愚行録 (創元推理文庫)
映画化を機に読みました。
ある凄惨な事件の被害者を中心に
それを取り巻く周囲の人々が、
語っていくことで
人間の愚行が明らかにされていく。
ルポライターのような人物が
被害者に関係した人達にインタビュー。
「あたし」がお兄ちゃんに対し語る部分を、
折々挟みこみながら物語は展開。
幸せな一家に突然襲いかかった惨劇。
被害者一家の知人、友人達が語る話は
結構現実味があって嫌みたっぷり。
犯人捜しというより
被害者と関わった周囲の人達の、
嫉妬、エゴ、格差社会が
もたらす心の暗闇など、
愚行の数々、人間の裏側に潜む悪意を
明らかにしていくのが
きっとこの本のテーマなんでしょう。
様々な愚行が明かされ、
イヤな気分になってきます。
心が重くなってしまい、
後味は悪いです。
インタビューの部分と、
「あたし」が語る部分、
ラストになってどういう風に繋がっていくのか
気がかりでした。
映像化もどんな構成になるのか気になります。