はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「元気の出た朝」

2013-10-18 13:53:04 | 岩国エッセイサロンより
2013年10月18日 (金)

岩国市  会 員   森重 和枝

 今日は、朝市の月1回の当番の日たった。メンバーは6人。長く続けている朝市で、お客さんも多く、開始30分は大忙しでおしゃべりする暇もない。
 一段落すると、持ち寄りのおやつをつまみながらお茶タイム。今朝は失敗談になる。1人が「軽トラを出そうとした時、窓をたたかれて、やっと自分のじゃないと気がついたのいね」。次の人は「お疲れさん、と助手席に乗ったら、主人じゃなかったのいね」と大笑い。忘れ物や勘違いの種は尽きず、みんなでワッハッハ! ワッハッハ! 元気で明るい仲間のおかけで、大いに活力をもらった。

(2013.10.18 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「がん早期発見まずは受診を」

2013-10-18 13:50:46 | 岩国エッセイサロンより
岩国市  会 員   山下 治子

坂東三津五郎さんが「膵臓がんに勝った」という笑顔の記事は、6年前の自分と重なる部分があってうれしくなった。 

それは、退職して間もない秋の夕暮れ時だった。「健診受けよるかね」と食生活改善推進員の方から受診を勧められた。元気印を自負し、健診など何年もご無沙汰だったことに気付かされ、その年最後の健診日ぎりぎりに間に合った。再検査の通知が来た。がんが見つかった。自覚症状など全くなかったが「知らないままだったら、あと1年くらいだったかも」と術後に担当医から聞かされた。

三津五郎さんは勘三郎さんを思い、いつもより早く受診されたことで、極めて難しい部位の腫瘍が発見できたとか。どんな特効薬や神の手よりまず早期発見。私の場合は「受けよるかね」の声掛けが、がんへの意識を目覚めさせてくれた。命の分かれ目とは、そんなふとしたことに気付くことかもしれない。その後、私も推進員になり、健診促進の活動を行っている。
 (2013.10.18 毎日新聞「みんなの声」掲載)岩国エッセイサロンより転載

旅するチョウを撮影

2013-10-18 13:43:47 | 岩国エッセイサロンより


2013年10月18日 (金)

   岩国市   会 員  片山 清勝

 アサギマダラというチョウは、遠く南西諸島や台湾近くまで移動すると聞く。そんなチョウを見ることはないだろうと思っていたが、近くにいると聞いた。
 その場所は錦帯橋近くの吉香公園。秋の七草の一つであるフジバカマの周りを、何種類かのチョウが飛んでいる。カメラを構えた人に「あの大形の数匹がアサギマダラ」と教えられた。
 羽は青灰色で半透明、前羽の外縁に沿う部分は黒く、後羽の外周部は鮮やかな濃褐色。羽を開けば、10センチほどもありそうだ。
 フジバカマの蜜を吸う。一回に吸う時間は長い。カメラを近づけてものぞき込んでも、人を恐れる様子もなく吸い続ける。
 ほかのチヨウのように羽ばたかず、ふわふわと心地よさそうに飛ぶ。上品な舞のようだ。俊敏さはないのに、あれで何千キロも移動するのかと驚く。
 間もなく南へ旅立つそうで、その前の蜜吸いという。写真をしっかり撮らせてもらった。次の出会いまでに彼らのことを学習しておこう。 
    (2013.10.18 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「味覚の秋  山の恵み活用思う」

2013-10-18 13:40:40 | 岩国エッセイサロンより
2013年10月17日 (木)

    岩国市  会員  吉岡 賢一 

 秋の味覚といえば、まずはマッタケ。次いでクリにカキ・・・・・・。
 忘れてはならないのが、かめばかむほどに味わい深いとれたての新米のホクホク銀飯。
 ただ、それらは店で購入するものばかりだ。
 かつてはマッタケもクリも、妻の実家からふんだんに届いていたものである。
 特にクリは、剪定や下刈りなど十分手入れをして、クリ拾いに里帰りする私たちを義父母が待ってくれていた。やがて義父母が逝き、義兄夫婦は年老いる。山の手入れをする人手がなくなり、今では大やぶに戻ってしまった。
 働き手が減っていく山間の集落は、山の恵みを自ら放棄せざるを得なくなり、過疎化の要因ともなっている。
 国土の70%近くが森林の日本。眠れる森林資源を有効活用し、食料自給率のアップと、経済活性化につなげられないものか。
 山津波などの自然災害防止にも大きく貢献すると思うのだが。 

         2013.10.17 朝日新聞「声」 掲載 岩国エッセイサロンより転載