終戦の日、村は静まり返った。空を見上げると、いつもの敵機の姿はなく、村人は道々でひそひそと立ち話をしていた。
小学校は8月に空襲で全焼、2学期は校舎の焼跡のくぎ拾いから始まった。やがて引き揚げ者の子供たちも入学、仮設校舎もできて、授業が再開した。
翌年、進駐軍の2人がジープ型の車で村役場にやってきた。私たちは車を取り囲み、機器に見入った。初めて見る米兵は赤ら顔の大男たちで、終始笑顔であった。終戦を機に全ての価値観が一変した。2年後の農地改革では農地の得失が生じ、小さな村は大きく揺れた。
鹿児島市 田中健一郎 2013/8/25 毎日新聞鹿児島版掲載
小学校は8月に空襲で全焼、2学期は校舎の焼跡のくぎ拾いから始まった。やがて引き揚げ者の子供たちも入学、仮設校舎もできて、授業が再開した。
翌年、進駐軍の2人がジープ型の車で村役場にやってきた。私たちは車を取り囲み、機器に見入った。初めて見る米兵は赤ら顔の大男たちで、終始笑顔であった。終戦を機に全ての価値観が一変した。2年後の農地改革では農地の得失が生じ、小さな村は大きく揺れた。
鹿児島市 田中健一郎 2013/8/25 毎日新聞鹿児島版掲載