はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

栄光に向かって走れ! 尚志館高校

2013-03-13 22:00:03 | アカショウビンのつぶやき




 鹿児島県、大隅半島から初めての甲子園出場を決めた
鹿児島県志布志市の尚志館高校
県予選では数々のピンチを好守備などチームワークで乗り切り、
鹿児島実業や神村学園の強豪校を破って台風の目になった。……
3月13日毎日新聞鹿児島版より

尚志館高校の野球部員26人全員が
大隅半島の全自治体にあたる4市5町の出身者。
純大隅チームである。
そして我が鹿屋市出身の部員が7名いる。

いまに至るも野球音痴のアカショウビンですが、
「キバレ!」
と黄色い声で声援を送ろうと思っています。


はがき随筆 2月度

2013-03-13 21:51:17 | 受賞作品
 はがき随筆2月度の入賞者は次の皆さんです。(敬称略)

【月間賞】24日「恋文」井尻清子(63)=出水市
【佳作】21日「夢に見た帆船」鵜家育男(67)=鹿児島市
【佳作】23日「僕は野良猫」鳥取部京子(73)=肝付町

 恋文 亡き夫君への文字通りの恋文です。それも、なんの恥じらいもなく、というかあっけらかんとというか、これほど率直な恋情慕情愛情の吐露は、読む人の照れくささを吹き飛ばしてくれます。それにしても、人が人を死後までも恋い慕うというのはむしろ不思議な気もします。人間の情念の謎に思い至らせてくれる文章です。
 夢に見た帆船 太平洋の白鳥と呼ばれる日本丸を見に行った時の印象記です。その外観の美しさが、海賊船やシルバー船長などの活躍する空想の世界に連れ込んでくれ、まるで少年時代にもどったような気分になったというものです。いくつになっても、少年時代の好奇心と憧憬とをもち続けるのは素晴らしいことですね。
 僕は野良猫 野良猫に対する、愛情あふれた文章です。それが、野良猫の視点から書かれているところが、優れた文章になっています。野良猫が「奥さん」に「随筆に書くよ」と言われ、逃げ出したというところは、筆者の手の内をわざとさらすことで、文書を重層的にしています。
 この他に3編を紹介します。
 新川宣史さんの「決められた道」は、中学校の学芸会で、自分は郵便局員、友人は教員の役を演じさせられたが、後に2人ともその職業についていたという不思議が書かれています。それは先生の先見の明だったのかどうか、今は尋ねる術もない。清水昌子さんの「女正月」は、正月の忙しさをねぎらうための女性だけの慰労会、その女正月を再現させての小旅行の報告です。しゅうとめとの関係に苦労した話が盛り上がるなか、自分は嫁を大切にしているという互いの「自慢話」になったというのが、なんともおかしい文章です。中田輝子さんの「ひったまげたなあ」は、84歳になられる小学校の担任の先生が、菜の花マラソンを完走されたことへの驚きの文章です。8時間、1万3000番、自分に褒美などの恩師の電話の言葉は感動的です。要所に薩摩方言を混在させたために、文章が生きてきました。
  鹿児島大学名誉教授・石田忠彦

孫に乾杯

2013-03-13 21:46:28 | はがき随筆
 小学四年生の時からテニスをしていた孫も、この4月からは大学4年生になる。
 高校時代は県内の大会やインターハイなどに出場して、新聞などで情報は知り得たが、京都の大学に行ってからは、娘から時々様子を聞くだけになった。
 正月、彼が1年ぶりに訪問してきた。変わらず笑顔のいい男である。僅か1年なのに、背も伸びてしかもたくましく、その成長には目を見張るものがあり、うれしかった。昨年の秋からキャプテンに推され、チームの面倒をみているとか。家族みんなで、頼もしい彼に乾杯して新年を祝った。
  志布志市 一木法明 2013/3/13 毎日新聞鹿児島版掲載

自家製ノート

2013-03-13 21:35:38 | はがき随筆
 「製本ワークショップ」に参加した。馬頭洋子・紙と糸代表が講師。小学生や大学生から熟年の男女10人が生徒。製本といっても、今回は「一折中とじ」という方式で、自家製ノート作りだ。製本の基本で「糸と紙さえあれば何でも本にできますよ」と馬頭先生。
 A4サイズの表紙、見返し、本文の用紙を二つ折りに。中心部に5カ所、目打ちで穴を開け麻糸で縫っていく。紙をとじ終えた糸の端と端を2回正結びして完成。先生の説明を聞きながら、手を動かして1時間。世界に一つのノートを手に入れ、製本家気分の私は歓声。
  鹿児島市 高橋誠 2013/3/12 毎日新聞鹿児島版掲載

「思い出のアルバム」

2013-03-13 16:15:59 | 岩国エッセイサロンより
2013年3月12日 (火)

岩国市  会 員   中村 美奈恵

中1の息子が「体罰についてのアンケート」を持って帰った。「親子で一緒に回答してください」とある。息子と確かめ合いながら記入する。最後に、思いを問われた。 
 私が子どもの頃、体罰は身近にあった。ある担任は、問題が分からないと立たせ頭をこづいた。授業が苦痛で、持ち上がると知った時は落胆した。別の先生は、忘れ物をすると教科書で頭をたたき、そのまま2階の窓から放り投げた。ピリピリして、その教科は全然楽しくなかった。子どもにとっていいことは何もない。40年たった今、嫌な思い出が残っているだけだ。

 (2013.03.12 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロン転載