はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

畑に猫 知恵絞り対抗

2013-10-08 20:51:54 | 岩国エッセイサロンより
2013年10月 8日 (火)

  岩国市 会 員   山本 一


いつもの野良猫が、隣の庭から、我が家の庭に入ろうとしている。大声で追い払う。この繰り返しである。

ご近所も毎日、野良猫との戦いだ。一番困るのは当り構わずの排せつ。ふんも尿も強烈な臭いだ。芝生などこんもりした所や整地した畑にふんをする。気付かずに踏みつけると大変である。

先日、庭の一角に大根の種を撒いた。翌日、間違いなく踏み荒らされていた。思案し、通り道を、猫が危険を感じるように細工することにした。野良猫は、いつもみんなに追われて育っている。必ず逃げ場を確保しながら行動するはずだ。

我が家への猫の通り道は3カ所。約1.5m幅の2カ所に園芸用のネットを張った。もう1か所の広い入口はいつも人が出入りする場所。猫が嫌がる音を出す電気式の道具を置いた。

5日間は、庭も畑も無事で、大根もすっかり芽を出した。ふん害もまったくないが、この対策が将来ずっと有効だとは思わない。猫がちょっと勇気を出せば、いくらでも通れるのだから。

(2013.10.8 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載