンズのダイアルを回してピント合わせをしなければならない。

つまり、今のカメラならシャッターを押すだけで撮れる写真が

Leicaだとまずフィルムを巻き上げることから始めて

被写体に向け絞りとシャッタースピードを設定して

ピントを合わせた後でシャッターを押す。

とにかく面倒なのだが、それだけではない。

撮った写真をメールで誰かに送るなんてことはできないし

それ以前に写真の出来栄えをその場で確認することすらできない。

撮り終えたフィルムはいったん現像に出してネガにしたうえで

スキャナで読み取ってパソコンに取り込んでようやく陽の目を見る。

「どうして、そんな面倒なことを」と思う向きもあると思うが...それが楽しいのだ。

いくつもの手順を踏んで写真を撮る。

ところがその結果はすぐには確認できない。

そんな不自由さがあるからこそ、ネガが出来上がるまでが待ち遠しく、

出来栄えへの期待感が膨らんでいく。

純粋に撮影を楽しむ。そんな「写真生活」が再び始まったのだ。 

 

さて、再開した「写真生活」の一端をご紹介。

 

     

その日は脈歴なく、訪れたそこかしこでシャッターを押した。

キリっとしたデジタル写真とは違って

どこかモコモコとした感じを受ける。

けれどもそれが「点」の集まりとは違うフィルム写真の味。

と、悦に入っているのは私だけかもしれないが。

 

 

 

 

 

 

 

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祝!15周年 By空俱楽部

2025-02-20 | 空倶楽部

 

一日遅れましたが、空倶楽部の15周年おめでとうございます。

私が参加したのは2011年3月。

それまでの当ブログは趣味の写真を日記代わりのように掲載するだけで、

誰に見てもらうわけでもなかったので、

主催のかず某さんとchacha〇さんのブログに参加のお願いを

恐る恐る書き込んだことを覚えています。

私にとっては「あっ」という間の14年間だったわけですが

振り返って、折々に掲載した「空」を見返してみると

暑さ寒さや空気感はもちろん、その時の心持ちまで懐かしさとともに甦ってきます。

今回はここ一年で印象に残った空写真を自薦で掲載とのことでしたが

過去写真を見返す中でこの写真を掲載させていただくことにしました。

東日本大震災の復興がようやく本格化した頃、

出張帰りの夕刻に羽田空港で眺めた光景です。

それはまた、経営危機に陥った日本航空がV字回復を果たした頃でもありました。

光芒の中、離陸準備に向けてゆっくり動き出した真っ白な機体。

尾翼の赤い「鶴丸」、胴体の「がんばれニッポン!」の文字が

鮮やかな印象として心に残ったことを忘れません。

そして、今年は能登の復興元年。

エールを送られたような気分でこの写真を選んだ次第です。

 

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

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雪の科学館 休館前に

2025-02-12 | オトナの遠足

前回、冬枯れの空と題して雪の科学館がある風景を取り上げた。

展示そのものは中谷宇吉郎博士の研究業績を紹介するものだが、

設計者の磯崎 新氏の設計は展示施設だけに留まらない。

周辺環境も取り込んで、いや、柴山潟や白山も加えるなら、

数キロ、数十キロにも及ぶ風景も設計に取り込んでいる。

つまり、人の視界を大きく超えたスケールの風景設計が

雪の科学館のもうひとつの魅力だと思うのだ。

前回の記事で、「自分だけの風景を探してみて」と記したのは

人の視界を大きく超えた風景設計だから、

ここを訪れた誰もが違う景色を探すことができるということを伝えたかったのだ。

 

前置きが長くなったが、雪の科学館がある景色をいくつかご紹介。

科学館に続く長いスロープを行くと建物の正面にたどり着く。

そこから館内に入るのだが、今は地震災害の為、ここは閉鎖され

1階の通用口が臨時の入館経路となっている。

これから復旧工事に入り、正規の通路に戻るのだが、

それは一年後のことになる。

 

建物脇の放水路から眺めた柴山潟と白山連邦。

 

科学館の裏手、柴山潟のほとりにはカフェスペースがあって

その付近から眺めた白山連邦だ。

 

実は。今回ご紹介した写真は現在のものではない。

10日間居座った寒波が緩み、晴れ間が出るとの予報だったので

昨日、雪の科学館に向かったのだが、期待したほどの天候とはならなかった。

それでも、あらためて雪の科学館を紹介したいという「お国自慢」が抑えられない。

それで、7年前に訪れた時に撮った写真を探し出し、蔵出しとした次第だ。

 

雪の科学館は長い改修工事に入る。

2027年から28年にかけての冬にこの風景が戻ってくることを

期待してやまない。

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冬枯れの空、雪の科学館で  By空俱楽部

2025-02-09 | オトナの遠足

今日は空倶楽部の日。そして2月のお題が「樹木と空」。

前回の記事で紹介した雪の科学館で眺めた空で参加します。

     

雪の科学館の建築設計は磯崎 新さん。

雪の結晶を模した六角形の建物がリズミカルに並ぶ特徴的な外観と

グリーンランドから運び込んだ石を敷き詰めた中庭が印象的で

建築設計や空間デザインを志す人たちにも人気がある。

が、魅力は建物だけではない。

雪の科学館は広大な芝の丘の上に建って見えるように配置されている。

なだらかな坂を登っていくに従って

その背後に柴山潟と白山が見えてくる。

実はこの見せ方も綿密な風景設計によるものだ。

なので、雪の科学館を訪れることがあったら、

すぐに館内には入らずに、まずは丘の麓に立ち

そこからの風景を楽しむように

ゆっくりと建物に向かって歩いてほしい。

時期は断然冬がいい。

冬枯れの景色の先、青々とした柴山潟越しに冠雪した白山連峰が連なっている。

そこで、自分だけの風景を探してみてはどうだろうか。

 

空倶楽部の日。詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 

 

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雪の科学館

2025-02-04 | オトナの遠足

JR3社の共同企画 Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン

そのポスターのひとつが石川県加賀市にある『雪の科学館』を紹介している。

     
              JRおでかけNETより転載 

 

雪の科学館は加賀市出身で雪と氷の研究に生涯をささげた中谷宇吉郎博士の業績を展示している。

そして、その業績を集約する言葉としてよく知られているのが

「雪は天から贈られた手紙である」

漆黒の空からはらはらと落ちてくる雪を文学的に形容したように思えるかもしれないが

それだけではなく、もっと深いニュアンスが込められている。

博士は実験室でいくつもの雪の結晶を人工的に作り出した。

雪の結晶は上空の気温と水蒸気の組み合わせによって様々なかたちとなるが

雪を人工的に作り出すことでその相関を明らかにしたのだ。

その成果はナカヤダイヤグラムとして紹介されているが

逆に、地上に降りた雪の結晶によって上空の気温と水蒸気の状態がわかる。

そのことを博士は「天から贈られた手紙」という言葉に込めたのだ。

雪の科学館では博士が遺した科学的文献だけではなく随筆や画集も紹介している。

つまり、博士は科学者である一方、文学者としての一面も持ち

科学で解き明かした成果を情緒的な言葉に置き換えたのである。

雪の科学館には遠方からの来訪者も多い。

ダイヤモンドダストを人工的に作り出すなど

雪や氷にまつわる興味深い展示も多いのだが、

一方で建築デザインを志とする人たちにも人気がある。

そのお目当てがこの光景。

柴山潟越しに遠く白山を望む中庭に

博士が晩年に研究拠点としたグリーンランドから運ばれた無数の石が散りばめられている。

石は無造作に置かれただけのものだが、それが修景となっている。

地元びいきで言うのではないが、必見の風景だと思う。

さて...。

ここまで持ち上げておいて梯子を外すようだが

雪の科学館は4月から来年の3月まで長期休館に入る。

能登半島地震による被害を修復するためだ。

なので、この風景も一年間はお預け。

いや、せっかくなら冠雪した白山とともに眺めてもらいたいので

二年越しのお預けとなる。

毎年、この時期に訪れるものとしては寂しい限りだが

新たな企画など、この機にぜひ取り組んでほしいものだ。

 

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