2013年8月 7日 (水)
岩国市 会 員 横山 恵子
毎年夏になると、叔母夫婦が田舎から送ってくれた手作りの餅粉で、かしわ餅を作っている。かしわの葉は、家の裏にある線路の斜面から取ってくる。
餅粉とお湯を混ぜて耳たぶくらいの硬さに練り、適度な大きさにちぎる。それで手作りあんを包んで、15~20分蒸す。このとき、葉を蒸し器に入れておくと、やがて心地いい香りがしてくる。
私にとって、それは山あいの故郷の香りそのものだ。亡き祖母も、私にかしわ餅を作ってくれた。なつかしい山々や、レンゲ畑を走ったり川で泳いだりした幼いころの思い出もよみがえってくる。
先日孫たちと一緒に葉を摘んで餅を作ったら、喜んで食べてくれた。大人になったとき、かしわ餅を思い出してくれたらうれしい。
(2013.08.07 読売新聞「気流」掲載)岩国エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 横山 恵子
毎年夏になると、叔母夫婦が田舎から送ってくれた手作りの餅粉で、かしわ餅を作っている。かしわの葉は、家の裏にある線路の斜面から取ってくる。
餅粉とお湯を混ぜて耳たぶくらいの硬さに練り、適度な大きさにちぎる。それで手作りあんを包んで、15~20分蒸す。このとき、葉を蒸し器に入れておくと、やがて心地いい香りがしてくる。
私にとって、それは山あいの故郷の香りそのものだ。亡き祖母も、私にかしわ餅を作ってくれた。なつかしい山々や、レンゲ畑を走ったり川で泳いだりした幼いころの思い出もよみがえってくる。
先日孫たちと一緒に葉を摘んで餅を作ったら、喜んで食べてくれた。大人になったとき、かしわ餅を思い出してくれたらうれしい。
(2013.08.07 読売新聞「気流」掲載)岩国エッセイサロンより転載