熱い日、近くの丘でチャンバラごっこをしていて、ついサツマ芋畑に入ってしまった。その瞬間右足に激痛が走った。「くぎだ!」と叫び、人を止めた。
当時、芋畑には泥棒よけに五寸くぎを打ち、逆立ててあったのだ。仲間が声を合わせて抜いてくれたのでうれしかった。
痛いので四つんばいになって帰っていると、島原半島の先で「ピカーッ」と閃光が走り、もくもくと上がる雲がきのこ形になっていく。足の痛みも忘れて不思議な現象に見入っていた。それは長崎に残酷な原爆が落とされた時……。6歳で荒尾から見たピカドンは忘れられない。
出水市 清田文雄 2013/8/15 毎日新聞鹿児島版掲載
当時、芋畑には泥棒よけに五寸くぎを打ち、逆立ててあったのだ。仲間が声を合わせて抜いてくれたのでうれしかった。
痛いので四つんばいになって帰っていると、島原半島の先で「ピカーッ」と閃光が走り、もくもくと上がる雲がきのこ形になっていく。足の痛みも忘れて不思議な現象に見入っていた。それは長崎に残酷な原爆が落とされた時……。6歳で荒尾から見たピカドンは忘れられない。
出水市 清田文雄 2013/8/15 毎日新聞鹿児島版掲載