ぼくたちの家族 (幻冬舎文庫)
タイトルにあるように家族がテーマ。
石井裕也監督、妻夫木聡主演で
映画化するということを知り
読んでみることにしました。
母が病気になったことを端緒にして
心がばらばらだった家族が
本心をはき出すようになり
強い結びつきが生じてくる。
いかにも頼りなげな父。
子供の出産が間近な長男。
お金をせびる次男。
病気になる前は散々な家族。
母親の状態悪化にともなって
借金があることが露見。
後書きの解説によれば
作者の実体験が基になっているということで
リアルです。
そのリアルさもあって、
最初はやりきれないほど重い話で
読もうかどうか迷っていましたが
読み進めていってよかったです。
いい医者に出会えてよかった。
それぞれが成長していく姿を描き
家族が家族らしくなっていきます。
どうなることやら
不安感もありましたが
最後にはポジティブで
心地よい物語になっていました。
文章は読みやすかったです。
初めのタイトルは
「砂上のファンファーレ」
『ぼくらの家族』と改められたそうです。
崩れそうな砂上であっても
家族が今だけでも
笑っていられたらいい、
ということかな。