1886年、東京生まれ、
生誕120年の今年、回顧展が開かれている。
東京美術学校を卒業後、フランスへ。
そこでエコール・ド・パリの画家達と出合う。
はじめはピカソから影響を受けたキュビズムの絵。
特に親交のあったモジリアニに影響されたような絵。
次にグレーと白、そして独特の乳白色、色彩の少ない時代。
面相筆を用いて、西洋と日本美術の融合と
称せられる裸婦の連作。
【横たわる裸婦】【眠れる女】は
バックの黒と乳白色とバックの
黒の対比が印象的な絵です。
そして次の変遷は、
中南米の旅行から何かを得たのか、
強い色彩でボリュームがある絵。
強烈な印象を感じさせます。
戦争画の時代には観る者にも、
茶系統の色彩、生と死の境界に位置する群像から、
観る者にも強いストレスが感じとられます。
フランスに戻ってからの【カフェにて】は、
哀愁を感じとれる乳白色の女性が戻ってきています。

【誕生日】の同じ顔の子供達を描いてる絵には、
奇妙な印象を受けます。
宗教画【黙示録】は不気味さを感じさせる人体の羅列。
日本、パリいずれの地からも感じ取れる
居心地の悪さ、苦悩からは解き放たれることはなかったのか?
多数の自画像からも何かを発信しているのでしょうか?

画風の振幅の大きさにもとまどいを感じました。