はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

鹿屋夏祭り

2013-08-19 18:24:50 | アカショウビンのつぶやき

どこも今の時期、お祭りで賑やかでしょうね。
鹿屋夏祭りも先週末にありました。
踊り連の出発が鹿屋市役所前なので、
役所裏の駐車場は、待機組の山車がずらーっと並びました。
暑い中、威勢の良い太鼓の音が響きます。

市役所がお隣…と言う位置にある我が家は、
次々にやってくる山車を自宅の窓から眺めてお祭り気分です。

夜更けまで、賑やかな踊り連のお囃子や歌声が聞こえていました。

これが平和なんですね。

夏に考えること

2013-08-19 17:03:23 | ペン&ぺん

 この夏をどのように過ごされていますか。多くの犠牲者を出し、甚大な被害に見舞われた1993年の8・6水害から20年。県などの行政や報道機関は改めて8・6水害を検証、「教訓を生かせ」と呼びかけた。7月の山口・島根豪雨災害が記憶に新しい。これからは台風も襲来する。備えを怠らぬよう注意したい。
 68回目の終戦記念日を迎えた。鹿児島からも多くの若者らが特攻出撃。今年も隊員の遺書や遺品などが展示されている南九州市の知覧特攻平和会館、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地資料館がテレビなどで紹介された。特攻を多くの人たちに知ってもらうよい機会で、視聴者は改めて平和や歴史を見つめ直しただろう。夏休み中、ぜひ子供たちは訪ねてほしい。
 8月は盆と終戦記念日もあって、亡くなった人たちを思い出す。先日、父の十三回忌で熊本に帰省。叔父、叔母らに会ったが多くが80代。「親戚がこうして集まるのもこれが最後かな」と思った。子供だった私に水泳や餅つきを教えてくれた叔父は車椅子に乗り、会話は介護や死後の財産分けなどに終始した。いとこたちも多くが県外で働き、母(84)や高齢の親戚らが互いに老老介護をしている現実があるのに、私はどうすることもできない。この仕事を選んだ時点で分かっていた。今、何をすべきか考えると眠れなくなる。
 叔父らから「定年はいつ?」と尋ねられてもまだ間がある。仮に60歳で退職し古里に戻っても職は、ない。実家で1人暮らしをする母もいつまで元気でいてくれるか。こんな悩みを抱えている方は大勢おられるだろう。
 さて話は変わって、楠南は夏の甲子園で最後まで諦めないプレーを見せてくれた。次は秋の九州大会だ。その先に「センバツ」がある。新たな目標に向かって、また頑張ろう。
鹿児島支局長 三嶋祐一郎

2013/8/19 毎日新聞鹿児島版掲載

サプライズ

2013-08-19 16:56:52 | はがき随筆
 夏休み前に湯布院の保養所に旅しようと、東京の次男からの誘い。家族を置いて? まーいいかと福岡空港で合流。息子は親のわがままを聞き入れ、緑豊かな湯布院を案内してくれた。
 保養所は高台にあり、由布岳を望む露天風呂に身も心も癒され、いよいよ夕食。姿勢を正して「父さん喜寿おめでとう。おれが一番金使ったね。感謝しているよ。今夜はゆっくりくつろいでね」と。夫は「ありがとう。思ってもいなかった」と息子のサプライズに照れながらも、うれしそうに乾杯した。
 粋な計らいをする息子の成長がまぶしく苦労も吹き飛んだ。
  薩摩川内市 田中由利子 2013/8/19 毎日新聞鹿児島版掲載

ヨーコトースト

2013-08-19 16:50:15 | はがき随筆
 たっぷりの牛乳に卵と蜂蜜を混ぜ、食パンを浸す。それをバターをひいたフライパンで焼く。栄養満点。甘くてトロリとのどをこす。夫が「ヨーコトースト」と名付け、よくリクエストした。最後になったあの日にも。
 午前2時、電話が鳴った。夫が大喀血したという。小5の娘を起こし、義理の母とタクシーで加治木の病院へ。容体は落ち着いていた。朝食はヨーコトースト。きれいに食べておいしかったと喜んだ。その3時間後、再び喀血、末らぬ人に。病と向き合った6年間だった。命日には私も好きなヨーコトーストを食べる。笑顔の夫がそばにいる。
  鹿児島市 内山陽子 2013/8/18 毎日新聞鹿児島版掲載