夜行観覧車 (双葉文庫)
非の打ちようのないと思われていた
一家で起きた事件。
母親が加害者、父親が被害者。
事件があった家族、高橋家、
その向かいに住む遠藤家、
小島さと子が住む隣の小島家、
高級住宅地に住む家族の内実を書いています。
登場人物はみんな、見栄っぱりで、自己中で、
度の過ぎる嫉妬心を持っていて…
湊 かなえお得意の、
邪悪な心満載の登場人物達。
最悪なのは、
事件の起こった高橋家の向いに住む
遠藤家の癇癪持ちの中学生彩香。
性格がねじ曲がってしまっています。
女子中学生、中年女性の心の暗部、
醜悪さをリアルにあぶり出していて、
うまいな~と感心してしまいます。
読んでいるうちに自分も、
小島さんのように
この人達の家庭を野次馬的興味で
のぞき見しているような感じ、
気になって後半は一気読み。
遠藤家の父親が家に帰る理由、
家から逃げ出したことを繕うため、
比奈子の友達の歩美を伴い
中傷ビラをはがし、落書きを消すシーン。
高橋家の比奈子が歩美達に対し
ありがとうと言うシーンは
ジーンときました。
この本の中で唯一、
救いがある場面でした。
映像化されました。
明日放映です。
TVドラマが始まるまでに、
なんとか間に合いました。