はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

尚志館高校 初勝利!

2013-03-25 22:10:54 | アカショウビンのつぶやき
鹿児島県の陸の孤島と言われる、大隅半島から
選抜高校野球に初出場した、志布志市の尚志館高校。

なんと、なんと、
初回に1点先取されながら、9回で逆転

残念ながら、日曜日の第一試合…。
テレビ観戦はできなかったのですが、

尚志館 劇的初陣飾る

踊る活字に、一日遅れで勝利の興奮を味わっています。

よく頑張ったね

やんやの喝采

2013-03-25 22:10:07 | はがき随筆
 「ん、誰だ? 臭うぞ。春杜かな」。パパがにやにやしながら、こたつを挟んで4歳に聞く。瞬間、幼い顔に緊張が走り反撃の一言が放たれる。「失礼って言ったじゃん」「失礼って言った!」。4歳は全身の針を逆立てた。まなじりを決したその勢いに大の大人がおじけづくほどだ。どうやら娘家族の中では、つい人前でオナラが出てしまった場合は「失礼」と口にするルールができているらしい。「僕はちゃんとした」。じいちゃんばあちゃんという身内ではあるが、人前で面目を潰されて怒る4歳に、私は内心「やんやの喝采」を送るのであった。
  霧島市 久野茂樹 2013/3/25 毎日新聞鹿児島版掲載

モンキチョウ

2013-03-25 00:26:51 | はがき随筆
 3歳になる孫娘が遊びに来た。私におんぶされ、畑に咲いていた色鮮やかな黄色の菜の花を指さし「チョウチョ、チョウチョ」と言うので「これは菜の花よ」と教えた。どこに飛んでいるのかと思いつつ、花に顔を近づけて見ると、花弁がちょうど、モンキチョウが羽を広げたような形状に似ている。これを理解するまでに時間を要した。透き通った濁りのないつぶらな瞳は、つい見落としがちなささいな部分をも認識していて驚かされた。ともすると、感動することに鈍感になりがち。常にアンテナを張り巡らし、感性豊かなバーバでいたい。
  鹿屋市 中鶴裕子 2013/3/23 毎日新聞鹿児島版掲載

行ってきました

2013-03-25 00:21:48 | はがき随筆
 自分で行動できるうちに、クルーズの旅をしたいと思っていたら、タイミングよく台湾・シンガポール・マレーシア旅行の新聞広告を見つけた。すぐに申し込み、パスポート申請などして主人と慌ただしく出発。
 大型客船ではこの世の騒がしさから外れ、揺れも感じなかった。しかし、私の携帯電話は海外対応ではなく、腕時計が止まった。さらに気候に合わない服を持ってきていた。旅慣れない私たち2人にとって失敗ばかりだったが、同行者に恵まれ、楽しめたクルーズ。主人との思い出ができた。また一働きして行きたい。
  阿久根市 的場豊子 2013/3/22 毎日新聞鹿児島版掲載

読む楽しみ

2013-03-25 00:14:40 | はがき随筆
 朝、何を差し置いても新聞をゆっくり読むのが楽しみで、幸せな一時だ。意外に熱心にチェックするのは、紙面下段の新刊書の広告文。
 今朝も曽野綾子著「不幸は人の財産」が目に留った。「もっとも必要なことは、常に楽しい老人になれ」という一文が添えられている。早く読んでみたいものだ。
 私はやや辛口の曽野さんの描くものが好きなのだ。夫が逝った時、さびしくて苦しくて泣きたい夜々に、繰り返し読んだのは「失敗という人生はない」(新潮文庫)だった。どれほど慰められ、力付けられたか。
  霧島市 秋峯いくよ 2013/3/21 毎日新聞鹿児島版掲載

お見舞い

2013-03-25 00:08:49 | はがき随筆
 40代で障害者となり、不自由な生活を強いられた母、父亡き後、長年1人の生活を頑張ってきた。高齢な上に車椅子での生活を続行することが困難になり、入院生活を余儀なくされた。心なしか体も小さくなり子供のように身を委ね質問してくる。そんな時「大丈夫だよ。お母さん、心配しないで」と答えるのが口癖。花好きの母を外に連れ出しランチを食べ、他愛もない会話に笑って帰るのが常である。親子が逆転したかのような関係を楽しむことでストレスも軽減し続けられた。母が祖母を見舞ったように、いつしか私も同様なことをしている。
  鹿屋市 中鶴裕子 2013/3/20 毎日新聞鹿児島版掲載