花ごよみ

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旅猫リポート 有川 浩

2013-07-09 | 本 あ行(作家)


旅猫リポート

この本は、サトルという名の青年と、
ナナという名の猫がおりなす、
のどかな旅行記かな、
という軽い気持ちで、
読み進めて行きました。

図書館での返却期限が
ぎりぎりまで迫っていたので
3分の1位残し、
返却するつもりでした。
気が向けば、続きを読むために
また借りて来ようかな、
なんて思いながら…

でもなぜか思い直し、
返却直前に
全て読み終えてから
返すことにしました。

読んでいくと、
なんとなんとそのラスト近い部分が、
思いがけず濃密!!

幸介、吉峰、杉、千佳子、
なつかしい友人達に対しての
サトルの優しさと思いやり、
ナナを見る温かいまなざし、
そして悲しい運命に対しても
折れることのないサトルの
前向きな思考回路。

ナナと一緒に居ることが
出来なくなってしまった辛い理由、
サトルとナナの固い絆、
サトルとナナが最後の旅で一緒に見た、
素敵なもの、素敵な風景。
読みながら涙と鼻水が、
止まらなくなりました。
電車で読むのはよした方がいいです。

猫の心理状態がうまく
描写されていました。

泣ける小説なのに、
悲しさ、切なさを
ほわっと優しい心のヴェールが
覆ってくれます。
誰かに話したくなるいい物語でした。








コメント (4)
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