怒り(上) (中公文庫) 怒り(下) (中公文庫)
映画化を知り読みました。
配役は槙洋平-渡辺謙、槙愛子ー宮崎あおい、
田代哲也ー松山ケンイチ(千葉)
藤田優馬-妻夫木聡、大西直人ー綾野剛(東京)
田中信吾ー森山未來、小宮山泉-広瀬すず(波照間)
そして犯人を追う刑事は三浦貴大ということです。
ある事件が起こり犯人は逃走。
その事件を基にして千葉、東京、波照間と
三つの物語は平行しながら進行していきます。
各物語に前歴不明の男が3人登場。
田代と直人と田中があやしい男です。
事件の犯人かもと疑い始める周囲の人達。
その周囲の人達の揺れ動く
心の動きが秀逸です。
犯人の一人を除きみんな弱くて
哀しくて愛しい人達でした。
結局、不明のまま終わってしまった
刑事と交際していた美佳を加えて
前歴が不詳の4人。
その4人の周りにいる人々が、
不安と猜疑心を持ってしまい
悩みながらも結局は
彼らを傷つけることになってしまい、
周りの人達も同じく傷つきます。
心が痛くなる小説でしたが
少しは希望の光が見えてくるのが救いです。
登場人物が多いですが
読みやすい小説でした。