花ごよみ

映画、本、写真など・

藤田嗣治展

2006-06-12 | 美術

(京都国立近代美術館)

1886年、東京生まれ、 
生誕120年の今年、回顧展が開かれている。 

東京美術学校を卒業後、フランスへ。
そこでエコール・ド・パリの画家達と出合う。 
はじめはピカソから影響を受けたキュビズムの絵。 
特に親交のあったモジリアニに影響されたような絵。

次にグレーと白、そして独特の乳白色、色彩の少ない時代。
面相筆を用いて、西洋と日本美術の融合と 
称せられる裸婦の連作。

【横たわる裸婦】【眠れる女】は
バックの黒と乳白色とバックの
黒の対比が印象的な絵です。

そして次の変遷は、
中南米の旅行から何かを得たのか、 
強い色彩でボリュームがある絵。
強烈な印象を感じさせます。 

戦争画の時代には観る者にも、 
茶系統の色彩、生と死の境界に位置する群像から、 
観る者にも強いストレスが感じとられます。 

フランスに戻ってからの【カフェにて】は、
哀愁を感じとれる乳白色の女性が戻ってきています。
 

【誕生日】の同じ顔の子供達を描いてる絵には、
奇妙な印象を受けます。 

宗教画【黙示録】は不気味さを感じさせる人体の羅列。 
 
日本、パリいずれの地からも感じ取れる
居心地の悪さ、苦悩からは解き放たれることはなかったのか? 
 
多数の自画像からも何かを発信しているのでしょうか?
  


画風の振幅の大きさにもとまどいを感じました。
コメント (6)
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