きれいなわらをもらったので納豆を作った。納豆は平安時代、八幡太郎義家が大豆を煮ている最中に敵襲を受け、煮えた大豆をわら袋に詰めて持ち歩くうち大豆が発酵して、おいしそうな香りがした。これが糸引き納豆の始まりとか。私の納豆造りはわら苞を作り蒸して雑菌を払い、これに煮た大豆を詰め、発泡スチロールの箱に温湯を入れたペットボトルを入れて密封した。翌日、大豆の表面に麹がつき、混ぜると糸を引く。たれをかけて暖かいご飯にのせて食した。出来立ての納豆は格別においしい。かの兵たちも相好をくずして食べただろう。
出水市 年神貞子 2013/3/6 毎日新聞鹿児島版掲載