主人公、白石が新たに
生き甲斐を見出したのは、
自転車ロードレース。
ツールド・ジャパンの、
メンバーにまで
頭角をあらわします。
彼の本来の役割は石尾のアシスト。
その石尾に関する過去の暗い噂。
犠牲によって成り立つという
自転車ロードレースという競技の特性。
タイトルに秘められた真実とは?
サクリファイス=犠牲、
多重なサクリファイス。
このテーマのもつ悲しさ。
自転車ロードレース選手特有の姿勢とは?
自転車ロードレースの魅力も
味わうことができました。
人間の表と裏。
ミステリー…。
人の心のミステリーなのです。
後を引くラストの展開。
思いもしなかった結末。
これ以上物語の、
真実に触れることは、
この小説の性質上できないです。
淡々として、
読みやすい小説ですが、
この物語の中に、
秘められているものは、
決して軽いものではないです。